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プロ野球:開幕、結論先送り 選手、監督は否定的
開幕延期か、予定通り実施か−−。日本プロ野球組織(NPB)は東日本大震災を受け15日に臨時実行委員会を開いたが、今月25日に予定される開幕を延期するかについて継続協議とした。しかし、震災の影響が少なかったセ・リーグは予定通りに開幕する方針を固めており、一方、被災地・仙台を本拠地とする楽天が属するパ・リーグは延期の方針でまとまっている。NPBは17日にも結論を発表する見通し。16日には、セの各チームで球団側が「25日開幕」の方針を選手らに説明したが、選手たちからは「まだ、そういう段階ではない」と批判の声が上がった。【プロ野球取材班】
「予定通り開幕」を強く主張する巨人は16日、清武英利球団代表が選手らと話し合い、25日開幕に理解を求めた。清武代表は「野球選手ができるのは野球。セ・リーグはできる可能性があるのだから、25日で準備しようということ」と説明。計画停電が実施されている中での開催については、「(停電の範囲外は)やってもいいということ。経済活動はやめるべきではない」と主張。「何でもかんでも自粛すればいいのか。条件が許せばスタートするしかない。それがスポーツマンの責務」と述べた。一方、選手会長の内海は「関東近辺も被災地。現状では、まだその段階(開幕)ではない」と否定的な考えを示した。
ヤクルトも球団幹部が、選手会長の石川や労組日本プロ野球選手会の前会長、宮本らにリーグの方針を説明した。宮本は「『やりたい』というだけで納得する理由がなかった」とし、「復興が見えた時に(被災者を)勇気づけようというのはいいと思うが、いま野球で勇気づけようというのは思い上がり」と、強い言葉でリーグの姿勢を批判した。
横浜でも加地隆雄球団社長が選手たちに説明したが、エースの三浦は「球界として一致団結するなら(延期方針の)パに合わせた方がいい」と反対。被災地の宮城県石巻市出身の選手会長、新沼も「行方不明者もいるし、放射能漏れの問題もある。選手側は延期を求めている」と語った。
他の球団でも、セの25日開幕の方針に批判が相次いだ。仙台にある東北福祉大出身の阪神・金本は「勇気を与えるとか、勇気をもらうとかそういう状態ではないと思う。ゴルフもフィギュアもすべて中止になって、プロ野球だけがそこまで開幕にこだわる理由は何なのか」とコメント。本拠地のQVCマリンフィールド周辺が震災の影響で液状化を起こしたロッテは、選手会長のサブローが「千葉県でも死者や行方不明の方がいる。正直、野球どころじゃないと思う」。西村監督も「毎日、被害がどんどん拡大する中で開幕していいのかという選手の気持ちはわかる」と理解を示した。日本ハムでは田中選手会長がチームの意見を集約し、「開幕を延期した方がいいという意見でまとまっている。被災者を第一に考えることが大事だ。これだけ被災者のいる中では無理」と語った。
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