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福知山線脱線:どうして社長だけ起訴…遺族らの表情複雑(毎日新聞)
「どうして山崎社長だけなんだ」。
JR福知山線脱線事故から4年2カ月余。神戸地検は8日、大規模な鉄道事故では異例の経営幹部の刑事責任を問うた。
山崎正夫JR西日本社長(66)の業務上過失致死傷罪での在宅起訴と、本人の社長辞任の表明。今も最愛の人を亡くした悲しみが癒えない遺族や、負傷者らは、起訴処分を評価する一方、利益最優先の企業体質を築いたとされる当時の経営トップらの不起訴処分には不満を漏らした。遺族らは今後、起訴されなかった井手正敬元相談役(74)ら旧経営陣の訴追を求め、検察審査会に不服を申し立てる方針だ。【衛藤達生、池内敬芳、津久井達、山田奈緒】
遺族らでつくる「4・25ネットワーク」世話人で、妻と妹を亡くした浅野弥三一(やさかず)さん(67)=兵庫県宝塚市=は、同県尼崎市の仕事場で山崎被告の起訴を伝える速報ニュースに見入った。「地検が、事故の原因には運転士だけでなく、JR西という会社もかかわり合いがあると認めたことになる」と評価した。
同ネットワーク世話人で長男和哉さん(当時22歳)を亡くした木下廣史さん(50)=同県三田市=は「全員不起訴ではないかという不安もあったので、1人でも起訴され、裁判に出てこさせることができたことに意味がある」。息子を亡くした同県伊丹市の男性(71)も「安全に関して権限と責任のあるポストにいた人だから、起訴や辞任は当然だ。検察に敬意を表したい」と話した。「今日は忘れられない日。今から仏壇に花を供えて息子に報告したい」
一方で、井手元相談役、南谷昌二郎(68)と垣内剛(65)の両顧問らを含む同社幹部・元幹部11人が不起訴となった点について、残念がる声が聞かれた。
事故で長男吉崇(よしたか)さん(当時31歳)を失った菅尾美鈴さん(60)=神戸市東灘区=は「利益を最優先したJR西によって、癒やされることのない苦しみと悲しみを与えられた。責任は会社全体にあり、山崎社長だけに責任を負わせるのは複雑な思いだ」と話した。
浅野さんも「井手氏ら旧経営陣の『安全については(山崎被告らに)任せていた』との言い分が通ってしまったことは非常に不満。遺族の思いとは大きくかけ離れている」と批判。7月26日にも開かれる地検の説明会を聞いたうえで検察審査会に申し立てをする方針を示した。
山崎被告は技術系出身だったこともあり、遺族らから「事故後の安全対策に熱心」と評価されていた面もある。木下さんは社長辞任の報道を聞き「山崎さんは技術部門をよく知るトップとして、安全への社内改革を進めようとしていた。流れが止まってしまわないかが心配だ」と話した。
遺族らは4月、同社に対し事故の真相を被害者とともに探る検証委員会の設置を求めており、浅野さんは「起訴を受けてJR西の体制が変わってしまうと検証委員会もどうなるか分からない」と危惧(きぐ)した。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090709k0000m040105000c.html