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9月5日8時0分配信 スポーツ報知
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090905-00000054-sph-base
◆巨人3―3ヤクルト=延長12回引き分け=(4日・東京ドーム) 原巨人が“キムタク捕手”で価値あるドローに持ち込んだ。延長11回、3人目の捕手・加藤が頭部に死球を受け退場したため、途中出場の木村拓が12回、10年ぶりにマスクをかぶった。3投手を無難にリード、非常事態を脱した。2点を追う9回は1点差に詰め寄った後、小笠原が天井直撃の同点タイムリーで追い付くミラクル劇。野手全員を含む24人の総力戦は、今季、セ最長となる5時間27分の死闘だった。2位中日の試合がなかったため、マジックは19に減った。
もつれにもつれた総力戦の末、予想外のヒーローが誕生した。延長12回。木村拓が、ぶかぶかのプロテクターを身につけ、4人目の捕手として姿を見せると、この日一番の大歓声が沸き起こった。広島時代の99年以来10年ぶりのマスクも、大汗を流しながら3投手を懸命にリード。無失点で切り抜けた37歳は、ナインからハイタッチ攻勢を受けた。15日ぶりに帰ってきた東京Dで、チームを今季9度目の引き分けに持ち込む最高の仕事をやってのけた。
木村拓「突貫工事で準備しました。二塁を守っていたので球種は頭に入っていた。こういう時のためにやってきたようなものだから、何とかしたかった。終わってホッとしました。でも、(捕手は)もういいです。セカンドだけで頑張ります」
波乱続きの展開だった。2点を追う9回、小笠原の打球が天井に当たり落下点が変わるラッキーなタイムリー二塁打などで同点。今季16度目の延長に持ち込んだ。11回には、3人目の捕手・加藤が高木から頭部死球を受けて退場。救急車が呼ばれ、車いすで病院に向かう緊急事態となり、投手以外、すべてのポジションを経験済みの木村拓に出番が回ってきた。
ミットは「一番軟らかいから」(木村拓)という理由で鶴岡から拝借。マスクは柳(りゅう)ブルペン捕手。レガース、プロテクターは体形が最も近い用松(もちまつ)ブルペン捕手のを着用した。ベンチから1球ごとにサインは出ていたが、途中からは走者を背負って盗塁も警戒していたため、ベンチを見る余裕なんてなかった。それでも、豊田の落差あるフォーク、サウスポー藤田のスライダー、野間口の剛速球をことごとくキャッチ。西山バッテリーコーチを「ホントに助かった」と脱帽させた。
12回表終了直後、原監督は興奮気味に木村拓の肩を5度、叩いた。「本当に、困った時のタク頼みですよ。危機管理というか、ゲームが終わってホッとしています。あそこでああだこうだと言ってもね。ホントにタクが救ってくれた」。緊急事態を救ったベテランの働きに、絶賛の嵐だった。
先発要員ながらベンチ入りしていたゴンザレス以外、24人全選手を使い切った。セ今季最長の5時間27分に及んだ敗色濃厚の試合を価値あるドローに持ち込み、優勝へのマジックナンバーを19に減らした。プロ19年目の万能選手が輝き、リーグ3連覇に向かって、原巨人の進撃は加速するばかりだ。
◆巨人では38年ぶりの急造捕手 内野手登録の木村拓が広島時代の99年7月6日、横浜戦以来のマスク。捕手以外の登録で捕手を務めたことがある現役選手は07年中東進瑛内野手(広島)、06年井生崇光外野手(広島)がいる。通算1000試合以上出場の選手では、金村義明内野手(当時近鉄)が91年9月26日ダイエー戦でかぶった。また、巨人では元捕手ながら外野手登録だった槌田誠が71年8月21日の広島戦で急きょ、マスクをかぶった事がある。