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蓮池透さん*拉致被害者家族連絡会元事務局長*強硬論から「融和」へ【北海道新聞】
http://www.asyura2.com/09/social7/msg/144.html
投稿者 有島実篤 日時 2009 年 4 月 03 日 23:00:52: JnUMLBjEgL1oc
 

北海道新聞2009.03.31朝刊(全文引用)

*経済制裁に効果がないのは歴史が証明。
*過去の清算をするかわり、拉致を解決してもらう。
*行動対行動です。

 北朝鮮制裁論で知られた蓮池透・北朝鮮による拉致被害者家族連絡会元事務局長(54)が、植民地支配の清算や経済支援による拉致問題解決を唱え、増元照明現事務局長(55)らとの差を際だたせている。北朝鮮のミサイル(人工衛星)発射問題でも日朝間の対立が深まるが、なぜ柔軟な意見に転換したのか、真意を尋ねた。(編集委員 徃住嘉文)

 −−日本政府は、発射されるのがミサイルとみて迎撃の構えです。

 迎撃とか破壊阻止命令とか、言葉が勇ましすぎますねえ。被害が無いよう粛々と準備をしつつ、発射中止へ向けた外交努力をすべきでしょう。北朝鮮も「人工衛星」と言うのなら情報を公開しなきゃ。対立が深まれば拉致問題の解決は遠のく。

 −−今月上旬、有力政治家が「拉致被害者の帰還には金を払うしかないと言った」と報道され、本人が否定する出来事がありました。

 私も「金を積んででも返せ」と言って家族会から怒られたことがある。いいじゃないですか、帰ってくれば。ただ、政治家なら水面下でそう動いても、口にすべきではない。

 −−二〇〇五年までの事務局長時代は、制裁強化一本やりでした。

 やみくもな制裁じゃない。効果的な制裁を主張してきたつもり。経済制裁に効果がないのは歴史が証明している。日本だけ制裁しても他国と交易できる。

 −−なぜ、方針転換したのですか?

 〇四年に被害者の子供ら五人とジェンキンズさんが帰国して以来、解決に向けた動きが無い。日本政府は何も考えていないに等しい。もう時間はない。(未解決のままの)北方領土化させたくない。領土は残るが、拉致被害者、家族は年をとる。

 −−今月十一日、金賢姫元北朝鮮工作員と拉致被害者家族が面会したのは前進では?

 日本政府は、何かしているように見せたい。韓国政府は保守政権誕生をアピールしたい。政治ショーです。

 −−ではどうすれば?

 核の脅威は日本が一番大きいから、核問題で進展があったらエネルギー支援をしたらよい。過去の清算もするかわり、北朝鮮には拉致を解決してもらう。行動対行動です。

 −−清算とは、日本の植民地支配のことですね。

 弟(薫さん)からこう聞いた。「北朝鮮の人々は上も下も根っこでは、日本がいつか大金を持って謝りに来ると思っている」と。私は強制連行、従軍慰安婦などのイデオロギー論争は苦手だが、日本政府は日朝平壌宣言で、過去、悲しい歴史があって清算したいと公式に言った。じゃあ、やんなきゃ。村山首相談話、河野官房長官談話がおかしいという人もいるが、私にとってはどうでもいい話。言ったらやらなきゃいけない、それだけです。

 −−それで交渉は動きますか?

 北朝鮮は、日本に四回だまされたと思っている。まず、拉致を認めたら国交回復できると思ったが、違った。五人を一時帰国させて解決と思ったら、帰ってこなかった。子供らも返したが、駄目。最後に、横田めぐみさんのものだと遺骨を渡したら、ニセ物と言われた。もう、北は日本を相手にしないですよ。日本の政治家は、票ほしさに国内で叫ぶだけ。北に乗り込んで叫ぶ政治家がいない。

 −−過去、蓮池さんは制裁論への批判を攻撃する筆頭でした。

 当時は、その時点で救出に何が一番最適か、それだけを考えて行動していた。ゆっくり考える余裕も無かった。もともと植民地支配の歴史があるので、日本にとって北朝鮮はアンタッチャブルの存在でした。拉致問題はでっち上げとの抗議もあった。それで政治家も役所もマスコミも拉致問題を放置してきた。

 それが二〇〇二年、小泉純一郎首相の訪朝で金正日(総書記)が拉致を認め、皆、放置してきた贖罪(しょくざい)感といったら変ですが、被害者家族に申し訳ない、腹を立てるようなことは言わない、という自己規制の構図をつくってしまった。私は、それが解決を遅らせているのではないかとの思いで最近、発言している。

 −−蓮池さんの転換は、家族が帰国したから、との声もあります。

 帰国した方も苦労をしている。帰らない人がいるのに喜びに浸るわけにいかない。パチンコも外食もできない。

 −−北朝鮮打倒といった論調が多い中、異論は勇気がいります。

 「家族を帰せ」というきれいな部分を表に出して、裏で憎らしい北を成敗しようとうごめくのは、よろしくないと思いますね。偏狭なナショナリズムを醸成するのは、被害者の救出とかけ離れた発想です。早く解決するためにあらゆる知恵を絞ってほしいから、異論の排除は、どこかの国と一緒でまずい。言論統制は怖いですよ。

*「理解できぬ」増元さん批判

 蓮池透さんの最近の言動を、増元照明さんは「理解できない」と批判する。増元さんの制裁論の根拠も蓮池さんと同じ歴史の証明だが、結論は正反対だ。

 増元さんは言う。「北朝鮮はレバノン人も四人拉致したが、PLO(パレスチナ解放機構)など左派軍事勢力が強い交渉で取り戻した。一九九二年には米国が軍事圧力を背景に米朝枠組み合意で、核を凍結させた。金正日が日本人拉致を認めたのも、米国が、北朝鮮を『悪の枢軸』と名指しし、おびえた金正日が、日朝の友好関係を築こうとしたからだ」

 植民地支配についても差がある。「個人としては、朝鮮人の大半は強制連行ではなく、徴用など経済的な理由で流れてきたのではと考える。贖罪意識を持つなら、独裁下で苦しむ北朝鮮人民を救うため、金正日体制の転換といったことに力を注ぐべき。家族会としては、交渉相手を倒すと言うわけにいかないから、とにかく返せ、の立場だが」

■あとがき■

 蓮池さんの転換が注目されるのは、事務局長時代、制裁強化への批判はタブーに近かったからだ。当時、「外交を一色に染めようとしている」と、他に先駆けて批判した釧路出身の評論家太田昌国さん(66)は感慨深げだ。「人は変わりうるのだ、ということを蓮池さんに見た」

 ただ、蓮池さんと増元さんの運動論に差が生まれたのは、一に、問題を解決できない日朝両政府の無策による。拉致被害者、家族に残された時間は、もうない。

1993年 8月 河野洋平内閣官房長官が、旧日本軍が従軍慰安婦問題に直接あるいは間接に関与した、との調査結果を発表(河野談話)

1995年 8月 戦後50年で村山富市首相が過去の日本の侵略行為に対する「おわびと深い反省の気持ち」を表明(村山談話)

2002年 9月 小泉純一郎首相が訪朝。金正日総書記は拉致を認め、謝罪。日朝平壌宣言で、日本は過去の反省と経済協力を約束。蓮池薫さんら5人が帰国

2004年 5月 小泉首相再訪朝。拉致被害者の子供ら5人帰国

     12月 日本政府が「横田めぐみさん」の遺骨をニセ物と断定

2006年10月 北朝鮮が核実験。日本は北朝鮮船舶入港禁止の制裁科す

【写真説明】拉致問題の早期解決に向けて「経済制裁には効果がない。日本の過去の植民地支配を清算し、あらゆる知恵を絞ってほしい」と語る蓮池透さん

【写真説明】増元照明さん

北海道新聞社

 

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