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不当起訴冤罪判決を受けた被告だけではなく当被害者の家族親族解明されていない類似事件その後起きた類似事件の被害者家族親族も当然のごとく被害者であ
今までの冤罪事件での報道では被告側からの報道と被害者家族親族側にたったじゃ犯人は誰なんだ納得できない被告が犯人だと今の思うなどの感情に訴える報道が多かったように思うがこの生地は突っ込み不足ながらの冷静に問題を提議しているように思うのだが
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091020-00000036-san-soci
【18年目の真実】足利事件再審(上)DNA型の“一致”
■「吉報」を過信 冤罪に傾斜
「何でそんな説明したの」
「どうなんだい、ずるいじゃないか、君」
問い詰める側と問い詰められる側、“密室”に緊張が走る。沈黙を許さず、検察官は畳みかけた。
「君は僕の目を一度も見ていないよ」
「ごめんなさい、すいません」
「うそだったの」
「勘弁してください。勘弁してくださいよ」
菅家利和さん(63)の取り調べを録音したテープには、いったん否認しながらも、検察官の厳しい追及に再び“自白”に転じる様子が記録されていた。17年の時を経て、自白が作られていくさまが生々しく浮かび上った。涙を流しながら自白する菅家さん。
なぜ“自白”は作られたのだろう。
栃木県警は当時、未解決の女児誘拐殺害事件を2件抱えていた。そのころを知る捜査幹部は「県警の存在価値が問われていた。足利事件は県警の威信をかけて、解決しなければならなかった」と振り返る。
菅家さんの自白は、客観的な証拠と大きく矛盾していた。菅家さんは女児と自転車で公園に行き、河川敷に止めて現場に向かったと供述したが、目撃者は皆無だった。殺害後にスーパーで缶コーヒーなどを買ったとも話したが、レジにはその記録がなかった。
それでも、自白を十分に裏付けることのないまま、菅家さんは起訴された。
別の捜査幹部は「DNA型鑑定の結果を過信してしまった」と重い口を開いた。「DNA型一致は『吉報』だった。菅家さんの任意同行と逮捕の大きな決め手になったことは間違いない」と明かす。
無実を訴える叫びは届かなかった。菅家さんは初公判前から、「悪いことはしていない」「私は無実」としたためた手紙を、家族に送っていた。平成4年12月に開かれた第6回公判。この手紙の存在を知った弁護人が問いただすと、菅家さんは涙を流しながら犯行の全面否認に転じた。法廷での初めての否認だった。
だが、この公判後に菅家さんは弁護人に勧められ、否認を謝罪する上申書を宇都宮地裁に提出、第7回公判では再び自白に戻ってしまう。逮捕直後、弁護人に犯行を認めていたことに、DNA型鑑定の結果も加わり、弁護人は菅家さんの真意を見いだせないでいた。
当初から菅家さんを犯人視した報道も、真相を見えにくくした。
菅家さんが任意同行された日の朝刊は、「DNA鑑定一致で容疑者浮上」との見出しが各紙に躍った。任意での取り調べにもかかわらず、すでに犯人視報道が始まっていた。公判で否認に転じたときも、その証言に正面から向き合う報道はほとんどなかった。
DNA型鑑定も、鑑定の結果が決定的な証拠とする記事が大半を占め、鑑定能力の高さをたたえ、その信頼性は検証されなかった。マスコミにもDNA型鑑定への過信があった。
「冤罪(えんざい)をなくすため、密室ではなく(録画で)室内を監視してほしい」。今年6月、17年半ぶりに釈放された菅家さんは会見で、取り調べの全面的な録音・録画(可視化)を強く求めた。
すでに、検察と警察は取り調べの一部で録音・録画を始めている。警察庁は来年度予算の概算要求に全面的な可視化に向けた調査費用を計上した。与党も取り調べの可視化を義務付けるための刑事訴訟法改正法案(可視化法案)を、来年の通常国会に提出する方向で勉強会を立ち上げる。
日本弁護士連合会の「取調べの可視化実現本部」副本部長の小坂井久弁護士も一刻も早い全面可視化の導入を訴える。「冤罪につながる虚偽自白を、格段に防げることは間違いない。容疑者はブラックボックスの密室で取調官に誘導され、供述調書が作られる。それを防ぐためにも全面可視化が必要」と主張する。
しかし、慎重論も根強い。前検事総長で弁護士の但木敬一氏は「現在の捜査実情を前提とすると、全面可視化は難しい。取り調べの比重が軽くなることは避けられず、これと見合うような捜査手法を導入しない限り、今のような検挙率を維持することは困難になるだろう。今の捜査構造では一部可視化が限界だ」と指摘する。
菅家さんの冤罪は、日本の刑事司法に大きな変革を迫ろうとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091021-00000017-san-soci
「娘はなぜ死んだのか。すべてが白紙になった今、それが知りたい」
1冊のアルバムを見つめながら、福島譲さん(55)は語気を強めた。謙さんは足利事件の11年前、当時5歳の長女、万弥ちゃんを殺害された。
菅家利和さん(63)は、万弥ちゃんとその5年後に起きた長谷部有美ちゃん=当時(5)=の事件では不起訴となり、2事件は時効を迎えた。
起訴されなかったとはいえ、菅家さんを“犯人”とすることで、遺族は思いを封じ込めたところもある。
菅家さんの逮捕を万弥ちゃんの墓前に報告し、「気持ちの整理がついた」という譲さん。しかし、菅家さんが釈放され、再審が決まり、思いは揺れ動いた。
虚偽の自白、絶対ではなかったDNA型鑑定、そして、菅家さんの無実で浮かび上がる真犯人の存在…。
「事件は解決していない。真相は何なのか」。譲さんは7月、娘の事件の遺留品で、県警にDNA型鑑定を求めた。
ジャーナリストの大谷昭宏さんは「裁判所が再審請求から7年間も放置したから時効が成立した。怠慢が真犯人を取り逃がしたようなもの」と指摘する。
一方、有美ちゃんの父、秀夫さん(65)は「DNA型鑑定を依頼する気持ちはない。誰にも触れてほしくない。何も言うことはない。そっとしておいてほしい」と言葉少なに語る。
◇
「17年半も苦しめておいて、ただ『無罪でした』では困る。裁判で解明してもらう」
17年半も冤罪(えんざい)を背負わされた菅家さんもまた被害者だ。再審公判では誤判の原因の解明を求めている。
福岡県飯塚市で平成4年、女児2人が殺害された「飯塚事件」で弁護人を務めた岩田務弁護士は「誤判の過程を裁判の場で明らかにしない限り、冤罪はなくならない」と批判する。
果たして再審公判で、菅家さんの“無実”は本当に晴れるのか。
宇都宮地裁は「誤判原因の解明は裁判所の権限を脱する」との見解で、原則論が菅家さんの前に立ちふさがっている。ただ、「刑事裁判の目的から離れない程度の証拠は調べる」との意向だ。取り調べの録音テープの証拠調べや検察官の証人尋問など、弁護側が求めている証拠を採用するかどうか、判断が注目される。
◇
「被害者ばかり増えていく」と譲さん。万弥ちゃん事件が起きた昭和54年以降、足利市と群馬県境では殺害されたり、行方不明になったりした女児は5人。足利事件弁護団は、一連の事件は同一犯の可能性があると、再捜査を求めているが、ほとんどが時効だ。
「菅家さんの逮捕で、捜査の網を逃れた犯人が娘を狙ったのかもしれない。今は新しい証拠を待つだけ」と訴えるのは、平成8年に群馬県太田市で行方不明になった横山ゆかりちゃん=当時(4)=の母(43)だ。そこにはやるせない思いしかない。
平成16年の刑事訴訟法改正で、殺人など死刑が見込まれる罪の時効が25年に延長された。それでも、遺族や被害者にとって、時効の壁はあまりにも無情だ。
東京都世田谷区で平成12年、宮沢みきおさん=当時(44)=一家が殺害された事件の遺族らが中心となり、時効廃止などを訴える「殺人事件被害者遺族の会」(宙(そら)の会)が今年2月に結成された。宮沢さんの父の宮沢良行会長は「死刑に値する事件に時効はないほうがいい。悪い人が救われ、被害者が苦しむのは不公平」と話す。
犯罪被害者への支援は、事件の処分や裁判結果を知らせる「被害者等通知制度」、裁判参加して刑の重さなどについて意見を述べられる「被害者参加制度」をはじめ、環境は整ってきた。犯罪被害者問題に詳しい番敦子弁護士は「被害者はあらゆる面で置き去りにされてきた。さまざまな面でケアし続けられるように、もう一度、声を上げるときが来ている」と話す。
被害者の真の救いはどこにあるのか。21日に始まる足利事件の再審は、ひとつの“解”を求められている。