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【神州の泉―高橋博彦】
2009年12月 2日 (水)
郵政関連株凍結法案が衆院通過!先ずは剣が峰突破!
持ち株会社「日本郵政」、その管轄の「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命保険」の株式、「かんぽの宿」などの施設の売却を凍結する法案が衆議院を通過した。法案は、民主党・社民党・国民新党の与党と、共産党などの賛成多数で可決されたあと、参議院に送られた。後は参議院の審議を通じて成立を目指す予定だ。
自民党は衆議院でも参議院でも、一切、審議に応じない腹を決めているようだが、これについて小沢一郎幹事長は言う。自民党の審議拒否は、日本郵政株式売却凍結法案の採決で造反議員が出るのを恐れ、本音は郵政法案をやりたくないからだろうと述べている。その通りだと思う。自民党の審議拒否は、審議に応じた場合、党内から郵政造反組がこの法案に賛成する公算が大だからだ。それは党の決定的な崩壊を意味する。
この状況は自民党の栄枯盛衰を物語っていて面白い。四年前、郵政民営化強行で独裁政権を実現した自民党が、下野した今は、その郵政民営化の見直し法案で党内分裂の危機に直面している。ジャーナリストの鈴木棟一氏のルポを読む限り、2004年の時点で自民党員の大半は郵政民営化には反対だったし、当然、分社化にも反対だったのだ。ところが、どういうわけか、経済財政諮問会議と官邸の意向だけで、民営化の骨格が強引に決められてしまっていた。当時、党内民主主義は完全に機能を失っていたのだ。
麻生政権が駄目になったのは、小泉構造改革派が米国の後押しで党内を占拠したからである。政権交代に至った真の理由は、小沢幹事長の言うように、国論が小泉・竹中政治の見直しを求めたからだ。小泉・竹中構造改革の本丸である郵政民営化を見直して欲しいというのが世論であった。その意向を敏感に見抜いた小沢幹事長が、新政権に国民新党を加え、亀井静香氏を郵政担当大臣として起用した。
自民党が新政権の何に脅威を感じているかと言えば、小沢一郎幹事長と亀井静香郵政担当大臣の二人である。悪徳ペンタゴンという利権複合体に属する自民党議員は、何としても郵政民営化の見直しを阻止したいのである。しかし自民党は上述したように、一枚岩ではなく、本音では「民営化見直し」に賛成する議員が多い。郵政民営化に反対の議員連中は造反を起こす可能性が高い。
自民党の分裂は小沢幹事長と亀井静香大臣にとって、願ってもない状況となるかもしれない。自民党の郵政民営化見直し組が、与党に合流するか、国民新党に合流する可能性があるからだ。いずれにしても、自民党の影響力は縮小するだろう。しかし、民主党には凌雲会や松下政経塾上がりの悪徳ペンタゴンに限りなく近い勢力がいて、獅子身中の虫になっている。彼らの動きの方が危険かもしれない。
自民党内の郵政民営化見直し組の筆頭が鳩山邦夫元総務相であり、民営化推進グループの筆頭が中川秀直元幹事長である。おそらく党内はこの二派の対立が深刻になっているだろう。推進派の中川秀直氏は「党議拘束をかけ、堂々と国会に出席して反対すべきだ」と強硬論をぶち上げているらしい。まるで、郵政造反組の復党問題で、踏み絵を踏ませた当時を髣髴とさせる。党議拘束は強制である。郵政見直しをストップさせたい偽装CHANGE派の強い焦りが出ている。
現政権が、予定通り郵政グループの株式凍結法案を成立させたら、それは国富流出を寸止めするという意味で、最大に評価されるべき政策であり、立派である。現政権は、日本郵政株式売却凍結法案の目的が、米国による対日国富収奪からの防衛であるとは、正面切って言えない辛さがある。なぜなら、日米安保条約があるからだ。実質は属国でも、国際的には同盟国である米国を盗人(ぬすっと)呼ばわりできないからだ。
だからこそ、竹中平蔵氏を筆頭とする売国奴、つまり、急進的な郵政民営化推進論者は、民営化の見直しを逆行であるとか、また郵政官僚の天下に戻すのかというネガティブ・イメージで攻撃してくる。政府が株式凍結や四分社体制の見直しについて、それは米国による収奪を防ぐためであると、堂々と言えないのなら、ネットのブロガーたちは彼らの代弁をしてやる必要がある。日本郵政株式売却凍結法案は国富流尽を防衛するためであると同時に、『対等な日米関係』を政策として実行していることを、国民に知らしめるだろう。
日本郵政株式売却凍結法案は、日本版エクソン・フロリオ条項の緊急的代替措置であり、そのパイロット的役目を果たすことになる。この法案の本質は、経済的国家防衛なのである。
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