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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090920-00000041-spn-spo
大相撲秋場所7日目(19日・両国国技館)横綱・朝青龍がおきて破りの“蹴り出し”で全勝を守った。防戦一方から絶妙のいなしで玉乃島を後ろ向きにさせると、痛めている右ひざで相手の尻を蹴り上げながら送り出して逆転勝ち。琴光喜とともに7連勝を飾ったが、品格に欠ける土俵態度には相撲協会に抗議電話が30本も殺到した。大関・琴欧洲は鶴竜にとったりで敗れて初黒星。1敗は白鵬、琴欧洲、鶴竜の3人となった。
土俵際に追い込まれた朝青龍は必死に右へ回り込み、玉乃島を後ろ向きにさせた。勝負あったかと思われた瞬間、横綱は痛めている右足を振り上げ、相手の尻へひざ蹴りを飛ばした。玉乃島はそのまま土俵下へ落下。決まり手は「送り出し」だが、まさかの“蹴り出し”に満員の館内はどよめきに包まれた。
相撲協会寄付行為の審判規則では「ひざ蹴り」は反則とは定められていない。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は「攻めてる時の流れだろう」との見解を示し、放駒審判長(元大関・魁傑)も「ひざは上がっていたが、体を寄せていく中でのものだった」とおとがめなしを強調した。しかし、相撲協会には抗議電話が30本も殺到。横綱審議委員会の沢村田之助委員(歌舞伎俳優)も「ケガの具合が本当なのか疑わしい。品格?もともと品格の人じゃないから」とあきれ顔だった。
それでも支度部屋に戻った朝青龍は涼しい顔。「蹴ったんじゃないと思う。相手は重いから腰を使うといいんだ」と説明した。実は出番前、けたぐりを繰り出した時天空の相撲をチェック。時天空のもとに歩み寄り「(蹴った)足は痛くなかったか」と話しかけるなど、「キック」のイメージを膨らませていた。
この2日間は相手に攻め込まれながら、抜群の勝負勘と運動神経で白星を拾った。本紙評論家の松ケ根親方(元大関・若嶋津)も「危ない勝利をモノにしながら自分の流れにするのは得意。雰囲気は復活優勝した今年の初場所に近づいてきた」と分析する。この日の勝利で横綱勝利数が曙と並ぶ歴代5位の432勝に到達。帰り際には報道陣に「またおまえら、面白おかしく書くんだろ!」とドスを効かせたが、これも余裕が出てきた証。4場所ぶり優勝の雰囲気が漂い始めた。