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●未曾有の危機に官僚的発想で役に立たない藤井財務相と白川日銀総裁
(転載同前)
日本は今、デフレ下の景気低迷という最悪の事態を迎えている。「二番底」ど
ころではない。
対応を誤れば、バケツの底が抜けるように株価が暴落、企業収益と消費がスパ
イラル状に悪化、手がつけられない状況となる。
政治家の気迫、官僚の知恵が、今ほど必要な時はない。政治家は腹をくくって
大胆に、「結果責任は俺が取る」といった覚悟で財政出動、官僚は思いつく限
りの知恵を働かせて予算をひねり出し、日銀は資金の大量創出で景気を喚起し
なければならない。
しかし、その任にある藤井裕久財務相と白川方明日銀総裁が、まことに心もと
ない。
「未曾有の危機」という認識がまるでうかがえず、「平時の危機対応」に終始、
それを見透かされて日本株は「売り」の対象となり、方向性を指し示さず、明
るい展望を与えないから企業は投資を手控え、個人は消費しない。
結局、二人は善くも悪しくも成績のいい、失点の少ない官僚でしかない。
東大法学部卒。旧大蔵省で主計官を務めた藤井財務相の抜群の頭の良さは数多
くの人が認めるが、参議院を二期、衆議院を七期務めても、この人の官僚体質
は変わらず、だから政治家としては補佐どまりで、「小沢一郎幹事長の側近」
が立ち位置である。
今回の危機に際しても、藤井財務相は「財政規律」の呪縛から逃れられない。
09年度二次補正予算は、国民新党や社民党の意向を受け、大幅に上積みされ
たが、藤井財務相は財源の観点から財務支出の拡大に歯止めをかけ続けた。
一次補正で凍結した2.7兆円を超える分については、特別会計の「埋蔵金」
を充て、09年度の赤字国債増発は税収減の穴埋めに限るというのが藤井財務
相の考え方。こんな調和型予算でデフレ脱却、景気浮揚など望むべくもない。
榊原英資元財務官は、急速な円高ドル安、景気の後退をどうすべきを問われて、
こう答えている。
「あらゆる政策と組み合わせて、できるだけ早く為替介入をやるべきだ。大型
補正予算や、日銀のさらなる量的緩和と並行して行なう。補正予算を組むうえ
で、国債の発行額にこだわってはいけない。鳩山首相は発行額を44兆円に抑
えることを目標にしているが、私は60兆円ぐらい出してもいいと思う」
(『東京新聞』11月28日付)
この認識は正しく、藤井財務相の後ろ向きの発想は、日本経済に何の効果もも
たらすまい。
同様のことが白川総裁にも言える。東大経済学部卒で日銀に入行。シカゴ大学
大学院で経済学修士を取得したエリートだが、総裁となる器ではなかった。
民主党が大蔵OBの日銀総裁就任を拒否、棚ぼたで総裁となった。その分、学
者肌で各界の人脈は細く、外見の印象どおり、大胆な人ではない。
こだわっているのは日本経済ではなく、日銀のバランスシートであり、日銀の
健全性。だから力強い金融政策を打てない。
日銀は、12月1日、臨時の金融政策決定会合を開き、新たに10兆円規模の
資金を市場に供給する金融緩和策を決めた。
白川総裁としては、「思い切った措置」のつもりだった。しかし、この程度の
規模では「力不足」ということは、衆目の一致するところ。今の急速な円高と
デフレには立ち向かえない。
大胆に資金を発行、それをもとに金融市場から国債を大量に買い入れ、といっ
た策は、白川総裁のもとでは望むべくもないか。
結局、求められているのは「乱世の政治家」である。鳩山政権下では、亀井静
香金融相ということになる。
「論」より「情」の国家社会主義者。賛否両論あるものの、中小企業等金融円
滑化法案(モラトリアム法案)を可決に持ち込み、二次補正では11兆円を主
張、鳩山首相には円高対策を強く求めた。
国債増発のツケはいつか回ってくるが、デフレ危機を乗り越えなければ元も子
もない。
その切実な危機意識が、今、政治家に求められている。>>