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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu204.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「事業仕分け」を予算の決定機関と過大評価しているかのような批判が
あるが、予算案を決める手前の「パフォーマンス」に過ぎないのである。
2009年11月29日 日曜日
◆事業仕分け評価9割 内閣支持率もアップ 11月23日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091123-00000520-san-pol
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が21、22両日に実施した合同世論調査で、鳩山内閣の支持率は62.5%と前回調査(10月17、18両日)より1.6ポイント上がり、引き続き6割を超える高水準だった。平成22年度予算の概算要求の無駄を削る行政刷新会議の事業仕分けを評価する回答が9割近くに上るなど、鳩山内閣の取り組みが評価された形だ。ただ、不支持率も前回より2.2ポイント上昇し22.9%となった。
政党支持率は民主党が39.7%と前回より0.9ポイント下げたが4割近くを維持、自民党の17.3%を倍以上引き離した。民主党と連立を組む社民党は3.0%、国民新党は0.9%とそれぞれ低調、公明党は4.5%、共産党は3.2%だった。来夏の参院選で与野党どちらに勝たせたいかでは「与党」が64.3%と「自民党などの野党」の27.7%を大きく引き離した。
鳩山政権が「総選挙での期待に応えている」との回答は60.3%、「官僚に対する政治主導は進んでいる」との回答も50.2%で、発足から2カ月の鳩山政権の姿勢を評価する声は多い。一方、民主党が掲げた公約を「必ず守るべきだ」との回答は8.5%にとどまり、「守れないものが出てきても仕方がない」、「公約にとらわれず柔軟に政策を実行すべきだ」を合わせると9割を超え、現実的な政権運営を望んでいることが分かった。
事業仕分けについては、「行政の無駄の洗い出しに役立つ」が88.7%、「毎年行うべきだ」との回答も85.2%に上り、予算編成が透明化されたと評価されたようだ。ただ、結論を先送りしている沖縄の米軍普天間飛行場移設問題への対応については「評価しない」との回答が56.0%。天下りや渡りとの批判がある「日本郵政社長への元大蔵事務次官の起用」も60.3%が評価しなかった。
鳩山首相の政治献金問題への対応は64.8%が「評価しない」と答え、説明責任が果たされていないとの見方が強い。鳩山政権で命運を左右する「キーマン」は、小沢一郎民主党幹事長が41.9%で最も多く、鳩山首相(18.9%)の倍以上。政権運営を実質的に握っているのは小沢氏だと国民は見ているようだ。
このほか、政権に最も期待する政策は、不況の深刻化を受けて「景気対策」が25.6%でトップ、「行政の無駄づかいの見直し」(23.6%)を上回った。
◆「事業仕分け」で大騒ぎ 11月25日 田中良紹
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2009/11/post_198.html
行政刷新会議が行っている「事業仕分け」に日本列島が揺れている・・・と言っても過言でないほど鳩山政権の「事業仕分け」に注目が集まっている。連日のニュースは「事業仕分け」でもちきりだ。この動きに既得権益の方々は苦々しい思いのようで、「1時間程度の議論で結論を出すのは乱暴」とか「仕分けの基準が分からない」とか「大蔵省に操られているのではないか」などの批判が出ている。
しかしそれらはいずれも「事業仕分け」を予算の決定機関と過大評価しているかのような批判である。私には谷川秀善自民党参議院幹事長の発言が最も的を得ていると思えた。「ただのパフォーマンスやけど、国民には新鮮に見えるやろうな。自民党は何でこれをやらなかったんだろう」と谷川氏は言った。その通りで「事業仕分け」は予算案を決める手前の「パフォーマンス」に過ぎないのである。
従って結論を出す時間が短かろうが、仕分けの基準が分からなかろうが、それを過大に批判しても始まらない。ノーベル賞学者が「歴史の法廷に立つ覚悟があるか」と批判したそうだが、予算を決める作業はまだこれからである。「事業仕分け」の結論を「参考」に鳩山政権の閣僚によって予算案が決まり、それが来年の通常国会で与野党によって議論されて予算は正式に決定される。日本の予算が「歴史の法廷に立つ」のはその時である。
正式に予算を決める作業でもない「事業仕分け」が何故これほどに注目されるのか。それは予算を作成するプロセスの一部が初めて国民に公開されたからである。これまでは既得権益の方々と官僚と与党政治家とによって霞ヶ関の内側で作られてきた数字が表に出て来て、数字の根拠を巡るやりとりが生で公開されたから面白くなった。既存メディアも取り上げざるを得なくなり、追加取材までするようになって、国民はこれまで知らなかった建物や施設を見て税金の使い道を実感した。
メディアは「事業仕分け」によっていくら予算が削られるかばかりを話題にしているが、これもピントが外れている。「事業仕分け」の結論は大事でも何でもなく、予算案を作るための「参考」に過ぎない。むしろ大事なのはこの「パフォーマンス」によって、「事業仕分け」の対象にならない分も含めた予算の削減が可能になる「効果」の方である。
予算について最も良く知っているのは仕分け人でも政治家でもない。各官庁の官僚である。何が無駄かを知っているのも官僚である。しかし何もなければ官僚は無駄だと思っても予算を削る事が出来ない。正義感で削ったりしたら霞ヶ関で出世する道は永久に閉ざされる。
予算を削るのは、削られる側からすれば糧道を断たれる話だから大変である。ある人々にとっては生活権を奪われる話になる。その人々は死にものぐるいで抵抗する。その抵抗に負けると予算は既得権益化する。いったん既得権益化すると切るのは容易でなくなり、そのうち政治家や業界とのしがらみも出てきて予算は固定化される。これが積もり積もると財政は破綻する。だから時々政権交代でしがらみを断ち切る必要があるのである。
政権交代はしがらみを切る絶好のチャンスだが、日本では政権が代わっても官僚は古くからのしがらみに縛られている。アメリカのように政権交代によって官僚が数千人規模で入れ替わるなら容易にしがらみは切れる。しかし日本では法律を変えない限りそれが出来ない。そこで官僚にしがらみを断ち切らせるには第三者の力を利用するしかない。官僚の意思ではなく新たな仕組みが予算を切るとなれば官僚は誰からも恨まれない。それなら官僚も前から無駄だと思っていた予算を削る提案が出来る。
「事業仕分け」の現場を見れば仕分け人と官僚は敵対している。そして実際に敵対するケースは多いと思う。しかし実は敵対しているように見せながら、官僚がこれまで出来なかった無駄の削減を可能にする仕組みが「事業仕分け」だと私は思っている。その上で国民に予算の使い道に対する関心が高まれば、国民の声がしがらみを断ち切らせる力にもなる。「事業仕分け」という「パフォーマンス」の持つ意味はそこにある。
今回の「事業仕分け」によって税金の使い道に対する国民の関心は高まった。それは良い事だが手放しで喜ぶ気にはなれない。本来は国会の予算委員会と決算委員会がその役目を果たすべきだと考えるからである。予算委員会できちんと予算の議論をしていれば、国民は税金がどのように無駄に使われそうになっているかを知る事が出来、決算委員会を見ればどれだけの無駄があったかを知る事が出来たはずである。(後略)
(私のコメント)
今日の報道番組は事業仕分けでにぎわっていましたが、結局は無駄な予算を削る事ができるのは選挙で選ばれた議員か首長しかない訳であり、今までは財務省の官僚が切ろうと思っても自民党の族議員が圧力をかけて予算を通してしまう。八ツ場ダムにしても前原大臣が中止をしようとしても、あちこちから反対の声がでてくる。
しかし今度の事業仕分けで八ツ場ダムを取り上げたら、ばっさりと切られて国民も拍手喝采だろう。しかし今までの自民党政権では切るに切れず工事はだらだらと続行されていただろう。国土交通省の官僚にしてみれば作るのは無駄だと思ってはいても、予算要求は出さざるを得ず、財務省は切りたくても切れない。結局は前原大臣が決断するしか工事は止められない。
今日の報道2001でも大阪の橋元知事が出ていましたが、大阪府に職員の給料をカットするのは大阪府民に選ばれた橋元知事しか決断は出来ない。国家公務員の給料もカットするには鳩山総理大臣が断固として決断しなければ出来ない事だろう。それが出来なければやる気がないと言うことであり、支持率が高いうちにやらないとうやむやになるだろう。
しかし民主党も自治労が支援組織になっているからカットすることができるだろうか? 野田財務副大臣も出ていましたが、なかなか苦しい所だ。今度の事業仕分けでもカットできたのは1兆8000億円程度であり、公務員の人件費まで切り込まないと財源は出てこない。そうでないと今度の事業仕分けは国民への単なるパフォーマンスになって終わってしまうだろう。
今までは民主党がムダをカットしろと言っても、政府は無駄はないと突っぱねてきましたが、事業仕分けで一部をやっただけでもこれだけ出てくる。結局は無駄な予算をカットするにも政治決断でないと出来ないのですが、自民党では族議員が蔓延ってどうする事もできない。そこに政権交代の意味があるのですが、しがらみが無いうちにばっさりとやることだ。
鳩山首相や小沢幹事長の政治資金スキャンダルが連日報道されていますが、それでも支持率が60%を保っているのは事業仕分けのパフォーマンスのおかげだろう。政治献金の問題も国民は評価していませんが、無駄な予算を削る事が出来なければ、安倍、福田、麻生といった自民党の歴代内閣のように支持率を落として鳩山止めろコールが出てくるだろう。
「株式日記」でも書いてきたように、民主党政権がやるべき事はパンドラの箱を開けることであり、少なくとも自民党と官僚の癒着を断ち切ることだ。3ヶ月でひっくり返して見せると豪語した官僚も当面は無理なようだ。むしろ事業仕分けで見せたような官僚たちのプレゼンテーション能力の無さはどうしてなのだろう。
少なくとも局長課長クラスは担当事業のエキスパートのはずだ。想定問答集を念入りに作って仕分け人たちをきりきり舞いさせるのが官僚だと思っていたのが、公開された場所だと十分なプレゼンが出来ないようだ。それで廃止や事業見直しが相次ぎましたが、官僚たちが天下るのも担当分野の専門家だと言う理由が白々しく見える。
事業仕分けで天下りの特殊法人の役員の給料の高さや、基金を無駄に貯めこんでいた事がよく分かりましたが、自民党でこのような事業仕分けは出来なかった。予算を削られる方にしてみればたまったものではないはずであり、事業が廃止になれば今までの利権が消えてしまう。今まで頼みにしてきた自民党は野党でどうする事も出来ないから、どのような反撃をするのだろうか。
税収入が40兆円も無いのに一般予算は95兆円にもなるそうですが、税収は落ち込む一方だ。明らかにどこかがおかしいのですが、デフレでますます税収は落ち込んで行く。赤字国債は800兆円にもなり、それらのカネはどこに消えたのだろうか? 公務員の給料や建設会社や天下り役人の給料だろう。
小泉内閣があれほど高い支持率があったのも構造改革で財政の無駄をカットしてくれると言う期待があったからだろう。今度の仕分け人の中にも構造改革論者が多くいたのは皮肉な結果ですが、小泉総理でも公開された仕分け作業は出来なかったようだ。結局は小泉内閣は自民党政権の延命装置にしかならず、結局は民主党にやらせてみようと言うところまで来てしまった。