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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009112602000105.html
2009年11月26日 朝刊
二〇一〇年度防衛予算に対する風当たりが政府・与党で厳しくなっている。弾道ミサイルへの対処として、地上配備型の迎撃ミサイルPAC3を追加配備する防衛省の計画には防衛計画の大綱という根拠を欠く上、費用対効果も疑問だという批判が続出している。
防衛省は概算要求でPAC3の追加配備として九百四十四億円を要求している。現在、PAC3は埼玉、岐阜、福岡の三高射群に配備されているが、これを北海道、青森、沖縄にも追加する方針だ。
これに対し、二十五日の基本政策閣僚委員会では、社民党の福島瑞穂党首が「的中率や有効性、それに費用がかかる」と異論を提示。岡田克也外相も二十四日、「防衛予算のかなりを占める」と指摘して慎重な姿勢を示した。
鳩山政権は新たな防衛計画の大綱の策定を一年先送り。中期防衛力整備計画も先送りで、一〇年度の防衛予算は基本方針を欠く空白期間となる。現大綱では、PAC3は三高射群への配備を記すのみ。あえて空白期間に追加を進めるなら、「国民にしっかり理解される説明が求められる」(岡田氏)という事情がある。
空白期間での巨額な買い物はほかにも。防衛省は退役する護衛艦「しらね」の後継にヘリ空母型護衛艦の建造費千百八十一億円を予算要求している。
だが、この護衛艦は排水量で「しらね」の四倍近く、全長二百四十八メートルという旧軍の空母並みの規模だ。福島氏は「予算窮迫の折、本当に必要かどうか検証すべきだ」と物言いをつけた。
防衛省は自衛隊の役割が多様化している現状から理解を求める考えだが、マニフェスト実現のための財源探しに躍起の鳩山政権には、防衛予算も聖域なく切り込むべきだとの意見は根強い。