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http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20091202
11月29日の日記、「漢方薬に関するデマ」(http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20091129)に関して、どうも、あたしの言わんとしてることが一部の人に正しく伝わってないようで、「保険が適用されている漢方薬は、市販もされている市販品類似薬なんですよ」っていう分かりきった内容のメールが何通も届くので、まずは、もう一度、11月29日の日記の主旨を繰り返しておく。
1.仕分け人と厚生労働省の担当者による63分間の会議の中で、仕分け人側から「漢方薬を保険から除外すべき」という文言は一度も出て来ない。
2.厚労省側の「市販品類似薬は保険外にするという方向に決まったのか?」という確認の質問に対して、仕分け人側は明確に否定している上に、どのような方向に進めて行くのかという「方向性」すら何も決まっていないと明言している。
3.最終的には、15人の仕分け人のうち11人が賛成したため、「評価コメント」には「市販品類似薬は保険対象外とすべき。単価比較をすれば、市販品の方が安くなるデータもある。材料の内外価格差も同様。」と書かれているが、これは「決定」ではなく、あくまでも仕分け人チームによる結論でしかない。
4.また、総括にあたる「とりまとめコメント」には、「市販品類似薬を保険外とする方向性については当WGの結論とするが、どの範囲を保険適用外にするかについては、今後も十分な議論が必要である。」と補足してあるので、今後、政府が「除外すべき」という判断を下したとしても、すべての市販品類似薬を除外するわけではない。
こうした全体の流れを見れば、とりあえず「市販品類似薬を保険外とすべき」って方向にはなったけど、何もすべての市販品類似薬を明日から除外するって言ってるワケでもなければ、ましてや「漢方薬をすべて除外する」なんてヒトコトも言ってないことが分かるだろう。ニュアンスを正確に伝えるとすれば、「こうした市販品類似薬の中には、病院で処方しても患者が飲み残すようなムダなものもあるから、除外すべきものとそうでないものとに区分けするために、今後は国民的な議論を十分に尽くして行く必要があるのではないか」って、こんな感じの結論だ。
ようするに、まだ何も決まってないどころか、単に「提案」が出されただけなのに、こんな段階で、あたかもすでに「すべての漢方薬が保険から除外されることが決定した」かのように大騒ぎするのは、誰がどう見たって過剰反応だし時期尚早だと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、まず初めに言っとくけど、母さんもあたしも病院で漢方薬を処方してもらってるから、漢方薬が保険から除外されたらとっても困る。だから、今回のニュースや署名の話を聞いた時には、「こりゃあ大変なことになった!」と思って、できる範囲で協力しなきゃって思った。だけど、実際に、11月11日に行なわれた「後発品のある先発品などの薬価の見直し」っていう仕分け会議の音源を聞いてみたら、最初から最後まで63分間ぜんぶ聞いても、仕分け人の誰1人として「漢方薬を保険から除外すべき」だなんてヒトコトも言ってなかった。それどころか、最後に厚労省側から出た「市販品類似薬は保険外にするという方向に決まったのか?」っていう確認の質問に対しても、仕分け人側は明確に否定してた。
だけど、各新聞の報道は、どれも、すでにすべての漢方薬が保険から除外されることが決定したかようなニュアンスの書き方をしてるし、それに対して各方面から批判が集中してるっていうことばかり書きたて、実際の会議の内容にはまったく触れてない、あまりにも公平性に欠ける内容だった。そして、署名の文言も、すでに決定したかのように書かれてた。たとえば、「このまま進むと漢方薬が保険から除外されてしまうおそれがあるので」とかって表現なら理解できるけど、まだ方向性も決まってないもの、これから議論を始めてくって言ってるものに対して、すでに結論が出ちゃってるように報道したり、署名を募ったりするのは、すごくおかしな話だと思った。
今回の会議は、他の事業仕分けとおんなじに、財務省が作成した「論点ペーパー」を下敷きにして行なわれたんだけど、その「論点ペーパー」の55ページの「市販品類似薬の薬価は保険外とする」ってとこには、「湿布薬、うがい薬、漢方薬」って明記してある。もうちょっと詳しく言うと、「湿布薬、うがい薬、漢方薬などは薬局で市販されており、医師が処方する必要性が乏しい」っていう1つの意見と、「高齢者の半分近くが処方された薬を飲み残しており、その分、無駄に公的支出が行われている」っていうもう1つの意見から、「国民の税金・保険料で持ち合う公的医療保険の対象として、湿布薬、うがい薬、漢方薬などは薬局で市販されているものまで含むべきか、見直すべきではないか」っていう提案がされてる。
そして、この「論点ペーパー」を下敷きにして議論が行なわれたワケだけど、仕分け人側は誰1人として「漢方薬」って言葉を使わずに、「ビタミン剤、湿布薬、うがい薬などの」って言ってる。そして、その発言内容も、「論点ペーパー」に書かれてる「湿布薬、うがい薬、漢方薬などは薬局で市販されており、医師が処方する必要性が乏しい」っていう論点じゃなくて、単に「飲まずにムダにしてしまう薬まで保険でカバーすべきか」って論点で議論してる。
こうした事実とか、民主党が漢方薬を推進してる立場だってことから推察すれば、この会議において、仕分け人側は、財務省の作成した「論点ペーパー」を下敷きにしつつも、財務省サイドに気配りしつつも、湿布薬やうがい薬などと、医師の処方が必要な漢方薬とを明確に分けて考えてることが分かる。そして、最終的な「評価コメント」では、この項目に15人のうち11人が賛成したから、「市販品類似薬は保険対象外とすべき。単価比較をすれば、市販品の方が安くなるデータもある。材料の内外価格差も同様。」って書いてるけど、そのあとの「とりまとめコメント」で、ちゃんと「市販品類似薬を保険外とする方向性については当WGの結論とするが、どの範囲を保険適用外にするかについては、今後も十分な議論が必要である。」って補足してる。
63分の音源をぜんぶ自分の耳で聞き、その上でこの「評価コメント」を読めば、中学生レベルの国語能力のある人間なら、誰も「すべての漢方薬が保険から除外する方向に決定した」なんていう激しく飛躍した解釈なんてしないハズだ。だって、この流れと結果を見れば、普通の感覚なら、誰もが「まだ何も決まってないけど、これからムダを省くための見直しの議論が始まるんだな」って思うだけだし、仮に「市販品類似薬は保険対象外とすべき」ってことが、今後、政府で決定されたとしても、それでも、すべての市販品類似薬を十羽一絡げにして除外するんじゃなくて、ちゃんと時間を掛けて国民的な議論を十分に行なって行き、除外すべきものとそうでないものとをキチンと区分けしてくってことくらい、誰にでも理解できるからだ。
ようするに、今回の事業仕分けの結果を見て、ヒステリックに大騒ぎしてる人たちってのは、実際の会議の音源を聞かずに、会議の現場でどんなやりとりがなされたのかは無視して、財務省が作成した「論点ペーパー」に書かれてる内容と、最終的な「評価コメント」の「市販品類似薬は保険対象外とすべき。単価比較をすれば、市販品の方が安くなるデータもある。材料の内外価格差も同様。」ってとこの「市販品類似薬は保険対象外とすべき。」って部分だけを見て、その内容を拡大解釈して、過敏に反応してるだけなのだ。ハッキリ言って、「削減ありき」で作成された財務省の「論点ペーパー」には、この問題に限らず、他の事業に関しても、トンデモなことがたくさん書かれてる。だけど、そんなもんをいちいち指摘して大騒ぎしてたら、完全に収拾がつかなくなる。
「論点ペーパー」なんてものは、あくまでも参考程度のもので、実際には、会議の現場でのやりとりが最優先される。だからこそ、密室じゃなくて公開の場で議論してるんだし、あとから音源を聞くこともできるワケだ。ようするに、あたしたち国民が証人になるってことだ。それなのに、現場でのやりとりの内容を完全に無視して、あたかも「論点ペーパー」に書かれてることだけがすべてみたいに論じるなんて、それなら、仕分け人なんていらないじゃん。「論点ペーパー」を作ってる財務省の官僚が、各省庁や法人の担当者を呼び出して、密室でやればいいじゃん。
繰り返すけど、母さんもあたしも病院で漢方薬を処方してもらってるから、漢方薬が保険から除外されたらとっても困る。今でもギリギリの生活をしてるのに、そんなことになったら、もうお薬を買うことはできなくなる。だから、ホントにすべての漢方薬が保険から除外されるっていうのなら、あたしだって黙ってない。だけど、実際の会議の内容を聞いたら、「今すぐに漢方薬が保険から除外されることなんてアリエナイザーだ」ってことは猿にでも分かるし、「市販品類似薬の中には保険対象外とすべきものも含まれてると思われるので、今後、ムダを省くために国民的な議論が必要である」ってことが結論だってことも猫にでも分かる。それなのに、これを思いっきり偏向的に拡大解釈して、「漢方薬が保険から除外される方向に決定した」だなんて報じたマスコミは、完全に意図的な扇動をしたとしか言わざるをえない。
さらには、「何万人が署名した」だなんて報じてる新聞の記事を見て、あたしは、真性のアホかと思った。こんなことは大ゲサに報じるのに、なんで普天間飛行場の辺野古への移設に反対してる何十万という署名については報じないのか。なんで六ヶ所村の核リサイクル施設に反対してる何十万という署名については報じないのか。なんで山口県の上関原発の建設に反対してる何十万という署名については報じないのか。こうした事実ひとつを見ても、今回のマスコミの報道内容が意図的に操作されたものだってことが分かるし、アッチとコッチとソッチの癒着ぶりが手に取るように分かる。
‥‥そんなワケで、たとえば、今回の「後発品のある先発品などの薬価の見直し」っていう仕分け会議の内容に関してなら、こんな、まだ何も決まってない漢方薬のことなんかよりも、後発品の問題のほうが遥かに重大だと思う。あたしも、複数の医療関係者の方々から指摘していただいて初めて知ったんだけど、ニポンでは後発品の認可基準が甘いため、後発品の中には粗悪なものも含まれてるそうだ。だから、後発品を使いたがらないお医者さんも多いそうだけど、この会議の中では、後発品の安全性を質問した仕分け人に対して、厚労省の担当者は「後発品に関しては、すべて新薬と同じ検査や手続きをしているので、安全性にはまったく問題がない」って答弁してるのだ。正確に言うと、「事務的な手続きに関しては、新薬がクリアしてるために多少は省略する部分もある」としながらも、実質的な検査とかに関しては、すべて新薬とおんなじに厳しくやってるから、安全性にはまったく問題がないって答弁してる。
で、仕分け人のほうは、「できるだけ価格の安い後発品を使うようにして公的な支出を抑えたい」ってことを提案してるワケだから、この厚労省の担当者の答弁を聞いて、「後発品も先発品と同レベルの安全性なんだ」「後発品も先発品と同レベルのクオリティーなんだ」って信じ込んで、「病院のお医者さんや開業医はできるだけ後発品を使うようにする」「各メーカーは先発品の価格を後発品の価格に近づけるように努力する」っていう結論を出しちゃったのだ。
厚労省の担当者が言ってるように、ホントに後発品も新薬とおんなじ厳しい検査をしてて、安全性にまったく問題がないってことが真実ならいいけど、もしも、あたしにメールをくださった医療関係者の方々が指摘してるように、「ニポンでは後発品の認可基準が甘いため、後発品の中には粗悪なものもある」ってことのほうが真実なら、これはトンデモナイことになる。患者の立場としては、たとえ2倍の値段がしたって、安全性が担保されてるお薬のほうを処方してもらいたいに決まってる。だけど、こんなことが政府で決められちゃったら、あたしたちは有無を言わさずに後発品を処方されちゃうオソレもあるのだ。
そして、もう1つ、今回の「評価コメント」の結論の中には、こんな一文もある。
「処方された薬を全て保険適用にすべきではなく、数量の制限、金額の制限を導入すべき。」
これまた、中学生レベルの国語能力があれば誰にでも理解できるように、読んで字のごとくだ。こんなことが政府で決められちゃったら、患者の収入や状況に関係なく、高額なお薬を必要とする病気の人は、みんな一定ラインより上のお薬代が実費ってことになっちゃう。そしたら、お金持ちはどんな病気になっても安心だけど、貧乏人はお薬代の安い病気だけを選んでかからなくちゃなんない。でも、現実には、そんなことはムリだ。結局、今でさえもお金がなくて病院に行けない人たちがたくさんいるってのに、もっと医療格差が広がるってワケだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、まだ何も決まってない漢方薬のことなんかに過剰反応してるヒマがあるんなら、こっちの「国民にとって遥かに重大な2つの問題」に対してこそ、声をあげるべきだと思う。粗悪な後発品が実在するかどうか、まずは徹底的に実態調査をした上で、ニポンの後発品の認可基準を欧米並みに厳しくすることが先決で、それができて、初めて医療の現場に後発品を優先的に使うように指示すべきだと思う。そして、これ以上、医療格差を広げるようなお薬代の金額制限なんか、絶対に導入すべきじゃないと思う。これが、自分の耳でちゃんと会議の音源を聞いたあたしの結論だ。そして、疑り深いあたしには、まだ何も決まってない段階での今回の異常な漢方薬騒動は、もしかしたら、この2つの重大な問題から国民の目をそらすためのオトリなんじゃないかとも思えて来る。とにかく、くだらないバカマスコミの扇動報道なんかに踊らされる前に、まずは自分の耳で、実際の会議の音源を聞いてみて欲しい。63分間の音源をぜんぶキチンと聞いてみれば、「漢方薬が保険から除外される」なんて言い出すアホは1人もいなくなると思うし、このバカ騒ぎの影に隠されたホントの問題点が見えて来ると思う今日この頃なのだ。
「後発品のある先発品などの薬価の見直し」の音源
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8782740
★利権政治家と悪徳官僚主導体制を復活させたい(としか見えない)デマゴミは、いまでも「行政刷新会議の事業仕分けで「漢方薬を保険適用外にすべき」との見解が出されたことに対し、抗議の声が殺到している」などと、デマを振りまき、マッチポンプ記事を量産している。
しかし、きっこさんが指摘しているように、「漢方保険外」デマ騒動の影で「後発品の認定、安全性の問題」「保険適用の数量の制限、金額の制限導入の問題」が霞んでいる、いや霞ませている、と言うべきか。
厚労官僚と財務官僚の本当のねらいは、この2つにスポットが当たらないようにすることだったのではないか。
どこまで仕組まれているかは定かではないが、少なくとも報道メディアは、「漢方保険外」がデマであること、「後発品の認定、安全性の問題」「保険適用の数量の制限、金額の制限導入の問題」は中低所得者、社会的弱者にとんでもない悪影響をもたらしかねないことをもっと声を大きくして訴えるべきだろう。
きっこさん一人でここまで記事にできるのである。
なぜ、本職の(フルタイムで従事している)記者になぜできないのか。
結局のところ、マスメディアに所属する記者連中は(産経を除くが(笑))、悪徳官僚、富裕層、特権階級、大企業と同じ立場に立っているのであり、何を期待しても無駄だということか。