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米大手2社がJAL支援合戦、羽田発着枠への思惑も
2009年 12月 3日 18:17 JST
[東京 3日 ロイター] 経営再建中の日本航空(JAL)(9205.T: 株価, ニュース, レポート)に出資を検討している米デルタ航空(DAL.N: 株価, 企業情報, レポート)と米アメリカン航空(AMR.N: 株価, 企業情報, レポート)は、3日それぞれ都内で会見した。
デルタが金融支援額の上積みを示唆する一方、アメリカンは国際航空連合「ワンワールド」や米投資ファンドTPG[TPG.UL]と共同で最大11億ドル(約1000億円)をJALに出資する準備があると正式発表した。2010年10月の羽田空港拡張に合わせて、羽田の発着枠を多数保有するJALの取り込みを急ぐ格好だ。ただJAL再建が法的整理により進む可能性もあるため、出資は法的整理後との見方も一部では出ている。
デルタのエドワード・バスティアン社長は、日本政府などから要請があれば、同社が加盟している国際航空連合「スカイチーム」と共同ですでに表明済みの10億ドル(約900億円)の金融支援に加え、「投資ファンドなどの第三者と共同で追加出資に応じる用意がある」ことを明らかにした。
一方、アメリカン航空のトーマス・ホートン社長は、今月中にワシントンで開催される日米航空協議などで、日米両国が二国間航路の規制緩和である「オープンスカイ協定」を締結した場合、JALがデルタと組めば、太平洋路線で6割を占める寡占状態となるため独占禁止法に抵触する可能性が大きいとけん制。JALが現在同様「ワンワールド」陣営にとどまりアメリカンと提携すれば、JALは2国間の航空会社同士で運賃や運航スケジュールなどを調整できる、独占禁止法の適用除外(ATI)を享受できるため、10年間で7億ドルの増収効果があると強調した。
企業再生支援機構に支援を要請中のJALは、同機構を利用した再建の場合4800億円、会社更生法による法的整理の場合は9000億円の金融支援が必要(JAL再生タスクフォース試算)とされており、米大手2社による支援要請額は「焼け石に水」(関係者)との見方が多い。ただ、羽田拡張に伴い、都心へのアクセスが成田より圧倒的に便利な羽田の国際線発着枠の争奪戦が本格化するのは必至。米2社は現在成田にしか発着枠を保有しないためJALの取り込みを図っている格好だ。
なお、JALは企業再生支援機構が支援を決めた場合も、年金債務の処理などが引き金となり法的整理となる可能性がある。その場合は株主責任も問われるため、「米大手はJALが法的整理手続きに移行した後に出資・金融支援する」(関係者)との見方が多い。なおアメリカン航空のホートン社長は、法的整理となる可能性があるのを覚悟で出資するのか、との質問に対して、「JALは再建が可能だと信じている」と述べるにとどめ明確な回答を避けている。
(ロイターニュース 竹本 能文記者)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12762120091203