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サッカー日本代表は11日、ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会アジア最終予選の第4戦、イラク戦(埼玉スタジアム)に臨み、1−0で勝利した。日本は前半に前田遼一がゴールを決め、これが決勝点となった。この結果、日本は3勝1分けの勝ち点10でグループBの首位に立っている。
試合後、イラクのジーコ監督は「非常にコンディションが悪い選手もいて、万全の状態で出せない状況にある」と先発メンバーを大幅に変えた理由を説明した。また日本については「グループ1位になるのは間違いない」とその実力に太鼓判を押した。
■失点はわれわれの凡ミス
日本の勝利を称賛したい。イラクにとっては非常に難しいゲームだった。選手たちはとても努力してチャンスを作り出していたが、それを得点には結びつけられなかった。失点はわれわれの凡ミス。もともと警戒していたのがサイドからのスローインだったが、あの場面では別のプレーを警戒してミスをしてしまった。それでもわたしの選手には満足している。昨日も言ったとおり、わたしは自分でリスクを負っている。それは、一度も一緒にプレーしなかった選手たちを、初めて公式戦に出したし、何人かをA代表でデビューさせた。
このベースになっているのが五輪代表だが、彼らは本大会には進んでいない。それでも、彼らをこういった大きな舞台で試さないと(日本に連れてきた)意味がないということで、彼らを(今日の試合に)ぶつけた。この選手たちが、イラク代表の将来をを担うベースになる。だからこのテストをポジティブな結果として受け止めている。もちろん日本は、われわれの上を行くチームであり、選手同士もお互い慣れているし、欧州での経験が豊富な選手も多い。プレー面でも戦術的にも理にかなったもので、そういう意味で日本に敗れてしまった。
残念ながらイラクの事情として、われわれはこうした公式戦でしか選手を試すことはできない。親善試合で選手を試せないという状況がある。
――リスクを負って若い選手を出したということだが、今後の予選もこのメンバーでいくのか(大住良之/フリーランス)
このチームをベースに、これからを戦っていきたい。これまで使ってきた選手には、非常にコンディションが悪い選手もいて、万全の状態で出せない状況にある。残り20分くらいから3人の選手を投入したが、これが限界だった。前のオマーン戦と同じスタメンで戦っていれば、今日は大量失点で負けていた可能性があった。所属クラブがない選手、けが明けの選手も多く、日本のスピードに対応するために若い選手を多く使った。今日、スタメンで出した選手は、先月の27日からずっと一緒に練習している。後半で起用した選手は、今は(国内は)プレシーズンなので、今のコンディションが分からなかった。これからシーズンが始まるので、コンディションが上がっていけば、もちろん彼らもスタメンに復帰していくと思う。
――前半20分まではイラクは押していた。流れが変わったのは失点が理由か?
一言で言えば、日本はお互いのプレーに慣れているし、チームとしてなじんでいる。個々の選手を見ても、インテルやCSKAモスクワなど欧州のクラブでプレーしている。そうした欧州の経験が、こうした状況で効いていると思う。日本がグループ1位になるのは間違いない。
われわれも、日本の良い攻撃パターンにしっかり対処していたという自覚もある。特にゴールシーンを見ると、スローインから始まったが、FKやCKなどのセットプレーからは失点していないし、遠藤(保仁)や本田(圭佑)に対しても、われわれがマークしてシュートを打たせなかったと思う。それに加えて6万人の熱狂的なサポーターが後押ししてくれる。これもまた素晴らしいところだと思う。わたしも日本の監督として(後押しを受けた)経験があるが、残念ながらイラクにはそういう状況がない。ホームで戦えないため、サポーターの後押しは期待できない、という事情もある。
■日本で過ごした15年は無駄ではなかった
――若手を試したというのも分かるが、今日のGKのヌール・サブリは31歳で、しかもずっと控えGKだった。その彼を日本戦で起用してキャプテンに任命した理由を教えてほしい(宇都宮徹壱/フリーランス)
GKに関していえば、31歳はそんなに年を取っているとは言えない。オーストラリアのGK(マーク・シュワルツァー )は40歳(編注:実際は39歳)を過ぎているが、アジアではベストGKだ。今日のヌールに関しては、アラブネーションズカップで最も活躍した選手なので、彼をレギュラーにした。一方、これまで正GKだったモハンマドについては、6月のオマーン戦で使って以降、3カ月も実戦から遠ざかっていた。今は所属クラブもない状況だったので、今回はヌールを起用した。
――ドイツW杯以後、日本代表監督を退任する際に「日本はもっとフィジカルを強くする必要がある」と言ったが、6年たってどのような評価か?
フィジカルの意味合いは、コンディショニングではなく、選手の体の構造というか、けがしない強い体の作り方という意味で当時指摘した。今では日本の多くの選手が欧州にわたり、問題なくプレーしている。それは激しく厳しいプレーに適応しながら、食事も現地のものを取り入れることで日本の選手の体ができてきているからだと思う。長友(佑都)は90分間走り続けたが、さらに90分走れと言われてもできただろう。そうした恵まれた体作りができている。今はそのように変わっている。わたしは4年間、日本代表を率いたが、代表選手の骨折というケースが7件もあった。代表クラスにしては、多すぎると思う。こうした骨折のような問題がないように、日本の選手はけがをしない体作りが必要だと指摘した。今振り返れば、柳沢(敦)、稲本(潤一)が2回骨折した。代表監督にとって、選手が欠けるというのは非常に痛いことだった。
――試合の最後に、日本のサポーターからジーココールがあったことに気付いたか? それとザッケローニ監督が握手を忘れたようだが、その後、握手はしたか?
ザッケローニとは古くからの友人だ。握手を忘れたからといって何ら問題はないし、彼は試合が終わってすぐに、選手に何かを伝えたかったのだと思う。その後、インタビューに入ってしまったので、それが終わるまで待っていた。(その後)こちらの会見に来る前に2人で話す機会があり、二言三言、話ができたので何も問題はない。それと日本のサポーターのコールがあったのは気がつかなかったが、コールがあったのであれば非常に感謝したいし、すごくうれしく思う。日本で過ごした15年は無駄ではなかったとあらためて思う。
<了>
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/text/kaiken/201209120002-spnavi.html
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