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2009.12.07 情けない朝日、読売の普天間報道
坂井定雄(龍谷大学名誉教授)
海上給油中止と普天間基地移設問題。朝日、読売の報道ぶりは、まるで米国と日本外務省の広報機関だ。せっかく長年にわたる自民党政権が、大多数の国民の意思で代えられ、鳩山首相は「より緊密で、対等な日米関係」を構築しようとしているのに、これらのメディアは相変わらず「米国の反発、失望」「米国のいらだち」「米国の憤り」などを連発して、鳩山首相や「官邸」を攻撃する。外務省や駐米日本大使館、ブッシュ政権に奉仕してきた「知日派」に頼って記事を書いてきた従来のスタイルのままだ。
「(日米が合意した、辺野古へ)普天間を移設しなければ、海兵隊のグアム移転はなく、グアム移転なしに沖縄の兵員縮小や他の返還もない」というゲーツ米国防長官の問答無用発言を一面トップに据えた読売。朝日の扱いはトップではなかったが、どちらも、しつこく、日米合意を早急に履行しなければ日米関係を損ねる、という報道を続けている。「ハッタリかます米国の常套手段」(週刊朝日)なのは、さまざまな懸案事項の交渉で分かっていても、両紙の記事や解説は、ほとんどが“日米関係を損ねるから、早急に合意履行を決定しろ”と首相に迫る。
確かに外交交渉での合意は重要な現実だが、政権が代われば、前政権が外国と合意した事項や国際的約束を見直し、変更することは、米国政府も他の国も、しばしばやること。政権を交代させた国民の意思を何よりも尊重しなければならないことを、他の民主主義国は理解しているからだ。
読売がいまでも、インド洋海上給油を再開しろと主張しているにはあきれるが、ここでは、直近の朝日の報道を採録しよう。
12月5日朝日新聞2面の見出し「漂う普天間移設―米、いらだち隠さず」「このままなら、状況さらに困難」「首相迷走 狭まる選択肢」。記事の一部―「米政府関係者は『辺野古移設がダメになるなら、普天間の移設もないし、グアムへの海兵隊移転もない。すべてがなくなる』と危機感を強める。(坂井注=ゲーツ発言繰り返しだね)。「対日専門家の一人は『連立を守るという国内事情を優先したのかもしれないが、米国との信頼関係を著しく損ねてしまった』と話した」。そして「結論の先送りは、日米合意の早期履行を迫る米国、普天間の早期の危険性除去を求める沖縄のいずれの期待も裏切ることになった。首相のやる気を疑われ、日米合意の白紙撤回と受け取られかねない」と鳩山首相をせかす。
だが、朝日新聞が11月14,15日に実施した世論調査では「日米合意をみなおして再交渉した方がいい」が「守った方がいい」を上回っている。
琉球新報と毎日新聞が10月31日と11月1日に沖縄で実施した世論調査では、「県外・国外施設を目指してアメリカと交渉すべきだ」という答えが69・7%だった。その世論を無視して「沖縄の期待を裏切った」と結論付ける朝日新聞でいいのか。(了)