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先日、東京ベルディの経営難が話題になった。女子プロ野球もなかなか経営がうまくいない様子だ。日本全体でみると少子高齢化によって今後プロスポーツが成立する余地はどんどん小さくなっていくように思える。 日本のプロスポーツは、大相撲、野球、ゴルフ、バスケットボール、ボクシング、競輪、競馬、競艇、そしてサッカーであろう。これらの中で大きな組織を持っているのは、大相撲、野球、サッカーの三つだけだと思う。 プロスポーツは基本的に観客にゲームを見せて稼ぐ商売だから、どのくらいの頻度でゲームができるかが収益性を左右する。この点から見ると、相撲と野球は連日ゲームができるが、サッカーは連日のゲームをすることは疲労度から言って無理だ。だから、基本的にサッカーよりも野球のほうがプロスポーツとしてはよっぽど向いている。テレビ中継にも、野球のほうが場面場面が特定でき、広告を入れやすい。それなのに、世界的にみるとサッカーのほうが野球よりもずっと普及していて、プロリーグも世界的にはサッカーのほうがずっと大きなものになっている。これは、やはり、野球がバットやクラブという用具を必要とするのに比べてサッカーはボール一つあればいいと言う用具面での気軽さ、そして、スポーツ自体としても、単にボールをけることが基本のサッカーとボールをバットで打つと言う結構難しい要素がある野球の違いだろう。 ただ、サッカーにはもう一つの面がある。それは、totoというサッカーくじだ。サッカーのプロリーグがある国にはほぼ必ずtotoがあり、多くの国ではやくざが絡んでいて八百長が行われている。このことに関係して興味深いのがアメリカでのtotoの成立だ。アメリカでは長い間サッカー人気がなく、アメラグと野球、バスケが人気を三分してきた。ところが1994年のワールドカップアメリカ大会を契機として、プロリーグの人気が急に出てきて、totoも盛んに行われるようになったのだ。背景にあるのはヒスニック人口の増加であり、プロサッカーの試合の観客の圧倒的多数はヒスパニックだ。素直に見ればヒスパニック人口の増加に従ってサッカー人気が出てきたと読めるが、totoの実態がヤクザがらみでかなりの試合が八百長だとされていることから見ると、ヒスパニックの金を吸い上げるためにサッカー人気が使われているようにも見える。 多分、同じような問題が日本にもあるように思える。かなり長い間、totoは赤字だとされていたが、その赤字幅が結構なものだった。累積赤字は150億円ほどにもなったはずだ。ところが、宝くじ販売で赤字になると言うこと自体が基本的に奇妙なことなのだ。つまり、普通は、売り上げに対しての歩合で手数料を払うはずだし、宝くじ自体の印刷費は大したことはないはずだからだ。最もかかるのがシステム開発費だが、これも、何年かかけての償却ができるはずだから、そう簡単に赤字にならないはずだった。結局この赤字問題を契機にして、それまで業務委託していた銀行から日本スポーツ振興センターが直接運営する形になった。何度となく事業廃止という声も上がっていたのに、結局、最高当選金額が6億円というBIGの導入によって黒字化している。 Jリーグは今後所属しているプロサッカー選手の大量引退という問題も抱えている。選手の多くは30代初めには引退するわけで、引退後の選手の待遇は、今後のサッカー人気を左右するだろう。 野球は2004年に近鉄球団廃止という問題が吹き出し、奇妙なことに、新規のオーナー企業を募集することに熱心ではなくて、ライブドアが自ら買収に名乗り上げるまでは、一リーグ制にしようとして動いているように見えた。その後も、明らかに不自然な巨人の成績不振が続いた。背景には、野球人気を落として、サッカー人気を高めようと言う動きがあったように感じた。 大相撲についていろいろな不祥事が表面化し出したのは、ここ数年のことだ。プロ野球の人気衰退をあきらめ、矛先を大相撲へ向けてきたかのような印象がある。大相撲の一番の収益源はNHKの放映権料だろう。今後、JリーグへNHKの放送枠が移ると言うことがあり得るのだろうか?限られたパイを巡っての争いは今後も続いていくのだろう。しかし、日本の政治は失態続きで、今後大規模な経済破たんもあり得るはずだ。そうなれば、どのプロスポーツが生き延びるかの話ではなくなる。原発の廃止とか、地熱発電の大幅導入などの話をプロスポーツ選手がしてもいいと思う。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。 <<14>>
日本のプロスポーツは今後成立するか?
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