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これはもう、べらぼうな数字である。いいですか。初戦、今治西高から22三振を奪い、1試合最多奪三振の記録(従来は1925年の森田勇[東山中]の19、以後4人あり)を87年ぶりに塗り替えると、続く常総学院も19奪三振。「18くらい取られるのでは……と言っていたが、本当に取られた」(常総学院高・佐々木力監督)というから、桐光学園・松井裕樹の投球はまるで劇画のようだ。
■圧巻だった初戦の今治西高戦の10者連続三振
146キロに達するストレートと、落差の大きい鋭いスライダー。昨年の6月ごろから、カウントを整える球として取り組んだが、改良に改良を重ねて伝家の宝刀となった。神奈川県大会では、46回3分の1を投げて68奪三振。今治西高戦では3回まで7、6回まで13と奪三振ペースはまったく衰えず、8回終了時点で19と甲子園記録タイに並ぶと、続く9回、先頭打者から空振りの三振を奪い、あっけなく大記録を成し遂げる。その9回、2死一塁のピンチを招いても動じない。口元がなにやら動いていたのは、「相手の応援を自分の応援だと思い、歌いながらリズムを取っていました」という2年生。心臓も並じゃない。
圧巻は、6回途中から9回二死まで続けた10者連続三振で、「もともと球数が多い投手だから、スタミナはある」(桐光学園高・野呂雅之監督)と、球威はまったく落ちなかった。今治西高の大野康哉監督がうめくのは、「終盤まで思い切って腕を振ってくるし、しかも直球とスライダーと腕の軌道がまったく同じ。低めには手を出すなと何回言っても、バットが止まらなかったのはそのせいでしょう」。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/hs/12summer/text/201208160006-spnavi.html
■「リリースだけに力を入れるように意識」
2試合合計で41三振を記録した松井だが、「三振の数は意識しません」と話す【写真は共同】 神奈川・青葉緑東シニアでは、3年時に全国大会で優勝。中学時代に対戦経験のある1学年下の坂本憲吾外野手(桐光学園高)によると、「真っすぐは当たりそうになかったので、バントをした」ほど、当時から球威は群を抜いていた。
昨年、桐光学園に入学すると、1年ながら中心投手の1人に。ひ弱だった下半身は走り込みと、20球×10セットの200球の投げ込みで強化され、バランスの取れた体が出来上がった。それが、同じ腕の振りからストレートと変化球を投げ分ける土台になっている。
「リリースだけに力を入れるように意識している」とは本人の言葉だが、それは巨人・杉内俊哉が常に口にしていることだ。常総学院高・佐々木監督はいみじくも「杉内君に匹敵するような左腕」と表現したが、鹿児島実高(当時)の杉内が98年夏の甲子園、八戸工大一高(青森)戦でノーヒット・ノーランを記録した時、奪った三振は16だった。三振の数では、松井の方がすでに上をいっている。
■板東が持つ最多奪三振記録「83」も視界に
ただ、常総学院もただ者じゃない。なにしろ、率いる佐々木監督は84年夏、あの桑田真澄(PL学園)を攻略して優勝した取手二高のメンバーだ。スライダーは振っても当たらない、それなら曲がる前に打て――の指示に、各打者は投球と同時にピッチャー寄りに立ち位置を変えるなどの工夫で終盤、2点差まで詰め寄る。8回はなおも、2死二塁のピンチだ。松井は、自分に言い聞かせる。
「守備のリズムを考えれば、打たせて取るところは打たせて取る。だけどピンチでは、全力で三振を狙っていく」
と、五番・飯田晴海を渾身の142キロ直球で空振り三振。9回には、チェンジアップを披露するなどさらに2三振を奪い、5失点と苦しみながら完投した。松井は言う。
「三振の数は意識しませんが、勝負どころで狙って取れたのはいい。先輩たちが声をかけてくれるので、心強かったです」
これで、2試合で41三振。58年、現タレントの板東英二(当時徳島商)が記録した一大会の最多奪三振83を意識するには、ちょっと気が早いか。ただ板東は、延長18回引き分けと、その再試合を含めて6試合を投げているから、ペースでは圧倒的に松井が上だ。
「とにかく、今までに見たことがない球。22、19ときて、ウチは16三振くらいで収まればいいんですが」というのは、19日(予定)に対戦する浦添商高・宮良高雅監督の言葉である。
<了>
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/hs/12summer/text/201208160006-spnavi_2.html
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