5. 2015年10月16日 15:41:49
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Sports | 2015年 10月 16日 15:11 JST 関連トピックス: スポーツ, トップニュースラグビー=19年W杯見据える日本、次世代育成の態勢整備が課題 http://s2.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20151016&t=2&i=1087384019&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXNPEB9F05F 10月16日、ラグビーのワールドカップ予選で世界を沸かせた日本。自国開催となる2019年大会を見据え始めた。ミルトン・キーンズで3日撮影(2015年 ロイター/Darren Staples) 【東京 16日 ロイター】 - ラグビーのワールドカップ(W杯)は、17日から決勝トーナメントが始まり、いよいよ佳境に入る。予選で世界を沸かせた日本は一歩及ばず、自国開催となる2019年大会を見据え始めた。 エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ(HC、55)が去った後も強さを持続し、国内のブームを一過性に終わらせないためには、人材という「楕円球」を小学生から代表チームまでつなぐ態勢の整備が求められる。 <急速に高まったファンの熱気> 日本代表が最終戦の米国に勝った12日、東京都葛飾区のグラウンドには、ラグビー体験を希望する子ども52人が集まった。幼稚園から小学生まで、輪になってパスしたり、走りながら相手をかわす練習で汗を流した。 毎年この時期に体験会を開く「葛飾ラグビースクール」によると、今年は参加者が5倍に増えた。昨年まで事前の問い合わせは皆無だったが、今年は電話やメールが来たという。千葉県市川市から5歳の息子を参加させた主婦の石毛淳さん(44)は、「日本代表のプレー、チームワークを見ていて熱くなった。息子にも体験させたいと思った」と話す。 <高まった代表の質> 日本代表が彼女のようなファンを掘り起こしたのは、南アフリカなど格上の相手を単に破ったからではない。息もつかせぬテンポの速いプレーが、見る者を引き込んだ。ゴールライン前まで迫った大事な場面で、ボールを落とすなどのミスを犯すことは激減した。フォーワード陣が押し込み、速い球出しでバックス陣が連続攻撃を仕掛けた南ア戦の最後の場面は象徴的だ。 「以前の代表に比べて、プレーの仕方が変わったわけではない。われわれも速いテンポのゲームをやろうとしていた」と、1999年のW杯に日本代表の主将として出場したアンドリュー・マコーミックさん(48)は言う。「違うのは、ジョーンズHCが選手を奮い立たせ、やりたいプレーをやりきれるようにしたことだ」と話す。 所属する社会人や大学チームの活動がある中、招集した選手を代表の練習に集中させたジョーンズHCの方針は、パスやラインアウトの精度を高め、スクラムを強くした。今年4月から4カ月間、宮崎県で強化合宿に臨んだ選手たちは朝から晩まで猛練習し、グラウンドの外でも多くの時間をともに過ごした。 12年に就任した日本代表の岩渕健輔ゼネラルマネージャー(39)の存在も大きい。選手として代表で活躍し、ケンブリッジ大学で修士号を取得した同氏は、人脈を駆使して強豪国との試合を実現した。日本代表は一流チームとの試合を通じ、確実に力をつけていった。 「岩渕さんが来てから本当に変わった。それまでウェールズと試合なんてできなかった」と、学生時代にプレーし、雑誌編集者としてラグビーを見てきた成見宏樹さん(42)は振り返る。 <チームを組めない高校> 19年W杯開催国の日本には、いま以上の力が求められる。大会が盛り上がるかどうかは、開催国の強さに大きく左右されるからだ。しかし、頂点となる代表を支えるべき日本ラグビーの態勢は、小学生から社会人まで盤石とは言えない。 ラグビー協会に登録する小学生チームは全国に418あるが、中学生は296チームに減る。小学生で楕円球に親しんだ子どもが、他の競技に進まなくてはいけない状況が問題視されている。 高校ラグビーは1993年に1427校が全国大会予選に参加したが、サッカーの人気上昇と相まって入部者が減り、昨年は786校に半減した。大学は一部の強豪を除き、OBの社会人が週末に顔を出す程度で、コーチが常に指導する体制が整ってない。 <ポスト・エディーの問題点> 19年まで続投し、次世代の育成も期待されたジョーンズHCは、今回のW杯で退任する。有望な若手を次の代表に育てようと12年に創設されたチーム「ジュニア・ジャパン」は、狙い通りに進んでいない。大学や社会人の選手を定期的に招集し、練習を重ねる構想だったが、所属チームの理解がなかなか得られないという。 ジョーンズHCはW杯から帰国した直後の会見で「高校、大学、トップリーグでも高いレベルでパフォーマンスする指導ができていない」と問題点を指摘した。「ラグビー選手を育てる練習をしないといけない。層を厚くすれば競争力が上がり、優秀な選手が増えて代表チームが強くなる」と語った。 10月の週末、東京都大田区のグラウンドでは、楕円球を持った小学生が芝の上を走っていた。ラグビースクール「しながわバンブー」も運営する編集者の成見さんは、仲間のコーチと子どもたちを指導していた。 「ジョーンズHCの存在はすごく大きく、あの人だから強くなったという属人的な部分がある」と話す成見さん。「しかし唯一ではない。違うやり方があるはず」と、自分なりに日本ラグビーの将来に貢献したいと考えている。 まずは来年、競技人口を増やす上でネックとなっている中学生の部を立ち上げる計画だ。 (久保信博、竿代真一 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/2015/10/16/rugby-j-idJPKCN0SA0DU20151016?sp=true |