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11月29日3時0分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091128-00001186-yom-soci
政府は来年4月から、ガソリン税などに上乗せされている暫定税率を廃止し、ガソリンや軽油などの化石燃料に課税する地球温暖化対策税(環境税)を導入する方向で検討に入った。
景気低迷の影響で2010年度は深刻な税収不足に陥ることが確実視される中、暫定税率を廃止すれば国と地方合わせてさらに約2・5兆円の税収が失われるため、環境税を導入して財源確保を図る。
環境税導入は温室効果ガスの大幅削減方針を掲げる鳩山政権の環境政策にも合致すると判断した。
政府が環境税導入を目指すのは、鳩山政権の試金石となる10年度予算編成で厳しい財政事情に直面しているためだ。景気悪化による法人税収などの落ち込みで国の10年度の税収は40兆円を割り込むのは必至で、暫定税率の廃止で穴が開く国の税収(約1・7兆円)を手当てしなければ、10年度予算の新規国債発行額を44兆円以下に抑えるという政府の目標達成が難しくなる。
概算要求で95兆円まで膨らんだ歳出のカットも限界がある。27日終了した行政刷新会議の事業仕分けの成果は約1・6兆〜1・7兆円程度にとどまり、目標の3兆円に届かなかった。
政府は、民主党が政権公約(マニフェスト)で掲げた来年4月からの暫定税率廃止と財政規律の悪化を防ぐ方策を両立させるため、環境税の導入に照準を合わせている。具体的には、環境省が政府税制調査会に提出した2兆円の税収が見込まれる案を軸に検討が進む見通しだ。暫定税率廃止でガソリンは1リットル当たり現在より25円安くなる。環境省案では20円の課税を提示しており、差し引き5円の減税となる。
しかし、環境省案は暫定税率廃止で約8000億円が消える地方財源に対する手立ては示していない。政府は交付金増額や地方環境税の創設などの財源確保策を検討するとみられる。
この問題では菅国家戦略相、藤井財務相、原口総務相らが27日、暫定税率廃止に伴う税収減への対応策を関係省庁の副大臣らで検討することで合意した。ただ、政府内には、暫定税率を段階的に廃止することで税収減を小幅にとどめる考えや、環境税の導入時期を先送りするよう求める意見があり、最終決着まで不透明な要因も残っている。