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(回答先: 世界で一番冷たい貧困大国ニッポン 連載@ 手厚い生活保護がある米国、保護を切られて自殺する日本[ゲンダイ] 投稿者 feel 日時 2009 年 12 月 08 日 23:06:12)
ゲンダイ 2009年12月3日(2日発行)
世界で一番冷たい貧困大国ニッポン 連載A
ジャーナリスト 矢部武
やべ・たけし 1954年、埼玉県生まれ。米アームストロング大で修士号取得。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」東京支局記者等を経てフリーに。著書に「世界で一番冷たい格差の国・日本」(光文社)など。
簡単に首を切れない米国 無理やり首をきる日本
東京・日比谷公園の派遣村に仕事も住まいも失った人たちが大勢駆けつけてから、もうすぐ1年になる。が、この間、非正規社員の待遇差別などの問題は、ほとんど改善されていない。なぜ、労働者を人間扱いしない企業の横暴、違法行為が許されてしまうのか。
日本では、社員の解雇について「米国企業は簡単に首切りしている」というイメージがあるが、それは事実ではない。
たしかに米国は解雇が自由だが、不当解雇や待遇差別を禁じた厳しい法律があり、企業はそう簡単には首切りできない。少なくとも日本企業のような乱暴な首切りをしたら、企業は不当解雇で訴えられ、莫大な賠償金を強いられるだろう。現に、在米日本企業の多くはかつて米国人社員から雇用差別で訴えられ、億円単位の賠償金を払っている。
米国企業は通常、解雇する社員に理由をきちんと説明し、再就職の支援も行う。個々の怒りや不満を最小限にするように努めるのだ。
陰湿な退職追い込みを正当化
日本企業は、社員に陰湿に退職を追っておきながら、「解雇権が認められていないから」と正当化する。だが、それは違うだろう。
日本でも「整理解雇の4要件」など合理的な理由があれば解雇はできるし、卑劣なやり方で人員削減をするのは許されない。日本企業は雇用の安全網を整備すべきだったが、それを怠ってきたのだ。
日本企業は90年代後半ごろから、非正規社員を増やし始めた。そして小泉政権下で製造業派遣の解禁など規制緩和が進み、派遣社員が急増した。非正規雇用間題は米国にもあるが、日本の特徴としては、待遇差別があまりにひどいこと、それに労働組合の支援がほとんどなかったことがあげられる。連合は長い間、正社員の保護を優先し、非正規社員を守ってこなかった。
一方、米国最大の労働組合AFL−CIOは非正規社員の組合加入を促進し、正社員と協力しながら、待遇差別改善に取り組んだ。米国の食品スパー、宅配、小売りなどの業界ではパート社員が多いが、彼らは組合の支援を受けて団体交渉を行い。均等待遇を勝ち取ってきた。
たとえば、宅配最大手のUPS(本社ジジョージア州)のパート社員は20年以上前から、正社員と同等の賃金と社会保障(健康・雇用保険、年金、有給休暇など)を得ている。ちなみに同社の取締役のほとんどはパート社員から始めた人たちというから驚きだ。
日本では正社員と同じ仕事をしている非正規社員の賃金が、半分か3分の1ぐらいに抑えられている。米国で企業がそんなことをしたらただでは済まないのだ。(つづく)