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12月6日10時25分配信 琉球新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091206-00000004-ryu-oki
岡田克也外相が、一民主党員として普天間基地移設に対する地元住民の意見を聞くため、支持者を中心に約80人を集めて名護市で開いた5日の対話集会。県内移設反対を熱く訴える住民に対し、岡田外相は最後まで日米同盟の重要性を主張し、まるで基地受け入れの理解を求めるかのような「説明」に終始。外相の発言に「それは脅しか」と会場が一時騒然となる場面も。失望、落胆、憤り―。対話を終えた参加者からは「絶対辺野古に決めている」「アリバイづくりだ」と怒りの声が相次いだ。対話集会をはじめ、日程のほとんどがマスコミに非公開で開かれたことへの批判も飛んだ。
集会開催直前、ヘリ基地反対協が、集会の閉鎖性などを理由に出席取りやめを発表。新基地建設問題を考える辺野古有志の会とティダの会も、集会の人数制限と非公開を撤廃するよう申し入れるなど、会場周辺は開催前から不穏な空気が漂った。
午後3時すぎ。ほぼ時間通り会場入りした岡田外相は、冒頭撮影のわずかな時間のみ入場が許されたマスコミを前に、やや長めのあいさつ。「民主党のマニフェストに普天間とか県外は含まれていない」とけん制し、会場の緊張感は一気に高まった。
質疑応答は約1時間。住民の質問に対し、日米安保体制の重要性を再三強調し「現行案(辺野古)以外は難しい」とする岡田外相の物言いに、参加者のいら立ちはピークに。外相が「現実的に県外となると時間がかかる。そうなるとそれだけ普天間(の危険)は今のまま続く」と述べると、住民から「それは脅しだ」との声が飛び、会場は騒然となった。最後は司会の玉城デニー衆院議員が、とりなすように場をまとめ、集会は慌ただしく終了した。
集会後、名護市の田港清治さん(81)は「最低の集会。結局、住民の話を聞いたというアリバイづくりだ」と不満げ。「どの質問にも日米安保を理由に挙げていた。それを打ち壊すのが政治家じゃないか。アメリカの脅しにいいようにやられているだけだ」と外相の説明にいら立ちを見せた。
11・8県民大会の壇上で発言した渡具知武龍君(12)も家族と参加。「大臣本人から『辺野古以外は難しい』という言葉を聞き先行きが不安になった。県外移設が実現できなかったら、(政府は)約束を破ったことになる。きちんと約束を守ってほしい」と語気を強めた。
辺野古に住む西川征夫さん(65)は「もう皆さんの意見は聞きましたということだろう。辺野古をやめるという発言はなかった。『原点に戻してゼロからスタートすると普天間飛行場は大変だ。普天間飛行場は危険だ』の繰り返し。大臣に、県民の思いは伝わっていない」と失望をあらわにした。
◆久志区長が反発
【名護】名護市久志区の比嘉清隆区長は5日、岡田克也外相が久志、辺野古、豊原の久辺3区を外して住民説明会を開いたことに、抗議の意思を表明した。「住民の意見を聞くのであれば久辺3区に来るべき。いくらなんでもやり方がおかしい」と述べ、区として抗議決議も辞さない構えだ。比嘉区長は「われわれも基地は来ない方がいいと思っている。なぜ大西公民館での説明会なのか」と不信感をあらわにした。
◆会場にカーテン、記者にたすき/市民団体が批判
11月以来2度目となった岡田克也外相の沖縄訪問。公式、非公式を含め意見交換会や集会など延べ10カ所を回ったが、5日夜の記者会見以外は外相サイドの意向で冒頭取材のみか取材不可とされ、意見交換はすべて「非公開」で実施された。事業仕分けなど、民主連立政権がアピールしたい取り組みは大々的に公開される一方、普天間問題への対応で変節が続く外相に対する批判も予想される場面では非公開と、対応を露骨に使い分ける手法に住民から批判が飛んだ。
伊波洋一宜野湾市長や連合沖縄との意見交換の場などでは、岡田外相が入室してから冒頭約3分の撮影、取材のみで報道陣をシャットアウト。沖縄タイムス社社長や経済界との意見交換は完全非公開とした。県内の報道各社が加盟する県政記者クラブが全面公開を申し入れた名護市での対話集会は、会場入り口をカーテンで覆うほどの徹底ぶりだった。また、冒頭撮影をするために入場する報道陣に対しても、見分けるためのオレンジ色のたすきの着用を求めるなど“厳戒態勢” が敷かれた。
ヘリ基地反対協議会は、名護市での対話集会に「参加者を限定せず県内全体の意見を聞くべき。非公開の閉鎖的な集会に参加すべきでない」と集会の在り方を批判し、参加を見送った。
名護市での対話集会を呼び掛けた玉城デニー衆院議員は「(住民から外相に)自由な意見を伝えてほしかった。参加者からもそういう(非公開を求める)声があった」と非公開の趣旨を説明した。
岡田外相は会見で「外務大臣として人と会うときに全面公開にしたことはあまりない。(非公開は)普通だ」と語り、「集会はじっくり話したいという思いがあった。あれだけのメディアが入ると一般の方がじっくり話すのは難しいと思う」と説明した。集会内で外相に対する批判が上がることの懸念については「名護で開けば褒める意見が出ないことは分かっている。それでも開いた」と語った。
琉球大学の島袋純教授(政治学)は「民意を聞くというのなら民主的なプロセスとして、公聴会など開かれた場を設けるのがより望ましい」と指摘した。