貧困や格差の報告相次ぐ…日教組が教研集会【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100123-OYT1T00896.htm

　日本教職員組合（日教組）の教育研究全国集会（教研集会）が２３日、山形市などで３日間の日程で始まった。

　長引く不況の影響もあり、初日から貧困や格差に関する報告が相次いだ。

　「（自宅の）ガスや電気を止められた」「弁当代がないからお昼抜き」。北陸地方の県立高校の女性教諭（５９）は、日ごろ目の当たりにしている生徒たちの肉声を紹介した。

　家族３人で１週間を２０００円でしのぐ女子生徒や、母子家庭の母親が過労で倒れ、修学旅行代が払えない男子生徒もいて、「家計を支えるため、子供にアルバイトをさせて」と頭を下げる親もいるという。女性教諭は、「貧困や格差は社会全体の問題。子どもの責任ではない」と訴えた。

　宮城県の公立中学校の高木克純(よしずみ)教諭（５３）は、教育費の問題を社会科の授業で取り上げた事例を報告。高校授業料が無償化されても、制服代などもあり、初年度は３０万円以上が必要だと説明すると、生徒からはため息が漏れたという。消費者金融の実態や派遣切りの現実なども授業で扱う高木教諭は、「自分を守る力を付けてやりたい」と話す。

　保護者の負担軽減のため、市販の教材は使用せず、針金や電池などで電磁石を作った事例報告を２４日に行う鹿児島県の公立小学校の事務職員（３９）は、「学校も出来ることに取り組まなければ」と力を込めた。

　こうした現実について、２３日の全体集会では、日教組の中村譲委員長が「現政権の下で改善が進むと期待している」と語り、文部科学省の高井美穂政務官は、「教育は本来、社会全体を活性化させるもの。第一線で任に当たる日教組にも一層のご努力をお願いしたい」と述べた。

（2010年1月23日21時45分 読売新聞）
　

コメント
01. 2010年1月24日 10:45:06 貧困や格差に寄り添う教員の姿をアピールするのもいいですが、そこに潜まれた政治性を見逃してはいけないと思います。教師が子どもたちに訴えたいことと、子どもたちが学ばなければならないことは、必ずしも一致しませんが、業として行う以上、優先されるべきは後者でしょう。 教師の本分は、あくまでも「社会で生活できるだけの学力を、子どもたちにつけさせること」です。公教育の目的がそこにあるからです。その学力は、高ければ高いほどよいのです。ただ、貧困や格差の矢面に立つ教師の姿を通じて社会を批判するという報道はよく見られるのですが、学力低下という近年の傾向を、いちばんの当事者であるはずの先生方は自分の問題として受け止めているか、ということはマスコミからはあまり伝わってきません。 貧困も格差も世代に受け継がれます。これを許容すれば、固定された階級社会がこの日本にできあがります。日本の社会が江戸時代に逆戻りするわけです。社会主義を目指す日教組がもっとも怖れる事態が出現するわけですが、「ゆとり」を推進することによって、この片棒を担いできたのは、当の日教組自身です。 『地域で最高の教育を提供する』と、民間の学習塾に言われているうちはダメなのです。社会問題を扱うのもいいですが、子どもの学力をつけさせるための真剣な議論もしていただきたいものです。
02. 2010年1月25日 22:08:23 イジメの問題もほったらかしにしてもいいんかい。

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