★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK75 > 207.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.amakiblog.com/archives/2009/11/24/#001539
2009年11月24日
イラク戦争の検証作業に関する日英両政府の対応の、そのあまりの違い
11月24日の東京新聞のスクープに私は注目した。
スクープと言っても、その出自は22日付の英紙サンデー・テレグラフであるから公開情報を紹介したに過ぎないのだが、ニュースの重要性に着目したという点でのスクープである。
それは英国において24日から始まる「イラク戦争独立調査委員会」の公開証人喚問を前に、サンデー・テレグラフが、極秘の内部調査文書を暴露した、という記事である。
その記事によれば、
イラク開戦を半年以上も前に決断して戦争準備をしていたにもかかわらずブレア首相はそれを国民に否定して嘘をついていたこと、
開戦決意を軍隊にまで知らせなかった為作戦に不都合と犠牲が生じていたこと、
そして何よりも、イラク戦争後の復興策がほとんど作られていなかったこと、
などという唖然とした実態が、その内部文書には明らかにされているという。
今回の検証結果如何ではブレア首相の責任追及に及びかねない発展を見せるかもしれない。
ちなみに先日決定されたEU大統領について、当初ブレア前首相が本命視された事もあったが、イラク戦争の責任問題による反発がそれを阻んだと一部報道された。
イラク戦争の責任問題は、いまでも欧米ではそれほど大きな問題なのである。
04年にバトラー委員会に対してブレア首相を誤りを告発して辞職した英国の独立外交官カーン・ロスは、今年7月の私との対談の中で、この独立調査委員会について、それがすべて公開されればブレア首相に決定的なダメージを与えるだろう、しかしおそらくそこまでの公開はブラウン首相はしないだろうと、私に語っていた。
今はもうすっかりイラク戦争の事やサマワの事など忘れ、アフガンや普天間ばかりを取り上げる日本のメディア。
しかしイラク戦争は終わっていなかった・・・再びイラク戦争の悪夢が逆襲してくる予感がする・・・
この続きは今日の「天木直人のメールマガジン」で書いています。
●関連記事:「東京新聞」
英、準備不足で突入 03年イラク開戦 軍高官ら証言
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009112402000089.html
2009年11月24日 朝刊
【ロンドン=星浩】二〇〇三年三月に開戦したイラク戦争を前米ブッシュ政権とともに進めた前英ブレア政権が、機密保持を優先するあまり、ずさんな準備しかできず、復興策についてはほぼ手つかずのまま戦争に突入していたことが明らかになった。
二十四日から始まるイラク戦争独立調査委員会の公開証人喚問を前に、二十二日付のサンデー・テレグラフ紙が政府の内部文書を基に報じた。
同紙は、軍高官らへの聴取を基に書かれた内部調査文書などを入手。それによると、ブレア前首相は二〇〇二年七月に国会で、開戦準備をしているかについて問われ、明確に否定した。だが実際には、英軍が同年二月からフセイン体制の転覆のための大規模戦争の準備に入っていた。
ただ機密保持を優先させたため、大規模作戦立案にもかかわらず関与できるスタッフが極度に限定され、作戦計画は「一貫性も人的・物的資源の裏付けも欠いた」(内部文書)ものになったという。
このため、兵一人当たり実弾五発だけを持たされて作戦に投入された部隊が出たり、民間機への移動を強いられ、空港の検査で武器が没収されたというケースまで出た。後方支援も乱れ、砂漠の部隊にスキーが満載されたコンテナが届いたこともあったという。
さらに深刻なのは、軍事作戦後の安定化に不可欠な国家再建・復興策がお粗末だったこと。英外務省に復興計画立案班が結成されたのは、開戦のわずか三週間前だった。
内部調査に対し軍高官は「恐ろしいことに、復興策に外務省などが関与していなかった。軍はその危険性を警告したが、何の反応もなかった」などとブレア前政権を暗に批判している。