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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-153493-storytopic-11.html
社説 沖縄密約 徹底解明し真実公表を
2009年11月29日
日米間の四つの「密約」を精査する有識者委員会の作業は、外務省内の厚い壁を前に、難航しそうな様相を呈してきた。
1972年の沖縄返還に向けて認めたとされる有事の核再持ち込みと、60年の日米安保改定の際に作成されたとみられる朝鮮半島有事における米軍の戦闘作戦行動に関する密約は、外務省内の調査で関連文書が確認できなかったからだ。
二つの密約の存在は米国が公開した公文書で明らかになっている。にもかかわらず日本政府は一貫して密約を否定してきた。
政権が代わり岡田克也外相が関連文書を出せと命じたからといって、外務省が素直に出すはずがない。あくまでしらを切り「見つからなかった」と報告する方が外務省の姿勢としてはより自然だ。
うそをついてきた当の本人に、これまで言ってきたことが虚偽だったと証明する資料を要求するのは、犯行を否認する泥棒に犯罪の証拠を出せと迫るようなものだ。第三者が動かぬ証拠を突き付けない限り、おいそれと認めるわけがない。
現に2001年4月の情報公開法施行前、公表を恐れた外務省が核関連秘密文書を破棄した疑いが取りざたされている。関連文書がないとすれば、既に「証拠隠滅」が図られたせいかもしれない。
有識者委員会に求められるのは、外務省の言い分をうのみにせず、疑わしい点を断固として究明する姿勢だ。座長の北岡伸一東大教授をはじめとする各委員の意欲と手腕が問われる。
一方で、有識者委が警察のような捜査機関でない以上、調査能力に限界があるのも事実だ。文書がないと強弁されて引き下がらざるを得なくなる局面も予想される。有識者委が自ら訪米し、証拠資料の収集や関係者の証言聴取に当たる必要があるだろう。
外務省が認める方針を固めたのは今のところ、日米安保改定時に交わされた米軍核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認する「核密約」だけだ。
沖縄返還交渉をめぐり日本側が米軍用地の原状回復補償費を肩代わりするとの密約は、元外務省アメリカ局長が存在を明言したが、東京地裁で存否が争われている。
外務省の欺瞞(ぎまん)を突き崩すのは容易ではない。あらゆる障壁を乗り越え、有識者委が、すべての密約の真相を解明することを切に望む。