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2009/11/25 No.509 週刊メールジャーナル 読者数11039(前回)
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●マスコミは対米従属報道から脱皮を!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』11月15日号より転載)
新聞、テレビなど、鳩山政権が発足してからの報道は、普天間基地問題などで
日米同盟関係に軋みが生じるとの観測記事を流し続けてきた。
最近も、連日、鳩山首相と岡田外相のそれぞれの発言を取り上げ、騒ぎ立てて
いる。
沖縄基地問題は、日米関係にとって重要な問題であるが、米国の知日派といわ
れる人たちの見解を一方的に報道し、国防総省筋の話も無批判に伝えている。
それこそ、自民党政権時代の対米従属の報道そのものではなかろうか。
参議院の審議でも、自民党の川口順子議員(元外相)が、自公政権で培った
“対米従属の作法”を延々と説き、鳩山政権の「ものの言い方に不安を感じる
」「日米安保体制についての言及がないことにビックリした」、そして、「辺
野古沖への新基地建設が唯一の選択だ」と言及、どこの国の議員の発言かと思
わせるような、対米一辺倒の発言で、鳩山内閣を批判した。
こんな人物を外相に指名した人の責任も大きいが、予算委員会の主力発言がこ
れでは、自民党の政権復帰など、当分ありそうもない。
外国のメディアでさえ、まともな評論がある。
英国フィナンシャル・タイムズ紙は、米軍普天間基地に代わる新基地建設を押
し付ける米側の姿勢を批評し、新たな日本の政権が徹底的に政策を見直すこと
を「ごく自然なことだ」と指摘、前政権が結んだ合意は、侵すことができない
という主張についても、オバマ政権自身がブッシュ政権時代の東欧のミサイル
防衛基地配備計画を見直したことを挙げ、「説得力がない」と断じている。
その上で、日本に圧力を続けることは、逆に「ワシントンが回避しようとして
いる事態を作り出す危険がある」と警告している。
米国のワシントンポスト紙も、オバマ大統領訪日に関し「日本に説教するやり
方は終わりにしなければならない」と指摘、先のゲーツ国防長官の発言が「多
くの日本国民に衝撃を与えた」と分析、一度の会見や圧力で、問題が解決する
ような時代ではないと論評している。
もちろん、ニューヨークタイムス紙ではないが、「日本は米国に冷淡」という
見出しで報じ「日米の民主党には共通の基盤がほとんど無い」とし、「共通基
盤を見つけられなければ、両国は協力の意欲を失い、中国など他のアジア諸国
により関心を持つことになるだろう」とも指摘している。
鳩山政権にとっても、発足後厳しい状況が続いており、選挙公約をスムースに
達成することは困難だ。
既に年末を控え、景気浮揚、雇用問題が緊急の課題になってきた。
菅副総理を中心に、二次補正を探っているが、亀井金融担当相の突出発言もあ
り、まとまっていないが、真に必要な公共工事などの発注が急がれている。
例えば、学校、病院などこれからも必要な施設の耐震工事、また、首都圏など
周辺で比較的土地の安い地域に、特養施設の新設など、新内閣の方向に合致で
きる仕事を具体化し、雇用を浮上させるなど方策が急がれている。
それにしても、何とはなしに閣内が不統一に見える。
それもやはり、平野官房長官の力量と調整能力の無さが、原因という見方が有
力である。
記者会見での記者クラブとの問題、さらには最も注目される内閣機密費への対
応は最悪である。
国民・有権者にとって、公約破りの最初の大きなテーマになっている。全てと
は言わないが、情報公開をするのが、新政権らしさではないのか。
労働貴族の匂いのある人物が官房長官になり、新たな官房臭をまき散らしてい
る。
かつて自民党政権が失敗したお友達人事を、鳩山首相が再現しているのではな
いかという指摘がある。
もし、平野官房長官が無能で、その人物像も信用されないというなら、鳩山首
相は即更迭すべきだ。
副総理の菅氏を官房長官にし、内政面を全て任せ、鳩山首相は外交、防衛など
大きな戦略に基づいた仕事に専心できれば、少しは首相らしい姿になれるので
はあるまいか。
オバマ大統領の訪日が、互いの日程などの問題がありながらも一泊二日で、中
国には三泊四日だと指摘する声がある。
かつて、民族派や自民党の一部では「日米中の関係が将来三角形になる」との
発言に、政治、軍事面での日米間の緊密度で、そんなことになるはずがないと
いう声が強かった。
しかし今や、米中で何もかも決めるのではないかという警戒心が強まっている。
大前研一氏の指摘ではないが、中国の外貨準備高は、今年9月末時点で前年度
比19.3%増、2兆3000億ドルに達し、日本の2倍以上になっている。
米国債保有残高も8000億ドル前後で、日本の6800億ドルを大きく上回っている。
また、世界の企業の時価総額ランキングで、中国企業が20位以内に5社がラン
クイン、トヨタ自動車は21位だという。
ますます巨大化する中国経済に、米国も日本もどうコミットするかが最大の課
題になっている。
オバマ大統領のアジア重視、中国重視はある意味では当然で、我が国は米国に
対して「日本を無視して、米中関係が本当にうまくいくのか」と、強硬に発言
するくらいの開き直りが必要なのではないか。
鳩山首相がもし新しい世界、アジアの情勢を正しく認識し、日米関係を従属か
ら対等へという覚悟を示しさえすれば、沖縄の基地問題なども時間をかけて、
新しい発想で交渉しても問題はない。
新聞、テレビなどの日本マスコミも、自公政権時代の長期化で刷り込まれてし
まった「米国への従属」報道を抜本的に見直すべきで、問われているのは変化
についていけないマスコミの責任なのではあるまいか。>>