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http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-804.html
日本の新聞社は、米国さまの怒りにふれる〜 とパニックに陥っている観があるが、肝心の怒り心頭に発しているはずの米国さまからの情報がさっぱり届かない。
FUTEMMA で出てくる横文字のニュースも、なんのことはない共同だったりする。
そんななかで、ワシントンポストがソウル発で長い記事を報じている。
(私のつたない英語力で拾い読みしたので、どなたか翻訳していただけるとウレシイですが・・・)
この見出しには、なんと 「日本が沖縄基地についての話し合いを中止した」 と書いてある。
Report: Japan suspends talks on future of U.S. base on Okinawa
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/08/AR2009120801050.html?hpid=topnews
Foreign Minister Katsuya Okada told Japanese media that talks on relocating the base have been suspended.
岡田外相が日本のメディアで「基地移転についての協議を中断した」と語った
そして、アメリカ側は
a spokesman for the American Embassy in Tokyo said, "No."
アメリカ大使館のスポークスマンは(協議の中断について)Noと言った
というのである。
これが、日本のマスコミでは
米、同盟協議先送りを通告 普天間問題混迷に反発
2009.12.8 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091208/plc0912082022023-n1.htm
となるのだが、ワシントンポストではさらに、
Hatoyama has said he wants the air station moved off Okinawa altogether -- possibly out of the country.
鳩山は(普天間)基地は沖縄県外、できれば国外へ移転してほしいと語った
と明記している。
その上に、オバマが2006年の合意を履行するように言ったことに対し、
Hatoyama later said that unless the working group had the power to renegotiate the agreement, its meetings were pointless.
鳩山はワーキンググループが(合意についての)再交渉をする権限がないのならば、会合をする意味が無いと言った
と、我らが首相はここまで言っているらしい
要するに、
鳩山首相は県外移設、できれば国外移設を断固主張して、それが検討できない協議ならば意味が無い と言って日本側から中断を宣言した。
これに対してアメリカ大使は、中断してはいけないと言った。
ということになる。
そして、最大の問題箇所は
First, the government approved the allocation of funds to pay for commitments Japan made in its 2006 agreement with the United States over moving U.S. bases and troops, including the relocation of the Marine air field on Okinawa and the transfer of 8,000 Marines from the island to Guam.
2006年の合意によって沖縄からグアムへ海兵隊をふくむ米軍が移転する費用負担を、当初日本政府は承認していた
But later Hirano, the senior spokesman for Hatoyama, suggested that United States will have to reduce base-hosting burdens on the island before Japan can agree to sort out the air-station issue.
しかし、平野官房長官は、日本が基地問題の解決に同意する前に、アメリカは沖縄の基地負担を軽減するべきだ と示唆した
というように私には理解できる。
これを文字通りに読むならば、アメリカは「グアムに行くから金を出せ」と言い、日本(平野)が「出て行かずに地元負担を減らしてくれ」と言った ということになる。
この文脈でいけば、オバマが「合意を守るべきだ」と言う合意とは、辺野古のことではなく、グアム移転の費用負担のことなのである。
ワシントンポストも、後半では鳩山首相や日本政府の優柔不断を書いているが、どう見ても、アメリカ政府が日本が政府間合意を履行しないことに激怒している とは書いていない。
方針がハッキリしないので対応できないことを書いているのであって、履行しないことを責めているような論調では 全くない。
もしそうならば、日本のマスコミは全くのウソ八百を並べていることになる。
■■
ちなみに、イギリスのフィナンシャルタイムズでは、こんな記事もある
日米交渉のテーブル上に沖縄が揺らめく
フィナンシャル・タイムズ2009年11月13日 (gooニュース)
http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20091113-01.html
こちらに至っては、日本政府は沖縄のためにもっとしっかりしろ という内容になっている。
ここから見えてくるのは、鳩山政権が右往左往しているのは、あくまで日本国内の事情だということ。
ゲーツ国防長官が恐喝まがいの態度をとるのも、日本のある勢力が買収している可能性がある ということだ。
もちろん、辺野古の建設をめぐる利権もあるだろう。
けれど、それ以上に、日本の中に、米軍が出てきこと(南青山注:出ていくこと?)に心底恐怖している連中がいる ということだ。
自民党が辺野古を13年間も作らなかったのは、もちろん、地元の粘り強い反対もある。
それと同時に、辺野古を作ってしまうと、SACO合意(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/saco.html)が動き出して、本当に米軍がいなくなってしまうのでは、という恐怖感がブレーキをかけていたと思われる。
民主党のなかでも、長島政務官をはじめ、こういう連中はたくさんいる。
北澤防衛相や岡田外相は、沖縄とアメリカの板挟みになっているのではなく、米軍から自立しようという勢力と、いつまでも米軍に庇護してもらおうという勢力の板挟みになっている。
というか、自らその恐怖感に囚われてしまったように見受けられる。
日本マスコミの、とんでもない報道内容が、逆の意味でその証左になっているように思われる。
が、鳩山−小沢ラインは、このあたりも分かったうえで、粘り強く期をうかがっているのだろう。
まだ今のところ、信じてみようと思う。
何はともあれ、米軍は早いことグアムに出て行ってくれ!
★何かとんでもないことが、闇の向こうから見え始めているように思えてきた。
これも政権交代の成果というべきか。
このブログ記事が本当なら、鳩山は県外移設、できれば国外移設を断固主張しているのであり、それに反対する勢力が、マスコミとぐるになって押さえつけようとしている、という構図になる。
そして、SACO合意だ。
沖縄の基地問題とは、実は日本国内の問題であり、ひとつは民主党政権と旧政権時代に跋扈した利権勢力との対立、もう一つは日本の安全保障政策の根本的なところでの二大勢力の対立があるということかもしれない。
小沢幹事長は第七艦隊発言からわかる通り、対米隷属から一歩抜け出て、アジア重視外交に政策転換しようという考えであり、鳩山首相もそれに同調しているのだろう。
それに対して対米重視派――自民、外務省、そして民主党内の一部の勢力が反旗を翻しているのであり、それが現在の普天間移設問題の奇妙な(米国の思惑とは違ったところでの)混乱につながっているということか。
鳩山首相の苦悶の表情は、対アメリカではなく、日本の反対勢力、それも身内の反対勢力に対する複雑な思いから来ているのかもしれない。
いや、それ以上に、意外に早くやってきた、対米関係や日本の安全保障政策の方針転換の決断を迫られていることに対しての当惑なのかもしれない。