春場所中止を検討　前売り延期、八百長調査に時間 2011年2月4日21時38分:朝日新聞
http://www.asahi.com/sports/update/0204/TKY201102040364.html

　日本相撲協会の放駒理事長（元大関魁傑）は４日、東京・国技館で記者会見し、力士らの八百長疑惑を受け、６日の臨時理事会で、春場所（３月１３日初日、大阪府立体育会館）の開催見送りを検討する考えを示した。６日に予定していた春場所の前売り入場券の発売は延期した。新たな発売日は未定という。

　会見で理事長は、春場所について「私個人の気持ちとしてはやりたい」とした上で、「ただ、こういう問題が出てファンに理解してもらえない状況で開催していいのかを考えないといけない」と話した。実際に場所が中止になるのかどうかについては、「６日の理事会でどうなるかだ」と答えた。

　前売り入場券の発売延期については、八百長疑惑で名前が挙がっている１４人への、特別調査委員会（座長＝伊藤滋・早大特命教授）での聞き取り調査が遅れていることを理由に挙げ、「調査に時間がかかりそうなので、前売りを延ばそうということになった。うやむやではいけない」と述べた。６日の臨時理事会で１４人への処分が決められるかは微妙という。

　特別調査委は当初、５日までに１４人への調査を終え、６日の理事会までに報告する予定だった。しかし、調査委はこの日、「１度の聴取で全容の解明ができる状況にはない」と発表。すでに面接した８人の聴取内容のつじつまが合わないため、１４人に対して、使用している携帯電話とその通話やメールの記録の開示を求め、銀行の預金通帳の任意提出を要請した。

　一方、八百長への関与を認めた十両の千代白鵬（２７）＝九重部屋＝が協会に引退届を提出していたことが、この日明らかになった。だが、協会は受理していないという。受理しない理由について理事長は、「処罰の対象力士ですから、そうですか、はい分かりました、とはいかない。受理をせず、預かる形になった」と話した。

　野球賭博問題で揺れた昨夏の名古屋場所は、初日の２週間前に力士らへの懲戒処分などを条件に開催が決まり、１週間遅れで新番付が発表された。理事長は春場所について「やるかやらないかの判断は１分１秒でも早いほうがいい」と早急に判断する意向だが、疑惑の力士を処分しない状態で開催の可否を決めるのは難しい状況だ。
　

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