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奴隷に対して「あなたは奴隷であり惨めな存在なんだ」と教えた場合、奴隷は己のプライドを傷つけられて反発する。
奴隷として生きる事しか知らない者はそれ以外の生き方を想像する事すら思い付かない。奴隷所有者である領主を倒した後、解放した奴隷達に「ご主人様の敵」として恨みを買い、アルスラーンは当惑した。
アルスラーンは奴隷達の境遇に心底同情し、本当に善意で「人間として自由に生きよ」と命じただけだった。
ナルサスは主君に進言した。奴隷には自由人として生きる為の教育が必要なのだと。段階を踏まえて経験を積まない限りは、地道な訓練を繰り返さない状態では、解放された奴隷は衣食住を奪われ路頭に迷うのだと。
大衆は理論では動かない。理屈で行動出来るのは階級の先進的な部分だけだ。日頃ブルジョア階級とその手先で有る「賢い」連中に騙され、搾取・収奪されているから利口な人間を先ずは疑う。「賃金奴隷」としての存在に慣れ親しんだあまり、労働者階級は「ご主人様」であるブルジョア階級に歯向う「前衛」を最初は敵視する。ギリシャ神話のゴルゴン(メデューサ)はペルセウスが持つ鏡の如く磨かれた盾に写された自分の姿を見せられて恐怖のあまり石と成る。共産主義者が労働者大衆に忌み嫌われるゆえんである。
人間を初め生物は環境に適応する能力を持っている。「適者生存」というヤツだ。肉体的苦痛が続く場合には脳内でエンドルフィンという麻薬を生成することが出来る。モルヒネよりも6.5倍の鎮痛作用が有るという。劣悪な社会環境に耐えるためには宗教という「阿片」を作り出した。「賃金奴隷」を初め被支配階級は己の存在に耐えるために様々な物を作り出した。SMプレイと言うヤツなどはその最たる物だろう。マゾヒストにとっては苦痛こそが快楽であり、支配されることが喜びなのだ。
労働者階級の前衛としての共産主義者は粘り強い努力を長期間繰り返してようやく、周囲の大衆を少しずつ獲得する事が出来る。
だが残念な事に、賃金奴隷達の頑迷さの前に多くの「共産主義者」が自らの思想・理論・路線への確信を失い挫折してしまう。「賃金奴隷」解放に懸けた思いが強ければ強い程、情熱が熱ければ熱い程、反動によって挫折は大きい。「賃金奴隷」達はそれを見て嘲笑う事で、闘わずに屈伏する事の「正しさ」を主張する。
アルスラーンが何故に「解放王」と讃えられるのか、最初の失敗を教訓とし、奴隷解放の大業を成し遂げるからである。「賃金奴隷」たる労働者階級解放の大目的の為に、アルスラーンに倣えるならば、「共産主義者」の前途は明るい。「労働組合は革命の学校」であり「ストライキには革命のヒドラが宿っている」