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http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2009b/20091208-2.html
亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)
(平成21年12月8日(火)11:10〜11:33 場所:金融庁大臣室)
【大臣より発言】
今日は、二次補正を含めた緊急経済対策が、先ほど閣議で決定になりました。現在の経済対策については、国民新党という立場で、また、私は基本政策(閣僚)委員会のメンバーですから、そういう立場からも、今まで総理に対して、また閣僚懇、基本政策(閣僚)委員会においても、デフレが激しく進行している、世界で例がないと思うのですね、こんな非常事態において、どういう対策を打つべきか、ということは、私なりに強く主張をし続けてまいりましたから、それを踏まえて、総理がご決定なさったわけでありますから、私は了承をいたしましたが、今後、本予算をはじめ、今後の経済対策、本当に本腰を(入れて)始めないと。
私は、さっき総理に申し上げましたけれども、今の経済というのは、デフレが激しく進んでいる中での不況なのですよね。そういう、ある意味で異常事態に対して、外科手術と、内科手術というか内科的療法という両方をやらないといけないようになっているようなときに、もう「きちんとした対応を、今後やっていかなければ駄目ですよ」ということを、さっきも総理には強く…。閣僚懇では言いませんよ。そうでなくて、私は、総理に先ほども申し上げました。
基本政策(閣僚)委員会では、どうせ皆さん方の耳に入るのだろうけれども、菅(副総理)が妙なことを言うので、たしなめておきました。とにかく、3党連立というのは何なのかと。政治主導ということは民主党主導ということではない。3党それぞれ政策に違いもあるし、判断の違いもある。それをできるだけ、お互いにすり合わせて、協議をして一つの政策を作り上げていくと。そのプロセスを無視して、財務省が言っているようなあれ(補正予算案)で勝手に作って「あれして(認めて)くれ」と、そういうわけにはいかないのですね。そういうことで、先ほどもあれしましたけれども。
何か質問があったらしてください。
モラトリアム法(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律)も実施したけれども、こんなことをやったら(経済対策をしっかりやらなかったら)意味がなくなる危険性があるのですよ。これは、私も前から、本会議でも委員会でも言っている。仕事を出さなければ駄目なのですね。今、起こっているのは、日本中ごと、私の地元でもそうです。とにかく、もう仕事を継続する意欲がなくなってきているのですよ。特に、零細企業、商店等については。だから、「返済を猶予してください」、「新しい資金を貸してください」という意欲すらが、今、ずっと消えていっている社会なのです。これは怖いですよ。銀行の貸し渋りよりか、もっと怖い。「貸してください、貸してください」、「駄目だ」と言われている状況は、まだましです。もう意欲を失ってくる。産業界が、だって大企業だって、今、そうでしょう。設備投資がぐんと落ちているでしょう。だから今は、新しい仕事が、下請けも孫請けも大企業から仕事が来ない。系列の中小・零細があるでしょう。この9月頃から、仕事の発注がなくなっているのですよ。大企業が、そういう生産活動をぐっと押さえてしまっているのですよ。そういう状況がいった場合、「借銭を伸ばしてくれ」なんかの次元ではなくなる。つまり、今の状況は。
これに対してどういう手を打つか。今日、緊急経済対策をやったのですけれども、私が、今までずっと総理に申し上げた上で、総理がご判断なさったことですから、私はもちろん了承いたしましたけれども、今後について、先ほど総理にも強く申し上げておきました。そういうことなのですよね。
【質疑応答】
問) 日本証券新聞社、田口と申します。
株式市場では、「政治リスク」というものが言われていまして、現在の政権に対する疑心暗鬼が少しあるわけなのですけれども、今回の補正予算で、市場に対してどういったメッセージを示せるとお考えなのか、金融担当大臣としてのお考えをお伺いできればと思います。
答) だから、私は、当面、大胆に思い切った緊急対策、補正についてもそれをやるべきだと。最初、「2.7兆円を天井にして」という菅副総理からの提案は、私はもう「駄目だ」と。そうした上限を設けないで対策を講ずる。一つは、やはりマニフェストも良いし、年末にかけてセーフティーネットを講ずることも大事ですよ。しかし、国がそのセーフティーネットを講じて、いわばタダで、困っている人にお金を寄附して、ちゃんと生活をしてもらうと。これは緊急時だからやらなければいけませんよ。(でも)それだけで終始していたら大変な話になってしまうのですね。そうではなくて、仕事をして、それで給料をもらって、その給料を使って消費が進んでいくということをしなければ、産業活動なんていうのは本当に低調になっていきますよ。
それだって株価だって同じことですね。だから、株価なんていうのは、税制をどうこうしたというだけで上がるものではないのですよ。それぞれの企業というのが、とにかくきちんとした企業活動をやっていると。しかも、その企業は、将来に向けて成長性があると。そういう判断をして、投資家をはじめとして、やはり、中には一時的な投機で買う人もいるけれども、しかし、投機だけが、証券市場というのは最たるわけではないですからね。そうした、経済活動が堅調にいっているという状況を作らないと、私は、株価というのは、安定的にきちんとした推移をとらないだろうと思っていますので。そういう意味で、今日の緊急経済対策で、企業の方々が「よし、頑張るぞ」という意欲を持ったのか、また、それに応えるような内需が出ていくのか、ということだと思います。出ていくことを私は心から祈っておりますけれども。
問) そうしますと、メッセージは十分示されたという…。
答) 「十分示される」とか、総理がお決めになったことですから、私も、今の時点で、そのことについて「十分だ」とか「十分ではない」なんていう、私は閣僚ですから、そういう批判をする気はありませんが、私は、総理に重ねて先ほどもね…。
問) フリーの小川と申します。
亀井大臣はよく、今回の二次補正でもそうなのですけれども、地方財政についての言及が多いというのが、すごくお見受けできるのですが、例えば、民主党政権で、今度、地域主権戦略室というのが立ち上がりましたけれども、そこに国務大臣がいろいろ参加できるということで、そういった地域主権戦略室に亀井大臣が参加するお考えがあるのか。もしくは、有権者が参加できるということもあるのですけれども、亀井大臣が有権者を推薦されるなんていうお考えはあるのでしょうか。
答) 私は、出しゃばりではありませんから(笑)。非常に控え目な男ですからね。原口(総務)大臣は優れていますよ。原口(総務)大臣、私が見ていて、この閣僚の中でずば抜けていますね。私は、彼には、郵政問題もそうですけれども、地方にとって本当に良い大臣がまた…。この点、私は、鳩山総理というのは凄い眼力を持っているなと、今、そういうふうに感嘆しています。
だから、私は私なりに、原口(総務)大臣と、今も、いろいろアドバイスしていますけれども、今度もご承知のように、補正で、地方が自由に使えるお金もバッと積み上げたでしょう。あれは国民新党のあれですね。バッと積み上げていったのだけれども、そういう意味では、一つは、その特徴と、これは、この点は額のことは別として、中身については、私は、総理と相当呼吸が合ったのですよ。従来、マスコミは、「公共事業はいけない」、「社会整備資本はいけない」と。総理も、「コンクリートから人へ」と言ってしまったものですから、そういう誤解を受けている面もあるのですけれども、そうではなくて、やはり地域にとって必要な社会資本整備はやらなければいけないではないかと。そのことが、地方で着実に、理屈よりも内需が出てくると。倒産していく企業が倒産しなくて済んでいくというようなことで、やろうではないかと。電線の地中化だってやろうというでしょう。これは、ゼネコンの仕事ではないですよ。これは、地方の業者の仕事でしょう。それから、総理も「おお、やろう、やろう」と(言った)、花と緑のまちづくり、緑のタウン構想、今度、この補正に入れたでしょう。これなんかも、歩道を引っぺがしてしまって、そこにどんどん木を植えていくという、これは地方の零細業者の仕事なのですよ。しかし、それが確実に、地方に内需を作っていくでしょう。そういうことをやはり、また、総理に(話を)したのは、エコ住宅。ウサギ小屋、ネズミ小屋みたいな小屋が多いわけですから、小屋というか住宅が多いわけだから、それを、エコを配した住宅に変えていく形。これはすそ野が広いから、膨大な需要が出てくるでしょう。そういうようなことも、実は、これも私が言ったら、菅(副総理)が飛びついたのだけれども、総理もやろうと言うのでね。
そういう意味では、中身については、自前で言うわけではない(けれども)、国民新党の言っていることをどんどん入れてくれているのです。ただ、「もうちょっと大規模にやれ」と言ったのですけれども。まあ、これは、いろいろなご判断があったのだろうけれどもね。次の本予算で期待をせざるを得ない状況なのですけれども、今のところそんなことです。
問) 地域主権戦略室…。
答) 地域主権ね。だから、それは良いことですからね。それは私が入るわけにいかないですよ、控え目ですからね(笑)。だから、それは原口大臣に私なりにいろいろな面から、国務大臣ですから、私からもアドバイスをしていきたいと思います。
問) フリーランスの畠山と申します。
低所得者の資金繰り、所得が低い人の資金繰りについて伺いたいと思うのですが、現在、金融庁の「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」で、来年の貸金業法改正への完全施行を前にヒアリングが行われているのですけれども、その会議で、日弁連から低所得者向けの融資について、「社会福祉協議会が行っている生活福祉資金貸付制度の使い勝手が10月から良くなったので、この制度を周知して、多くの人が実際に利用できる体制を充実する必要がある」という指摘があったのですけれども、保証人がいる場合は無利子、保証人がいない場合でも年1.5%で借りられるという制度なのですが、この制度について大臣のお考えというのは。
答) 今、私は、頭がアバウトですから(笑)。こういう精緻な者(大塚副大臣)を、ちゃんと鳩山(総理)さんは就けてくれているのですよ。彼(大塚副大臣)が、今、そういうことを含めての金融改革をやっているのですよ。うちは金融改革。モラトリアムだけではない。金融改革をやろうとしているのですよ。そうした意味で、本当にお金が必要な、特に、今度は貸金業の規制を強化していく。そういう問題があったときに、ヤミ金にバッと走らざるを得ない、あるいは自殺に追い込まれることがないように、そういう人たちの零細な、直近のそうした資金需要に対してどう応じるか、ということを含めて、今、(大塚)副大臣が、一生懸命検討をしてくれているのです。だから、そういうことの中の一つでなくても、郵便貯金なんかも、1,000万というあれがあるわけですけれども、そういう中での…。今まででも融資できるのですよ。できるのだけれども、もっと使いやすくして、しかしこれは、郵政の問題は、あまり貸出のノウハウがないのですよね。そこらのことをどうするか、という問題も含めて、もうちょっと手軽に、今までの、サラ金に行かないと手軽に貸してくれないというのではなくて、できれば信金、信組、あるいは銀行の窓口で、そういう事情にも応じていけるような、そういうことになっていけないか。また、郵便貯金あたりも、そういう方向に貸出をしていくことができないか。これは、彼(大塚副大臣)が、一生懸命、今、考えてくれている。良い知恵を出してくれているから。
問) フリーランスの今西と申します。
モラトリアムに関しまして、今、大臣はよく、地方の疲弊ということでお話をされておられるのですが、やはりRCC(整理回収機構)のかなり厳しい債権回収によって疲弊をしている点はかなりあると思うのですけれども。モラトリアムの返済猶予に当たって、RCCの元々の債権というのも、元々は銀行から借りていたものであって、ほとんどの人が幸か不幸か、不幸な場合が多いのですが、RCCに移行したということで、将来的という観点も含めて、モラトリアムでRCCの部分が猶予されるような可能性があるのか、ないのか、その辺のご見解をお願いいたします。
答) 誤解があってはいけないけれども、RCCの業務の中でも、ちゃんとした業務はなされていると思いますよ。しかし、全般的に言うと、かつて、非常に、今もその残滓があるのですけれども、債権取り立てが非常に荒っぽいですね。私は、そういうものの処理が行われていたという経緯があると思いますよ。具体的なことは、私は山ほど知っているけれども。
金融庁として、RCCの今のやり方について、「おまえら、どうにか、ちゃんと正常化する方法はないのか」と、「検討しろ」と言って、私は、(大臣)着任まもなく長官にも指示をいたしまして。その結果、RCCがどういう状況に変わっていったかまでは細かく分からないけれども、若干、やり過ぎたことを「やり過ぎたのかな」という反省が出た。若干、業務が変わってきている面もあるかなと聞いておりますけれども。大塚副大臣、この点は、本当にそうなのです。RCCが怨嗟のもとになってしまっているのです。簡単に深追いし過ぎるのです。
問) 日刊ゲンダイの小塚です。
3党連立についてお聞きしたいのですけれども、補正予算決定の後、普天間の問題があって、いろいろ揺らいでいるというような見方もありますが、こういったプロセスを通して3党連立は強固になっていくのか、それとも何らかの形で見直しをしないと、このままの揺らぎというのがどんどん拡大してしまうのか、その辺りを大臣どのように見ていらっしゃいますか。
答) そうですね。今日、菅(副総理)が言ったみたいなことを言っていたら、それは大変なことになりますよ。
問) すみません、菅さんは何とおっしゃったのですか。
答) 言わないですけど(笑)。たしなめたけれどもね。それは、民主党単独政権じゃない。国民新党や社民党はついてこい、こっちのスケジュールどおりこうやってねというようなやり方をやっていったら、連立政権は絶対うまくいきませんよ。そういう意味では、私も一応たしなめておいたけれどもね。
普天間の問題だってそうですよ。こんなこと、皆さん気がついていませんか。私は、総理にも言っているのですけれども、前から言っているように、あそこの問題というのは、本来は、安全と騒音の問題なのですよ。それが、いつの間にか、騒音と安全を抜本的に解決するために基地を移転すると、解決方法ですよ。場所を移転するということだけがメインになってしまって。だけれども、それは自民党政権でも13年かかったってなかなかできなかったことが、鳩山政権によって、神の手によって生まれた新政権だと言ったって、そんなに簡単にいく話ではないわけでしょう。そうであれば、当面、「騒音と安全の対応をちゃんとしてくれ」と。抜本的解決のための基地の移転については、これは我々としても全力を挙げて努力しますと。だけれども、3党連立ですから、それは社民党や国民新党の意見もこれあり、そこらもちゃんと3党で協議をしながらやっていくから、これは当然、時間がかかる。それを夕べから、私は前から総理にそのことを言っている。
今、それが残念ながら、騒音と安全、本来の問題はこっちへ置かれているでしょう。日米でいろいろ協議している中で、その問題をきちんとアメリカに言うべきですよ。「我々も努力もするけれども、抜本的解決のために、どこかに、グァムが良いのか、本土のところが良いのか含めてやるけれども、しかし、その問題(騒音と安全)はちゃんとする」と。「いや、それは困るよ。抜本的に解決されるまでは、騒音の問題とか安全の問題とかは、そんなことはやりません」と、アメリカが言うわけにいかないでしょう。だから、ちょっとおかしいことなのです。
問) フリーの岩上です。
今の普天間に関連して、現実、非常に厳しい状態になっていると思います。岡田外務大臣は事実上、「嘉手納案とかをあきらめる」ということを表明しましたし、「アメリカのほぼ言いなりになるしかない」というようなニュアンスのことも、もうおっしゃっています。しかし、騒音と安全の問題を考えたら、やはり沖縄の基地負担は、一部本土に持っていく以外に手はないように思われます。先生(亀井大臣)のところにいらっしゃる下地(国民新党)政調会長が、ずっと主張しておられますような案、こういうものを3党連立の中で、政治主導で提案して、何とか解決、この膠着した問題を解決するという、そういうリーダーシップを発揮されるご予定はありますでしょうか。
答) うちは下地(国民新党政調会長)という野鳥がいるから、バタバタ暴れまくっちゃっているのですけどね。下地(国民新党政調会長)が言うことは、国民新党が言うことみたいになってしまったのだけれども、彼は、基地問題についても大変な見識がある。とにかく、沖縄だけ負担をかけておけば良いという問題ではありません。
橋下知事は「関空で」みたいなことを言っているでしょう。日本中、いろいろな地域が、やはり考える。どうせあの人たちは諦めて、「嫌だ」と言うだろうなんて言ったって、そんなことは沖縄だって同じことなのですよ。だけれども、沖縄は少々「嫌だ」と言ったって我慢してもらえると。本土のほうは、「嫌だ」と言ったら、最初から、交渉をする前から諦めてしまうというのは、これはおかしい。また、アメリカに対して、海兵隊の基地を置くのは本当に沖縄でなければいけないのか。日本国土、本土でないといけないのか。そういうことを、アメリカの極東戦略だってどんどん変わっていっているわけです。極東の軍事情勢が変わっていっているわけですから、その中で検討すべきことを、アメリカ国防総省の狭い範囲だけではなくて、アメリカのホワイトハウスを含めて、トータルで日米関係を考えているはずですよ。だから、対等であろうと言っているのですから、対等であれば、自公政権が約束したから、それだけで金科玉条、守り、守られ、そんなことはありませんよ。アメリカはそんな国ではない。だから、そこらが、下地議員(国民新党政調会長)が、今は出番だと。
(以上)