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イラク戦争なんだったの!?
−イラク戦争の検証を求めるネットワーク−
設立趣意
2003年3月、世論調査で8割の人々がイラク戦争に反対していたにもかかわらず、小泉純一郎首相(当時)はこれを無視し、国連安保理決議を得ていない米国の攻撃を支持しました。しかしその後、開戦の最大の根拠であった「イラクは大量破壊兵器を保有している」という情報も誤りであったことが判明し、ブッシュ元米大統領もそれを認めました。にもかかわらず戦争は拡大され、イラク市民・多国籍軍兵士の死者数はさらに増えていきました。日本は「人道支援」の名目で自衛隊を派遣しましたが、2009年10月、防衛省の情報公開により、イラクにおける航空自衛隊の活動の大半が米軍などの多国籍軍の兵員・物資の輸送であったことが明らかとなりました。
イラク戦争は、最悪レベルの人道危機をもたらしました。WHO(世界保健機構)の推計は民間人15万人が殺されたとし、ジョンズ・ホプキンス大学の調査のように数十万人単位が殺されたとする推計もあります。そして現在もなお、使用された劣化ウラン弾やクラスター爆弾などによる被害は後を絶ちません。治安も安定せず、毎日10人以上の市民が、攻撃や爆弾テロ等で命を失う中、イラク国民の約6人に1人が国内外で避難生活をおくり、その多くが極度の貧困にあえぐなど、状況はむしろ深刻化しています。
これを直視するか否かは、平和国家・民主主義国家としての日本のあり方が問われる問題でしょう。既に英国では、イラク戦争参戦の経緯や軍事攻撃の合法性について検証する独立調査委員会が設置されました。今後、私たち日本の市民の平和的生存権が尊重され、戦争への加担を繰り返さないためにも、殺されたイラクの一般市民の無念を晴らすためにも、日本においてもイラク戦争支持・支援の是非の検証が行われるべきです。そのために、私たちは以下のことを求め、活動していきます。
「イラク戦争支持の政府判断に関する見直し」「自衛隊イラク派遣の判断の是非」「イラク復興支援への日本の関わり」の3点を検証する、独立の第三者委員会を政府が設立すること。同委員会が、事実関係についての情報開示や調査を行い、個人も含めた道義的・法的な責任の所在を明らかにすること。
調査委員会による検証や、そのプロセス、最終報告などが、最大限公開され、誰にでもアクセスできるようにすること。
検証による最終報告を受けての、日本政府としての見解を国内外に発表するとともに、必要とされる人道支援、被害者支援を行うこと。
呼びかけ人:
池田香代子(翻訳家/世界平和アピール七人委員会)
鎌田實(医師)
川口創(自衛隊イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会)
佐藤真紀(日本イラク医療支援ネットワーク事務局長)
高遠菜穂子(イラク支援ボランティア)
谷山博史(日本国際ボランティアセンター代表理事)
野中章弘(アジアプレス代表)
志葉玲(ジャーナリスト)
賛同人
(つづき)
※本件についてのお問い合わせは、regretiraqwar@gmail.com