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http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20091129
獲ったどぉ〜〜〜! 今日の「ジャパンカップ」、雨が降らなかったからエヴァンゲリオンが勝つと思って、金曜日の日記で予想した通りに、弐号機にあたるレッドディザイアと、零号機にあたるオウケンブルースリと、あと1頭、初号機にあたる馬を探して買うつもりだったんだけど、どうしても初号機にあたる馬が思いつかなかったので、レッドディザイアとオウケンブルースリからぜんぶの馬に100円ずつ3連複で流したら、1着がウオッカ、2着がオウケンブルースリ、3着がレッドディザイアで、ミゴトに的中したどぉ〜〜〜!‥‥ってワケで、今、すごく競馬について書きたいのはマウンテン・マウンテンなんだけど、今日は「漢方薬の保険適用除外」について書くって予告しちゃったから、この問題について書く。
で、「ジャパンカップ」に関しては、明日の日記に書くつもりなので、「獲ったどぉ〜〜〜!」とか「また負けたどぉ〜〜〜!」とか、たくさんメールを送って欲しい。面白いメールや楽しいメールは、また日記で取り上げたいと思う‥‥ってことで、さっそく、今回の漢方薬の問題だけど、あまりにもたくさんの人からメールが届いて、どの人も「このままでは漢方薬が使えなくなります!」「署名をお願いします!」ってメチャクチャにコーフンしてるし、メールに貼られてたURLから新聞記事を読んでみたら、どの新聞も「行政刷新会議の事業仕分けで漢方薬を保険適用の対象外にする方針が決まった」って書いてあるから、あたしは大慌てで、今朝、署名をお願いする告知をアップした。たとえば、以下は昨日の「毎日新聞」の記事だけど、これを読めば、誰だって漢方薬が保険適用の対象外にされたって思うだろう。
「事業仕分け:漢方薬の保険適用除外、医師や患者が反対運動」(毎日新聞)
27日に終了した「事業仕分け」で、漢方薬などを保険適用の対象外とする方針が打ち出された。和漢薬研究が盛んな富山大学などの医師や研究者らは反発し、同大学の嶋田豊教授(51)=和漢診療学=は「漢方は全国の医師の7〜8割が診療に取り入れている」と重要性を強調している。富山大付属病院では医師や患者らが反対の署名運動を始めた。(2009年11月28日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091128k0000m040158000c.html
ね? こんな記事を読めば、みんな簡単に騙されちゃうと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この件に関しては、もちろん「毎日新聞」だけじゃなくて、他の新聞もみんなおんなじような書き方をしてたから、ふだんは「マスコミの報道を鵜呑みにするな」って言ってるあたしも、サスガにこうした報道ではデマは流さないだろうと思って、マンマと騙されちゃった。それで、急いで署名のお願いをアップしたんだけど、落ち着いて考えてみれば、あの最低最悪な自民党でさえ認可してた漢方薬を「国民のための政治」を謳い文句にしてる民主党が簡単に切り捨てるハズがない。
それで、あたしは、急いで調べてみたら、どうも話がぜんぜん違うようなので、これまた大慌てで署名のお願いを削除して、お詫びと訂正のお知らせをアップした。お仕事に出掛ける前の貴重な朝のヒトトキなのに、マスコミのデマに騙されて、お化粧しながらパソコンの画面とにらめっこするハメになるなんて、あたしもヤキが回ったもんだと思った。で、どの新聞の報道も事実に反してるけど、中でも幼稚な煽り記事を垂れ流してるのが、マイドのことながら、小学生の壁新聞にも劣ってることでもオナジミの「サンケイ新聞」だ。
「事業仕分け 漢方薬保険外に批判 反対署名4万人超 業界「重要な治療法」」(産経新聞)
政府の行政刷新会議の事業仕分けで医師が処方する医療用漢方薬を「公的医療保険の適用外」とする方向で結論を出したことについて日本東洋医学会(寺沢捷年(かつとし)会長)が4万人以上の反対署名を厚生労働省に提出することが28日、分かった。保険外になれば医療用漢方薬を病院で処方することができなくなるためで、製薬業界も「漢方医学の現状を知らない人の議論だ」と反発を強めている
「公的医療保険の対象として湿布薬、うがい薬、漢方薬など薬局で市販されるものまで含めるべきか。見直すべきではないか」今月11日の行政刷新会議に提出された、財務省の論点ペーパーに沿って行われた議論の結果、市販類似薬は「保険外」の判定となった。市販類似薬の範囲については「議論が必要」と結論を先送りしたものの、漢方薬が「保険外」となれば医師の処方はできなくなる。保険診療と保険外診療を併用する混合診療は、原則禁止だからだ。判定について、日本東洋医学会の寺沢会長は「重要な治療手段となった漢方薬を医師の手からもぎ取る暴挙。民主党のマニフェスト(政権公約)には『漢方を推進する』と書かれており、国民に対する裏切り行為だ」と指摘。同学会が24日からホームページ上で反対署名を募ったところ、27日までに4万人の署名が集まった。30日にいったん締め切り、12月1日に厚労省に提出する予定だ。製薬会社、ツムラの芳井順一社長も12日の決算説明会で「漢方医学の現状を知らない人の議論だ」と批判した。日本漢方生薬製剤協会が平成20年11月に行った調査によると、医師の約8割が「西洋薬で効果のなかった症例で漢方薬が有効」などの理由で、漢方薬を処方した経験があるという。(2009年11月29日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091129-00000046-san-bus_all
「サンケイ新聞」と言えば、ご存知のように自民党の広報紙で、衆院選で自民党が歴史的な惨敗が決まった8月30日の夜には、「Twitter」の公式サイトにおいて、政治部の記者が「(選挙では負けたけど)民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが産経新聞の真価を発揮するところ」などというコメントを発信して、大問題になった。一般の掲示板に匿名で書き込むんならともかく、自社の公式サイトで現役の記者が特定の政党にケンカを売るなんて、まるで幼稚園児レベルの認識だ。
こうした「サンケイ新聞」の偏向的な立ち位置を見れば、今回の記事も「民主党憎し!」って気持ちだけで書かれた幼稚な煽り記事だってことは一目瞭然で、ジャーナリズムの基本中の基本である「事実を正しく伝える」なんて姿勢はミジンもなく、あるのは「いかに民主党を叩くか」っていう私怨だけだ。ま、「東スポ」よりも発行部数が少ない5流新聞なんかがやってることをいちいち相手にしてても時間のムダだけど(笑)
‥‥そんなワケで、アチコチでいろんなことを言ってる人たちがいるけど、何よりも重要なのは「原典にあたる」ってことで、あたしは、この問題が議論された行政刷新会議の音源をすべて聞いてみた。これは、11月11日に行なわれた「第2WG 2−5」の「後発品のある先発品などの薬価の見直し」っていう会議で、相手は厚生労働省だ。声だけだから誰の発言なのか分かりにくいし、ぜんぶで63分もあるし、大事な部分はメモをとったり繰り返して聞いたから、ナンダカンダで1時間半も掛かっちゃったけど、最初に結論から言っとくと、この会議に参加した民主党の枝野幸男議員を始めとした仕分け人の面々は、誰1人として、「漢方薬を保険適用の対象外にする」なんて言ってない。それどころか、「市販品類似薬を保険適用の対象外にする方針なのか?」っていう厚生労働省の官僚の質問に対して、ハッキリと否定してる。
だから、すべての新聞の報道は「デマ」であり、それに乗せられて署名なんか始めちゃった漢方薬関連の人たちも、慌てて署名をしちゃった一般の人たちも、みんな、バカマスコミに騙された被害者ってワケだ。とにかく、真実を知りたい人は、自分の耳でこの音源(http://www.nicovideo.jp/watch/sm8782740)を聞いてもらうとして、ここからは、聴覚障害者とメンドクサガリの人のために、あたしがフランク・ザッパに説明してこうと思う。
まず、この「後発品のある先発品などの薬価の見直し」ってタイトルだけど、これは、読んで字のごとく、最初に新薬が開発されて売り出されると、それなりに値段が高い。だけど、新薬が開発されてから一定の期間が過ぎて特許が切れると、他のメーカーもおんなじ薬を作れるようになって、もっと安く売り出すことができるようになる。それが「ジェネリック医薬品」とかで、これを「後発品」て呼んでる。つまり、最初に開発された薬しかないものは仕方ないけど、あとから成分も効果もおんなじ安い薬が出たものに限っては、なるべくこっちを使うようにすれば、患者だけでなく、納税者全体の税負担が減るってことなのだ。
今のお医者さんは、高い薬を処方したほうが儲かるようになってる。だから、まったくおんなじ内容の薬でも、値段の高い先発品と、その半額程度の後発品があるものは、患者のほうから指定しない限り、黙ってると自動的に値段の高い先発品を出されちゃう。だけど、ほとんどの患者は、そんなこと分かんないから、お医者さんの言う通りに薬を出してもらい、言われた通りのお金を払って帰って来る。だから、ほとんどのお医者さんが、値段の高い先発品を率先して処方するのは当然として、中には、不必要なビタミン剤や栄養剤みたいなものまでジャンジャンと処方して、荒稼ぎしてるような人までいるワケだ。
で、仕分け人たちの言いぶんとしては、こうした「不必要な薬」でも、国民健康保険なら患者が払うのは3割の金額で、残りの7割は公的保険から支払われてるんだから、こうしたムダを見直すことが必要じゃないか?‥‥ってことなのだ。ここまでが大前提で、これから細かい議題に入ってくワケだけど、1つ1つ書いてると長くなりすぎちゃうから、枝野議員を始めとした仕分け人たちが会議中に述べてる主張をザックリとマトメつつ、あたしの解説を織り込んでく。カギカッコの部分が、仕分け人たちの発言を判りやすくマトメたものだ。
「後発品は先発品の半額程度なのに効能は同じなのだから、医療機関では後発品へのシフトを拡大して行くべきである。また、先発品のメーカーは、先発品の価格を後発品の価格へ近づける努力をすべきである」
で、この主張の根拠として、仕分け人は次のように言ってる。
「フランスやドイツでは、後発品が出ると、国が公的保険でまかなうのは後発品の価格の水準までに下げるようにしている。そのため、医療機関は後発品を使うようになるし、先発品のメーカーは自社の薬の価格を下げる。しかし、日本では、後発品のある薬に対しても、国が先発品の価格を基準にして公的保険を支払っているから、医師は高い薬を使い続けるし、メーカーは努力をしない」
そして、こうした構図の裏にあるのは、厚生労働省の官僚や天下りと大手製薬メーカーとの癒着ってワケだけど、この辺のことは、ハッキリとは口にしないで、匂わせる程度に抑えてる。あとは、次の3点だ。
「病院で処方する医薬品は、市販品の定価よりも2%高く設定している。もともとは15%も高く設定していたものを段階的にここまで下げた来た努力は認めるが、それでもまだ2%も高く設定されており、このぶんは全国の国民が支払っているのだから、この2%も削減すべきである」
「海外で使われている薬が国内で使えるようになるまでに長い時間が掛かるドラッグ・ラグについて、もっと短時間で使えるようにするために認可手続きを迅速化すべきである」
「町の薬局でも買えるビタミン剤、シップ薬、うがい薬などの市販品類似薬は、お年寄りなどは飲み残しも多いし、中には市販品を買ったほうが安いものも多い。こうした市販品類似薬に関しては、保険対象外とすべきである」
これが、仕分け人の主張で、どこにも「漢方薬」なんて言葉は出て来ない。各新聞の記事では、いかにも仕分け人たちが「湿布薬、うがい薬、漢方薬」って言ったように書かれてるけど、「漢方薬」って言葉を使ってるのは、財務省が作った論点ペーパーの中だけで、実際の会議では「ビタミン剤、シップ薬、うがい薬などの」って言って、「漢方薬」は別物として発言してる。
ようするに、マスコミ各社は、この「ビタミン剤、シップ薬、うがい薬などの」の「などの」の部分に、「葛根湯」みたいな「漢方薬の一部」も含まれるってことを激しく拡大して、まるで「漢方薬すべてを保険対象外にする」って言ってるみたいに報道したってワケだ。そして、百歩ゆずって、仮に仕分け人が「すべての漢方薬を市販品類似薬に含みます」って言ったとしても、会議の最後には、次のようなやりとりをしてる。
厚労省 「先ほどの市販品類似薬の保険外の件ですが、これは方向はもう保険外ということなんですか?」
仕分け人 「いえいえ、私ども、そんなことは申し上げてはおりません。これは当然、法改正も含めた、患者の負担を上げる政策ですので、実際それをどうするかと言うことは、国民的議論が必要、慎重な検討が必要だと言う立場でございます」
厚労省 「それは、ええと、方向性も今からだということですか?」
仕分け人 「おっしゃる通りでございます」
‥‥そんなワケで、このやりとりが、今回の会議の「最終結論」として現場で行なわれてるんだから、「このままでは漢方薬が使えなくなります!」なんてビックリマークまでつけてメールを送って来た人たちは、一度、深呼吸をして、落ち着いて欲しい。仕分け人が主張したのは、あくまでも1つの提案として、「ビタミン剤やシップ薬やうがい薬などの市販品類似薬は、町の薬局で買ったほうが安いものもあるんだから、保険から外したほうがいいんじゃないか」って言っただけで、まだ方向性すら決まってないのだ。
ただし、今回の会議で、この提案に対する厚労省からの意見を聞いた上で、15人の仕分け人のうち11人は、この提案に賛成した。だから、この会議の「評価コメント」(PDF資料、http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/2-5.pdf)には、「市販品類似薬は保険対象外とすべき。単価比較をすれば、市販品の方が安くなるデータもある。材料の内外価格差も同様。」って書かれてる。そして、総括にあたる「とりまとめコメント」には、次のように書かれてる。
「市販品類似薬を保険外とする方向性については当WGの結論とするが、どの範囲を保険適用外にするかについては、今後も十分な議論が必要である。」
つまり、会議の中では、誰1人「漢方薬を保険適用の対象外にすべき」だなんて言ってないし、それどころか、ビタミン剤やシップ薬やうがい薬に関しても、こうしたことは「国民的議論が必要、慎重な検討が必要」なので、方向性を決めるのもこれからだって言ってる。そして、最終的な「評価コメント」においては、15人のうち11人が賛成したから「市販品類似薬は保険対象外とすべき」っていう基本方針を明記したけど、これにしたって何の強制力もない上に、総括として「どの範囲を保険適用外にするかについては、今後も十分な議論が必要である」って結んでるのだ。
これらの事実を見れば、今後、仮に「市販品類似薬を保険外とする方向」で進んでったとしても、マサカ、シップ薬と漢方薬とをおんなじ重要度で考えるとは思えないし、保険適用外にする「範囲」についての一文を明記してる以上は、ホントに病気の治療のために使ってる漢方薬まで除外するとは思えない。それ以前に、「国民的議論が必要」って言ってんだから、まだ何も決まってない今の段階で、ヒステリックに大騒ぎすること自体がバカ丸出しだ。
挙句の果てには、今や完全に厚労省の操り人形になっちゃった長妻ちゃんまでもが、バカマスコミのデマ報道を鵜呑みにして、「漢方薬を保険適用の対象外にすべきだなんて、私は絶対に反対です」とかってトンチンカンなことを言い出す始末。こんなズレまくったことばっかり言ってると、「ミスター検討中」の次は「ミスターマリオネット」なんてアダ名をつけられちゃうよ、まったく(笑)
‥‥そんなワケで、今回のバカ騒ぎは、国民の8割から支持されてる「事業仕分け」にケチをつけたい一部の勢力が、重箱の隅をつついて、1のことを100にも1000にも膨れ上がられて、マスコミや漢方薬の関係者を焚きつけて、大きな火事にしたって見るのが妥当だろう。とにかく、今回の各新聞の報道は完全にデマなんだし、漢方薬の関係者たちがヒステリックに反応してるのも正確な情報を知らずにやってることなんだし、こんなバカ騒ぎに巻き込まれて右往左往するなんて、それこそ、自転車でコケて顔を縫うのとおんなじくらいアホだと思う今日この頃なのだ(笑)
★自分も複数のマスコミの報道を見て、なぜ民主(の事業仕分け人)はこのような提言をするのだろうと訝った口だ。
根も葉もないとは言わないが、きちんと取材すればすぐに疑念は晴れるだろうに、いったいマスメディアは何をしているのか。
こんなことを続けていれば、自分たちの首を絞めることになるのに気がつかないのだろうか。
テレビも新聞も赤字決算で大騒ぎのようだが、こんなことをしていては同情の余地はない。
長妻大臣も何をしているのかと思うのだが、多くの国民と同じように、マスメディアに騙されたのだろう。
まるで戦前か戦中の「大本営発表」を思わせる事態だが、これからは(これまでもということでもあるが)、大多数のテレビや新聞がこう言っているからといって、それをそのまま鵜呑みにしてはいけいということだ。
(自公政権お得意の自己責任論で)ある日突然、テレビも新聞も「本当のことを言っている」と思い込む方が悪いとしたり顔で言い出すやつも登場してくるかもしれない(もう現れているかもしれないが)。