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民主党政権はどこに向かって舵を切るのか (行政調査新聞)
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投稿者 パイプライン 日時 2009 年 12 月 10 日 01:24:15: mqQUVKm/jkdw2
 

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2009年 12月 05日(土曜日) 17:00
米欧中の狭間で揺れ動く日本
民主党政権はどこに向かって舵を切るのか

http://www.gyouseinews.com/index.php?option=com_content&view=article&id=114:2009-12-05-08-04-13&catid=39:2009-07-09-03-13-14&Itemid=61

21世紀に入ってからの世界の変貌は、目を疑うばかりである。とくに今年2009年の激変は、凄まじいものだった。政治的にも経済的にも、世界は際限なく変動し、新たな方向を目指そうとしている。この激変期に、民主党に政権交代した日本は、これからどこに向かって舵を切るのか。世界情勢を俯瞰しながら、日本の置かれた立場を再確認する必要がある。

米オバマ大統領のアジア歴訪

11月13日からオバマ大統領は日本、シンガポール、中国、そして韓国を訪問した。

米国のメディアはオバマ歴訪の前に、訪日に際してさまざまな懸念があると報じ、十数年前の日米貿易紛争以降、日本と米国は最大の対立状況にあると分析していた。その表面的な原因は、日本の自衛隊によるインド洋給油活動停止と、沖縄の普天間基地移転問題にあった。

オバマが羽田に到着してすぐ、当初予定されていた首脳会談ではなく、大統領随行団と日本側閣僚との合同会談が行われた。その詳細な内容は発表されていないが、漏れ伝わるところによると、普天間移転問題では米側が苛ついて激昂する場面もあったらしい。共同記者会見に現れた鳩山首相が、誰の目にも憔悴しきった雰囲気で、目を血走らせていたことからも、会談で米側の恫喝が凄まじかったことが理解できる。

当日発表された合意事項に、目新しいものはなかった。その主な内容は、

・日米同盟の深化、発展。来年の日米安保改定50周年に向け、同盟再検討の協議を開始。
・日米同盟はアジア太平洋地域の安定のための基軸との認識。
・普天間基地移設は早期に結論を出す。
・東アジア共同体構想は日米基軸が前提であり、アジアでの米国のプレゼンスの高まりに期待。
・気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)の成功に向けた協力で一致。

等々である。

ただしオバマ自身は普天間飛行場移設に関し、「(日本の)政権交代で現行計画を再検討することは率直に支持する。(日米で合意に達していた)米軍再編のロードマップの修正が必要となることもあり得る」と語り、滑走路の沖合移動など、一部修正には応じる考えを示唆した。

さらにオバマは翌14日に都内で、「少年のころ、母に鎌倉に連れて行ってもらった。そこで食べた抹茶アイスが美味だった」などと語って会場の笑いを誘いながら、アジア外交政策に関する演説を行っている。オバマの少年時代に抹茶アイスがあったか否かはともかく、オバマのアジア戦略構想には注目すべき内容が含まれていた。

オバマの演説の要旨は、以下の通りである。

・日本はアジア太平洋地域における米国の取り組みの「中心的存在」であり続ける。
・東アジアサミットに米国が正式な形で参加したい。(注・現在、東アジアサミット参加国は、日・中・韓・東南アジア諸国など16カ国)
・米国は太平洋国家として、地域での指導力を強化したい。

つまりオバマは、世界戦略が混迷している米国にあって、中国や北朝鮮が存在する東アジア地域での戦略に関して、「日本の助力を必要としている」といった認識を、さりげなく披露したのだ。

なお余談になるが、オバマはこの演説の後、皇居を訪れ天皇陛下に挨拶をしている。天皇皇后両陛下との昼餐会では、通訳を除いては両陛下とオバマだけの三者しかいなかった。席上、どのような話がなされたか、一切漏れてこない。このことに苛立ちを感じた米メディアが、「天皇に対して大統領が頭を下げるのは不適切」といった批判が出たと報道されている。

オバマは次に、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に参加し、15日の深夜に上海入りしている。そして17日には北京で胡錦濤国家主席と会談。「米中関係を深化させる」ことで合意した。会談後の共同声明の概要は以下の通りだ。

・新時代の米中関係の発展推進。
・米国は、国際問題で中国が大きな役割を果たすことを歓迎。
・中国は、米国がアジア太平洋地域で地域の平和・繁栄に努力することを歓迎。
・保護貿易に反対し、米中双方の貿易摩擦を解決。
・6カ国協議の早期開催を希望。
・気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)の成功に向け、共に努力する。

翌日の18日には、オバマは温家宝首相と会談を行っている。胡錦濤との話し合いでは、オバマが中国を持ち上げ、米国が提唱する「G2構想」(米中2カ国が歩調を合わせて国際問題に対処)に、胡錦濤も満足げだったが、温家宝は「G2」論に賛成せず、慎重な姿勢を見せていた。温家宝は今年5月に、プラハで「米中共同統治論は間違っている」と語ったことがあるが、その姿勢を貫いたわけだ。

米国が提唱する「G2」論は、中国のカネを狙う米国のお世辞にすぎないということを、温家宝は熟知している。これを米国大統領オバマに対し、温首相は正面切って発言したのだ。

温家宝の発言要旨は以下の通りだ。

・中国は発展途上国であり、国家近代化への道は遠い。
・中国の外交姿勢は独立自主であり、どの国とも同盟関係は持たない。
・国際問題は各国が共同であたるべきものであり、1〜2カ国が決めることではない。

オバマ対温家宝の会談は、どうやら温家宝に軍配が上がったようである。

衰退に向かう米国

米国で今秋、商業用不動産ローンの焦げ付きが始まったことが報道されている。その直後の11月25日に、ドバイ首長国の政府系企業を巡る信用不安、いわゆるドバイ・ショックが起きた。それまでドバイ政府系持ち株会社の債務に対して、アブダビ銀行等の確実な返済が表明されていただけに、昨秋のリーマン・ショック並みのショックを投資家たちに与えたが、これは新興市場国の崩壊危険がいよいよ高まってきたことを意味している。

米国では、個人向け住宅ローンの焦げ付きが2006年に注目され始め、その2年後にサブプライムローン問題が米経済を直撃した経緯がある。今回の商業用不動産ローンの焦げ付きや新興市場国の崩壊危機は、このまま進展すれば、早ければ来春、遅くとも2年以内に重大な結果をもたらすことを予測させる。いわゆる「二番底」だ。FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長やノーベル経済学賞のJ・スティグリッツなども、サブプライムを超える衝撃が起きる可能性を認めている。

こうしたなか、FRBは膨大量のドル札を市中に供給して、金融経済を立て直そうと躍起だ。オバマはこのFRBの動きに連動して、大規模な財政赤字を覚悟で、景気刺激策に打って出ている。では、その巨額な財政赤字はどうやって賄うのか。大量の米国債の発行だ。そして、この米国債を買うのは、中国なのだ。

中国の外貨準備高は、すでに2兆ドルを超えている。

大量の米国債を買うことで、中国は見返りとして、人民元をドルとリンクさせている。これによって米国への輸出を確保しているわけだ。

この構造が世界的に問題となっている。ドルは世界の通貨に対して切り下げているのに、連動している人民元も切り下がり、結果として中国の輸出が増大し、中国だけが好景気を維持しているからだ。

事実、EUのユーロ圏財務省会議ユンケル議長は、「世界的な不均衡は、中国と米国の間違えた行動が原因である」と指摘し、これを是正するよう警告を与えている。しかし中国当局は、「元相場を切り上げても、不均衡是正には繋がらない」として、米国が提唱する「G2」幻想を認めようとはしない。

軍事技術までもを中国に輸出し(本紙11月11日「極東に渦巻く怪情報は日本、中国、北朝鮮を襲う大異変の前触れか?」参照)、カネのためには媚びを売ることすら恥じない米国の覇権力は、もはや衰亡の一途をたどるしかない。

これを完全に見極めたEUは、ベルギーのファンロンパウ首相を初代大統領(欧州理事会常任議長)に選出し、米国衰退後の世界政治を主導できる政治体制樹立への第一歩を踏み出した。

民主党日本丸の舵切り

日本は今年の総選挙で、長年にわたる自民党政権に代わって、民主党政権が誕生した。

「チェンジ」を掲げてオバマが大統領になった米国と、従来路線から大きく方向転換を図ろうとする鳩山民主党。いずれも同様に変革を推し進めようとしているが、問題はこの2カ国の関係が、これからどう変わるのか、どう変わるべきなのかにある。

世界の情勢を俯瞰すれば、自ずとその方向が見えてくる。これまで自民党主導の日本は、米国の注文を何でも聞いてきた。そしてまた、米国の無理難題を聞いたからこそ、米国は日本を大切に扱ってきた。だが、こうした「親米従属路線」と評された時代は、終わるのだ。

それは「親米」から「嫌米」に代わるということではない。親米従属ではない、新しい日米関係を構築すべき時代を迎えたということだ。

では具体的に、どんな日米関係を求めるべきなのか。答えは極めて単純明快。すべてについて、是々非々で決めていくことになる。その是々非々を決めるためには、日本は日本独自の路線を決めなければならない。国際戦略というものを、自らの中に保持しなければならない。

しかし残念ながら、自民党長期政権の間、日本は独自の国際戦略を採ることをしなかった。結果として日本は、「国際戦略を考える」思考を喪失してしまった。
さらに、日本が独自の国際戦略を立てようとする意欲を見せると、米国は途轍もない圧力をかけてくる。

民主党中枢部への「攻撃」

11月中旬に興味深い「極秘情報」が一部情報通の間に出回った。12月に訪日が予定されていた習近平国家副主席が、突如として日本行きを取りやめたというものだった。その理由は、「鳩山首相の政治資金規正法違反事件で、地検特捜部が重大な違法行為を掴んだ。このため、鳩山首相は国会会期終了後1週間〜10日で首相を辞任することになった。習近平といえば、胡錦濤の次の国家主席と目されている超大物。会った直後に鳩山首相辞任ということになれば、非常に失礼になる。そのため、鳩山首相側から訪日延期を要請した」というものだった。

こうした噂は、どこに尋ねても真実の答えは返ってこない。本紙は北京に電話をかけ、中国政府関係者に噂の真偽を質してみた。すると、

「そのような話は、まったくない。習近平閣下の訪日日程は、間もなく公表される手筈になっている。こちら(北京)が得た情報では、少なくとも来春4月、5月まで鳩山首相体制は存続するし、それ以降も継続されるだろうと考えている」との回答を得た。

その直後、11月24日には、鳩山由紀夫首相の資金管理団体をめぐる偽装献金問題で、東京地検特捜部が会計事務担当だった元公設第1秘書について、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で在宅起訴する方針を固めたことが報道された。噂は、真実だったのか? だが、地検特捜部のこの動きに合わせるかのように、同日(11月24日)、習近平国家副主席が12月14〜17日の4日間、日本を公式訪問することが発表されたのだ。

鳩山首相12月辞任説がどこから流出した偽情報なのかは不明だ。だが鳩山辞任説の背後に、ある種の悪意が存在することを理解する必要がある。

ここでちょっと古い話を思い出していただきたい。昭和49年(1974年)の秋のことだ。

10月上旬に発売となった『文藝春秋』11月号は、日本中の話題となった。立花隆、児玉隆也両名が執筆した「田中角栄研究――その金脈と人脈」が掲載されたからである。

立花は『文藝春秋』から田中角栄追及の原稿を依頼された当初、「あんな程度の男に時間は割けない」と答えたとの逸話が伝わっている。田中角栄を「無学歴、無教養」と蔑み、取材する意欲もなかったらしい。

ところがその後、立花ら多人数による緻密な取材が開始された。土地登記を一件ずつ調べ上げ、角栄と関連会社の関係を微に入り細に入り丹念に調べ、やがて国会でも野党が角栄を追いつめていった。

同年11月26日、『文藝春秋』11月号発売から47日後、田中総理は二階堂進幹事長に辞意を伝え、その日のうちに竹下登官房長官が退陣表明を代読した。だが、立花隆らが多人数を使って田中角栄を追いつめた、凄まじいまでの取材に要した莫大なカネの出資源や、極秘資料の出所源は、今もって明らかにされていない。

それから35年の歳月が流れた。立花隆はニュージャーナリズムの旗手としてもてはやされ、東大客員教授に就任し、今日なお、マスコミ界に君臨している。そしてちょうど35年後の平成21年の11月号で、『文藝春秋』誌はまたも立花隆の原稿を掲載し、話題を浚おうとした。「小沢一郎『新闇将軍』の研究」。

ここで立花は、

「……あのナチスが国政選挙を通じて、大量の議席を獲得して、合法的に一九三〇年代のドイツを一挙に作りかえようとしはじめ、それを大衆が熱狂的に支持しているところを見たときに一部の人々が感じたであろうような、なんともいえない居心地の悪さ、不快感を感じている」

と小沢一郎をヒトラーのような危険な政治家と見なしている。

さらに立花は、民主党政権による事業仕分けについて、11月27日に勤務先の東大で記者会見し、仕分け結果を批判している。

「民主党は日本を潰す気か」

「期待していたが、目の前で起きている出来事を見て怒りに震える」

と語り、さらに仕分け人を「バーバリアン(野蛮人)」と最大限の言葉で悪評を吐いている。

立花のこうした動きの背後に、何らかの力が働いたと考えるのは、私(松本州弘)だけだろうか。

こんにち、民主党の政策や政治手法に対する批判が、一部メディアの間では凄まじいまでの勢いで噴出している。しかしよく注意をしてみれば、その多くは自民党長期政権が作り上げたゴミの処理であり、悪弊の後始末である。ボロボロになり、崩れ落ちる寸前までになった日本丸の、腐った部分を壊し、新たな機材を入れて構築し直そうとしているのが現状ではないのか。

じっさいのところ、民主党のなかにも、自民党的な腐敗面は存在していると私は感じている。腐った部分を破壊するときに、自分自身を傷つけることも出てくるだろうし、そうあるべきだとも思う。また、破壊と創造のエネルギーがあまりに強大過ぎると、庶民大衆にとっては「生活破壊」に繋がる可能性もある。匙加減は非常に難しい。だがいかに難しくとも、日本の未来のためには、今、その大手術に立ち向かわなければならない。もちろん、急激な変革に関して、ブレーキをかけることも十分配慮する必要がある。

鳩山首相の献金問題に関し、元公設秘書が逮捕されるなど、違法性が明らかになりつつある。つまりそれは、鳩山はカネ集めが下手な政治家だということを示している。カネ集めが下手だから身内のカネを集めてきた。それだけではないか。もちろん違法なのだから罰金を支払う必要はあるし、今後二度とこうした違法献金を行わさせてはならない。

自民党政治家のなかには、パーティー券乱発に見られるように、他人からあくどいまでにカネを毟り取って政治資金にしている者もいた。私に言わせれば、そんな連中と比較して、鳩山は、常識的に考えても良識派、人道的だと考える。

私は何も、鳩山の肩を持ったり、民主党のご機嫌取りをしているわけではない。だが最近のメディアがあからさまに民主党批判を繰り返しているのを見ると、どうも怪しげな力が働いているように思えるのだ。さまざまな民主党叩きの背後に潜み、陰からマスメディアを操っている怪物。その怪物こそ、日本再建を阻む存在だということを認識すべきである。そして、この憎むべき怪物に使嗾されているメディアを見極める必要もある。

その怪物は、自民党政治家たちの「安住権」を保障している存在だ。庶民大衆の生き血を吸って丸々と太り、国民とは乖離した生活環境のなかで、なおぬくぬくと生きる権利を主張している者たちだ。

民主党政権は、自民党長期政権が作り上げた途轍もない負債、途方もないマイナスを背負ってスタートした。こんにちまでの民主党政権の動きは称賛に値すると私は考えている。そしてまた、国民のために必要であるならば、マニフェストに束縛される必要はない。マニフェストの一部を一旦据え置きにしても、取り組むべき政策があるはずだ。

もちろん、これらのためには相応の日月が必要だろう。ときには後退と見られるような動きすら出てくるかもしれない。しかし日本の未来のために、この破壊と創造は、歯を食いしばってでもやり遂げなければならない問題なのだ。私はそれを、全力を挙げて支持したいし、心を同じくする同志を求めている。

親米従属路線と対米自立志向の対立

ヒラリー・クリントン米国務長官は11月11日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席した後に記者会見し、北朝鮮政策担当のボズワース特別代表が近い将来、平壌を訪問すると語った。ここでクリントン国務長官は、この訪朝は北朝鮮を6カ国協議に戻らせるための努力であるとしながら、なおかつ、この訪朝が非常に重要であるとの発言を行っている。

その8日後の11月19日、アジア歴訪の最後に立ち寄った韓国で、オバマは「核問題をめぐる北朝鮮との直接対話のため、12月8日にボズワース特別代表が訪朝する」と発表した。

米国はボズワースの訪朝を「米朝直接交渉」と位置づけはせず、「道筋をつける努力」としているが、中国はそのようには受け取っていない。
米朝直接交渉、米朝国交正常化に懸念を抱き、中国独自の戦略、戦術を駆使しようとさまざまな動きを見せている。

東アジアに対して動きを見せているのは、米国や中国だけではない。EUもまた、独自に北朝鮮への積極的関与を表明し、併せて中国の影響下にあるミャンマー軍政に対する融和政策も打ち出している。これは中国包囲網の一環ではないかと中国が危惧する重大事でもある。こうした状況下、タイのタクシン元首相の身柄引き渡しを巡って、タイとカンボジアの間で激烈な対立が起きている。

現在、北朝鮮を訪問する場合、北京あるいは大連、丹東など中国の都市を経由するのが普通だ。しかし、なかには北朝鮮訪問という事実が中国当局にバレることを恐れる者もいる。こうした人々はタイ経由でカンボジアに入り、プノンペン平壌直行便を利用している。こうすれば中国に知られず北朝鮮に渡れるからだ。タイ・カンボジア間の対立激化は、こうした人々の北朝鮮行きを制限することになる。つまり、タイ・カンボジア対立の背後には中国の力が働いていると考えてよいだろう。

こうしたお膳立てを整えて、米国ボズワース特別代表が訪朝する2週間前の11月24日、中国の梁光烈(国防部長=国防相)が北朝鮮を訪問した。梁光烈は金永春・人民武力相と会談した折り、朝鮮半島に対する中国政府の原則的な考えと立場を伝えたと、新華社は報じている。それによると梁光烈は、「地域の平和と安定作りに共に努力したい」と表明。北朝鮮に対し、6カ国協議への復帰と非核化への取り組みを促したという。

梁光烈は翌25日には金正日総書記とも会談している。金正日はこの会談で、中朝両軍の関係について、「両国関係の重要な要素」と語り、中国との友好関係を全面的に強化したいといった考え方を披瀝したと新華社が報じている。

明らかに中国は、米ボズワース代表の訪朝、米朝直接協議を前にして、北朝鮮に対する締め付けを強化し、軍事的威嚇を併せて平壌指導部と対峙したと思われる。

梁光烈・国防部長は北朝鮮訪問後の11月26日、大連経由で日本を訪れ、翌27日に北澤防衛相と会談を行っている。この会談では、北澤防衛相が来年訪中することを含め、日中防衛問題に関してさまざまな合意がなされた。その主なものは、

・防衛関係高官の相互訪問。
・自衛隊高官と人民解放軍高官の相互訪問。2010年には陸自参謀長が訪中。
・毎年、日中安全防衛協議を開催。
・2010年から人民解放軍大軍区と陸自の交流を開始。
・艦艇の相互訪問を継続。2010年には海自練習艦が中国を訪問。
・日中国防部門の海上連絡体制を急いで構築する。

等々である。

北澤防衛相は平成16年に設立された「日中経済交流議員連盟」の前会長であり、「北京五輪を支援する会」の幹事でもあった人物で、自民党→新生党→民主党を通して「親中国派」と目されてきた政治家。民主党が北澤を防衛相に選んだ理由も、そこにあったと思われる。

梁光烈は30日に佐世保に行き、イージス艦ちょうかいを視察している。日本のイージス艦は米国が開発した艦隊防空システムを積み、弾道ミサイル防衛の能力も備えた「機密の塊」で、共産圏の国防高官を招くなどという話はあり得ないことだった。この一事を見ても、防衛省のトップが米国から離れ、中国に接近しようとする雰囲気が感じられる。それはまた、普天間移転問題でギクシャクしている日米防衛関係者を苛立たせるものでもある。

あらゆるところで、親米従属路線と対米自立志向が対立し、庶民大衆のレベルにまで奇妙な圧力がかかっている。民主党に対する圧力は、世界規模の不況下、日本経済を出口の見えない闇底に引きずり込もうとしているようにも感じられる。

庶民の不満、鬱屈は、思わぬところで噴出する。そうしたなか、奇怪な事件も多々起きている。島根県で行方不明となり、広島の山中で無残な死体となって発見された女子大生の事件は、猟奇殺人とも言われている。しかし、その残虐な死体処理法、被害者の氏名、死体遺棄の地名などから考えて、これは宗教儀式殺人である可能性が高い。埼玉では結婚詐欺を働いた無職女性の周囲で多数の不審死が報告され、日本中が殺人事件だと直感しているのに、なぜか警察の捜査は遅々として進まない。2年数カ月ぶりに整形手術で顔を変えた犯人が逮捕された事件も、背景がまったく見えず、報道された以上の深い闇が想像できる。

こうした奇々怪々のなかでも、とくに奇妙なのは、先月末に初公判が開かれた、元厚生次官ら連続殺傷事件の小泉毅被告の件だ。被告は、「決起はチロちゃん(愛犬)だけのためではない」と述べ、動物の殺処分の他、前防衛次官の汚職事件や社保庁元長官の最高裁判事就任に対する義憤なども動機としてあげた。さらに取り調べでは、「99%死刑になるだろうが、何度でも生き返り、厚労省の官僚を殺し続ける」と宣言したと報道されている。

被告の思想に関する背景、あるいは背後関係といったものは、まったく不明だ。しかし「官僚を殺し続ける」と宣言する被告の裁判が、民主党による事業仕分けの期間中に開廷したことは単なる偶然ではあり得ない。ここにも何らかの力が働いたと見て間違いないだろう。

これから先、ますます闇は深まる可能性が高い。まして年末に向かい、庶民大衆のなかには日々の生活が、二進も三進も行かなくなるような状況が作られる可能性もある。何より自分たちの生活、家庭の安寧を求めるのは、庶民感情として当然のことだ。そうしたなかから、心の奥深くで、日本という国の在り方をもう一度考えていこうではないか。■



 

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コメント
 
01. 2009年12月10日 01:32:27
★抹茶アイスクリームの歴史
昭和30年前半、全国の茶店経営者の方がお茶の勉強会を行っていたそうです。
お茶屋で夏に売れるものがないので何か考えようということで始めたのが、抹茶アイスクリームでした。
夏にはお茶が飲まれない時代でした。
ですから50年位になると思います。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210343982

オバマの少年時代に抹茶アイスがあってもおかしくないようだ。

(パイプライン)


02. 2009年12月11日 06:34:03
「日米同盟の深化、発展。来年の日米安保改定50周年に向け、同盟再検討の協議を開始」

日米安保50周年事業とは、次なる50年、2060年まで、日本は米国の軍事支配化に従属するという宣言だが、どのような50年間になるのであろうか?

日本は「核」を持たない限り、米国の軍事従属から独立できないのではないかという問題意識がわたしのなかで頭を持ち上げてきた。「ヒロシマ・ナガサキ」に原爆を投下された日本が「核」を持つことは、全世界が恐怖で震え上がることだろう。なによりも米国は日本の「復讐」に恐怖するだろう。

しかし国家が独立するためには、恐怖を米国に与えるのもやむえないかもしれない。

「日米安保50周年事業」とは、日本の「核の選択」という論議が現出する突破口になるのかもしれない。日本民衆の心の底には何かが渦巻いている。


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