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http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/12/post-5cd9.html
2009.12.10
海外の報道は正反対
普天間飛行場の移設問題について、ニポンのバカマスコミは、「アメリカが怒ってる!」「アメリカが怒ってる!」って、狂ったように連呼してる。ここ数日だけを見ても、5日にはローレス前米国防副次官が「年内に合意受諾を!」って言っただとか、8日にはアーミテージ元米国務副長官が「合意通りに辺野古へ移設しないと日米同盟は白紙に戻る!」って言っただとか、グリーン元米国家安全保障会議アジア上級部長が「普天間基地をこのままにしておくのは危険だ!」って言ったとか、こんなニュースばかり垂れ流して、国民に「辺野古への移設もやむなし」っていうイメージを刷り込もうと必死だ。
だけど、コイツラの肩書きをよく見て欲しい。ローレス『前』米国防副次官、アーミテージ『元』米国務副長官、グリーン『元』米国家安全保障会議アジア上級部長‥‥ってワケで、コイツラ、みんな、前ブッシュ政権時代の人間で、今のオバマ政権とは関係ないんだよ。今のオバマ政権の現職の国防副次官だの国務副長官だのが出て来て正式なコメントを発表したんならともかく、こんなヤツラが何を言ったって、現在のアメリカ政府の意思とは関係ない。言うなれば、国民にアイソをつかされて下野した自民党のアホどもが、現鳩山政権のやることにケチをつけてるのと変わりないんだから、いちいち気にする必要なんかない。
数々の報道の中で、唯一、現職のアメリカ政府関係者が絡んでるものと言えば、4日にフランケン岡田が行なったルース大使との会談で、「いつも温厚で知られるルース氏は、岡田克也外相と北沢俊美防衛相を前に顔を真っ赤にして大声を張り上げ、年内決着を先送りにする方針を伝えた日本側に怒りをあらわにした」っていう「三流軽薄新聞」、略して「サンケイ新聞」のアホ記事くらいだけど、これにしたって、昨日の「世田谷通信」に書いたように、フランケン岡田は、8日の記者会見http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20091209_092039.htmlでハッキリと否定してる。外務省のホームページの8日の記者会見を読んでもらえれば分かるけど、フランケン岡田は、記者の質問に対して、次のように明言してる。
「(前略)ルース大使との議論も、誰かが見ていたようなことを書いていますが、全くの創作です。もちろん、ルース大使もしっかりと自らの主張を言われましたが、別に顔を真っ赤にするとか、怒鳴り上げるとか、冗談じゃないと思っております。私(大臣)、北沢防衛相、ルース大使と通訳しかいませんから、何を根拠にそのようなことを言っているのかと思います。(後略)」
‥‥そんなワケで、今日は、レイアウトの都合上、「いかがお過ごしですか?」はナシにしてくけど、「サンケイ新聞」のデッチアゲは今に始まったことじゃない。今年の3月にも、田中康夫が小沢一郎を訪ねた時のことをまるでその場で見てたかのようなデマ記事にして、田中康夫から「事実に反する」っていう警告文を送りつけられたんだよね。ま、今どき、「サンケイ新聞」の記事なんか信じるようなアホは、全国に30人前後しかいないと思うから、別にどうでもいいんだけど、お笑いのネタとして読むぶんには、「失笑」っていうジャンルを開拓してくれてるから、貴重っちゃ貴重な媒体だと思う。
たとえば、「サンケイ新聞」の4日付の「首相は「日本の盧武鉉」と米国 社民党に引きずられ同盟に亀裂」http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091204/plc0912041840012-n1.htmっていう低能記事は、タイトル通りに「鳩山首相はノムヒョンだ」ってことを連呼してるだけの、まるで小学生が悪口を言ってるような薄っぺらな内容だ。冒頭の部分を引用すると、こんなふうに書いてある。
(ここから)米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相の迷走が続く。「国と国との契約」(政府高官)である日米合意よりも、国内事情にすぎない社民党との連立維持を優先させる政治手法は、日米同盟に深刻な亀裂を生んだ。米国と距離をとり続けた韓国前大統領との相似ぶりから、米側からは「鳩山は日本の盧武鉉(のむひよん))だ」との見方が日本側に伝えられている。「米国との関係は完全に冷え切るだろう。盧前政権時代の韓国のように…」米国が強く求めていた移設問題の年内決着を鳩山首相が事実上、断念した3日夜、政務三役の一人はこうつぶやいた。そして、「民主党政権だと思っていたら社民党政権だった」と漏らした。(ここまで)
この冒頭部分に出て来る「米国との関係は完全に冷え切るだろう。盧前政権時代の韓国のように…」ってセリフは、創作だから名前は書けないんだろうけど、ニポン側の「政務三役の一人」がつぶやいたっていうストーリーになってるから、まあ、ヨシとしよう。で、問題なのは、このずっとアトだ。
(ここから)これは決してひとごとではない。オバマ大統領の初来日を控えた11月初旬、在日米軍再編交渉をめぐる米側責任者だったローレス元国防副次官と会談した安倍氏はこう指摘された。「鳩山は日本の盧武鉉だ。現在の米政府高官らもみんなそう言っている」(ここまで)
今度は、マクラの部分でもオナジミのローレス元国防副次官が、アベシンゾーに対してノタマッてることになってる。どっちも下野した「負け犬」同士の会話だから、これが事実だったとしても何の意味もない。でも、この会話が事実だったと仮定して先に進むと、ローレスが自分の意見として「鳩山は日本の盧武鉉だ」って言ってるだけなら何も問題はないんだけど、そのアトの「現在の米政府高官らもみんなそう言っている」って部分は、ミゴトなまでの「サンケイ新聞」のデッチアゲだ。
その証拠が、このアホ記事が垂れ流される2日前、12月2日付の「ニューヨークタイムズ」の「Japan Relationship With U.S. Gets a Closer Look (アメリカと日本との関係は、わり対等に近づく)http://www.nytimes.com/2009/12/02/world/asia/02japan.html」っていう記事だ。ここで断っとくけど、普天間基地の問題に関して、「アメリカが怒ってる!」って連呼してるのはニポンのバカマスコミの偏向報道だけで、アメリカを始めとした海外メディアは、どこもそんな報道はしてない。
この「ニューヨークタイムズ」の記事にしたって、「政権交代から2ヶ月が過ぎた日本の新しいリーダー」の「日米同盟」に対する動向として、「核密約の問題」を精査したり「普天間基地の問題」を再考したりする小さな問題以外は、これまで通リの日米同盟の関係を今後も継続していくことに変わりない‥‥っていう論調で書かれてるし、鳩山政権全般に関しても、好意的に書かれてる。たとえば、一部を抜粋すると、こんな感じだ。
「9月に首相に就任して以来、鳩山さんは、これまで日本を停滞させて来た自民党による政官癒着の政治を一掃して、より透明で国民にひらかれた政府にするために、選挙時に掲げた公約を実現しようとして来た。彼自身に、何百万ドルにも及ぶ政治献金の不適切な処理問題が浮上しても、その最中にも公約を実現するための努力を続けて来た。」
アメリカでは、ハトポッポのことをこんなふうに報じてるんだよ。そして、ここからがカンジンの部分なんだけど、こんなことも書かれてる。
「アメリカの数人の政治評論家は、2002年の講演で反米主義を主張した韓国のノムヒョン大統領と鳩山さんを比較した。しかし、その大多数は、彼が(変えようとして)目を向けているのは、アメリカではなく、半世紀も続いて来て彼が終わらせた自民党の政治だと言った。同志社大学の教授で国際政治学者の村田晃嗣氏は「鳩山はしばしば(反米だと)誤解されるが、彼は反米ではなく反自民党である」と言っています。」
アメリカでは、こんなふうに報じてるのに、その2日後に、ニポンの「サンケイ新聞」では、「鳩山は日本の盧武鉉だ。現在の米政府高官らもみんなそう言っている」ってことになっちゃうんだから、井上和香のスキップや、藤岡弘のコーヒードリップを見なくても、爆笑間違いなしだ(笑)いったい、どこをどんなふうに書き換えれば、この元ネタが完全に正反対の意味になって、ニポンで垂れ流されることになっちゃうんだろう?ここまで来ると、もはや、デッチアゲとか捏造なんてレベルじゃなくて、それこそ、フランケン岡田が言ってるように、ミゴトなまでの「創作」だ(笑)
‥‥そんなワケで、この「サンケイ新聞」の爆笑記事と正反対のことを書いてるのが、イギリスの「フィナンシャルタイムズ」だ。1ヶ月ほど前の記事になっちゃうけど、11月11日付の「Okinawa hovers at the negotiating table (交渉のテーブルの上で揺れ動く沖縄)http://www.ft.com/cms/s/0/af2a1176-cef9-11de-8a4b-00144feabdc0.html」って記事は、普天間基地の問題を正確に伝えてる。
この記事は、まず、南米のボリビアにある「コロニア・オキナワ」っていう特別な地域について触れてるんだけど、ここは、敗戦後の沖縄を支配したアメリカ軍が、沖縄の一部の人たちから先祖代々の土地を奪い、沖縄から追い出し、強制的に移民させた場所だ。そして、異国の何もないジャングルだけの未開の地に放り出された沖縄の人たちは、その多くが餓死したり病死したりして、運良く生き残った人の子孫が暮らしてるこの場所のことを紹介してから、今回の普天間基地の問題へと流れてく。
冒頭では、沖縄の問題であるのにも関わらず、常に沖縄の人たちのことを無視して、ニポンの政府とアメリカの政府だけで沖縄問題を決めて来た経緯を批判してる。この問題は、二国間の政府だけが議論のテーブルにつくのではなく、沖縄の人たちもテーブルについてもらい、三者で話し合わなければならない問題だと断じてる。そして、大江健三郎の「沖縄ノート」などを例にひきながら、敗戦から現在までの沖縄の歴史を解説しつつ、アメリカ兵が起こした凶悪犯罪なども紹介しつつ、現在の基地の状況を説明しつつ、次のように続いてる。
(ここから)8月の総選挙で圧勝した民主党は、普天間基地の問題をアメリカと交渉し直すと公約に掲げていたため、日米関係は混乱し始めた。中国の力が、さらに大きくなりつつある状況で、アメリカ政府はアジアで最重要な日米関係にヒビが入ったことを悟られたくなかった。しかし、日米関係を何よりも重要に考えていた自民党政権でさえ、今まで13年間も実行できなかったのが普天間飛行場の移設計画である。莫大な費用と環境への悪影響の問題で、このまま永久に実現できないのでは?とも言われていた。
ニポンの新政権が、アメリカとの「より対等な関係」を作ろうと動き出したため、オバマ大統領を始めとしたアメリカ政府の関係者たちは、ニポンの新政権に対して「我々は我慢強く待ちましょう」と約束した。しかし、ロバート・ゲーツ国防長官だけは、我慢強く待つことができなかった。彼は、普天間飛行場の移転先を再考することに反対し、過去の合意案を迅速に実現するようにと発言した。そして、海兵隊のためら辺野古にヘリ部隊の基地を造らなければ、8000人の海兵隊員をグアムへ移転させる計画も白紙へ戻ると警告した。
(中略)
アメリカの国防総省は、ニポン側がこの問題の決定を先送りしていることに対して苛立ちを見せ、「なぜニポン政府は、過去に何度も沖縄に対してやって来たように、今回も強引に基地を押しつけないのか、まったく理解できない」と言っている。確かに、ニポン政府は、この問題を最初から議論し直そうとしていることで、ことを面倒にしている部分はある。しかし、沖縄がこれまでに受けて来た歴史的な負担は計り知れないので、民主党は名誉にかけても、この問題の見直しをすべきである。(ここまで)
‥‥そんなワケで、この記事を読めば分かるように、ニポンに対してイライラしてるのは、グアム移転の利権に絡んでるゲーツを始めとした国防総省の癒着野郎どもだけで、オバマ大統領を始めとしたアメリカ政府の面々は「我々は我慢強く待ちましょう」って約束してくれてるのだ。「サンケイ新聞」の爆笑記事では、「鳩山は日本の盧武鉉だ。現在の米政府高官らもみんなそう言っている」なんてことになってるけど、事実無根とは、まさにこのことだ。
さらに、この記事には、「日米関係を何よりも重要に考えていた自民党政権でさえ、今まで13年間も実行できなかったのが普天間飛行場の移設計画である。莫大な費用と環境への悪影響の問題で、このまま永久に実現できないのでは?とも言われていた。」って書かれてる。ようするに、アメリカの飼い犬だった自民党でさえ、13年かかってもできなかった上に「どうせ無理だろう」って思われてたことなのに、それが「県外移設、国外移設」を公約に掲げた政党が政権をとったトタンに、突然、アメリカの国防総省だけが「年内に決めろ!」とか「辺野古以外はダメだ!」とかって言い出したのは、あまりにも分かりやすい。つまり、ここでニポンに対して強く言っとかないと、このまま民主党の「国外移設」に押し切られちゃって、ニポンからタンマリとせしめるつもりだった計画がオジャンになっちゃうからアセリ始めたってことだ。
そして、この記事の最後に書かれてるように、アメリカの国防総省は、「なぜニポン政府は、過去に何度も沖縄に対してやって来たように、今回も強引に基地を押しつけないのか、まったく理解できない」って言ってるのだ。売国奴の集団、自民党が、長年、アメリカの言いなりになって来たもんだから、ニポンは完全に舐められマクリマクリスティーだよね。ここまで言われて、それでもアメリカの言いなりになるようだったら、政権交代した意味なんてないし、それどころか、ハトポッポを始めとした民主党の議員たちは、全員そろって「オーラの泉」だよ。そう、「ペテン師」って意味だ。
ちなみに、昨日のテレビ朝日の「ワイドスクランブル」に、多摩大学の名誉学長で政治学者のグレゴリー・クラーク教授がゲスト出演して、普天間飛行場の問題に関してコメントしてたけど、これも、ニポンのバカマスコミの偏向報道とは正反対の内容で、とっても興味深いものだった。あたしは、出先で、ケータイのワンセグで見てただけなので、要点だけをかいつまんで箇条書きにすると、次のような内容だった。
1.ニポンの一部の人たちは、アメリカとの同盟関係やニポンにアメリカ軍の基地があることを防衛のために不可欠のように言っているが、アメリカ側はニポンを守ることなんてほとんど考えてはいない。その証拠に、アメリカ軍のホームページのを見ても、ニポンのことなど1文字も書かれていない。
2.ニポン側は大問題のように騒いでいるが、アメリカにとっては小さな問題で、まったく重要とは考えていない。
3.岡田外相が提案した「嘉手納基地への統合案」に対して、アメリカ側はすぐに「機能的に無理だ」と一蹴したが、あれはウソだ。機能的には十分に許容量はあるが、嘉手納基地にいる空軍はエリート集団で、普天間基地にいる海兵隊は落ちこぼれの集まりなので、同じ基地になることを双方が嫌がっているだけだ。
4.普天間飛行場のヘリ部隊は、アメリカとしては兵力を分散させないためにグアムに移転したいと思っている。しかし、グアムに移転するとアメリカがヘリ部隊用の施設の費用を負担しなければならない。そのため、ニポンが全額負担することになっている辺野古への移設にこだわっている。
5.結局、これは、アメリカの都合による問題なのだから、ニポンは「県外海外移設」という沖縄の人たちの総意を明確に提示して、堂々としていればよい。
‥‥そんなワケで、とにかく、この問題で疲れ果ててるのは、沖縄の人たちだ。やっとのことで政権交代にコギツケて、13年間も反対運動を続けて来た辺野古への移設が、ハトポッポの公約通りに消えたと思ったのもトコノマ、首相のハトポッポと、外相のフランケン岡田と、防衛相のコシヌケ北沢とが、みんないっせいにバラバラのことを言い出しちゃって、未だに3人が日替わり定食みたいにコロコロと言うことを変えてるからだ。ミクシーの基地問題関連のコミュに集まってる沖縄の人たちは、この3人の誰かが発言するたびに一喜一憂して、振り回されて、みんなボロボロに疲れ果てて、もうウンザリしてる。これだけでも大迷惑なのに、ハトポッポは何を血迷ったのか、ずっと「グアムへの移転は選択肢にない」って言ってたコシヌケ北沢なんかをグアムの視察に行かせる始末。こんなヤツを行かせたら、どんな報告をするかなんて、最初から決まってんじゃん。そして、予想通りに、「何も見なくても答えは決まってました」と来たもんだ。結局、この普天間基地の問題に関して、選挙前も選挙中も選挙後も一貫して姿勢を変えないのは、何の利権にも汚れてない清廉潔白なオムライス党(社民党)だけだと再確認した今日この頃なのだ。