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http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-e165.html
内閣法制局はいりません。もちろん、長官もいりません。
どうも、小沢氏や民主党の言う「内閣法制局長官の国会答弁禁止」が、誤解されています。
センセーショナルにあおるマスゴミあり、「これは官僚批判の名を借りて、憲法の解釈を変えてしまおうという思惑では」という憲法学者あり、ブロガーありというふうですが、物事は正確に知る必要がありますよね。そして、誤解があれば解消する必要があります。
ということで、昨日も、書きましたが、きょうも引き続き「内閣法制局」について書くことにしました。
で、まず、誤解の発端となったのは、こちらのような内容のニュースと思われます。同じことを言っても表現によっては、誤解されたり理解されたりするもので、平野官房長官は、誤解を招きやすい方だとは思います。
憲法解釈「過去の法制局答弁にしばられず」 官房長官
平野博文官房長官は4日の記者会見で、鳩山政権が、政府の憲法解釈を国会で示してきた内閣法制局長官の過去の答弁にしばられないとの見解を示した。憲法9条などの解釈は、今後内閣が政治判断で行う考えも表明。鳩山由紀夫首相は同日夜、記者団に「法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしい」と述べた。
歴代政権は、内閣法制局の了解がなければ、事実上、憲法解釈の変更には踏み込まなかった。今回の発言は、憲法解釈も政治主導で行う原則を示したとみられるが、時の政権の都合で憲法解釈が安易に変更される恐れもある。
平野氏は会見で「これまでの法制局長官の憲法解釈には内閣はしばられないのか」と問われ「もちろんそういうことだ」「政治主導だから、政治判断で解釈していく」と述べた。
集団的自衛権の行使を違憲とするこれまでの政府解釈については「現時点では過去に解釈されたことを踏襲する」と述べた。一方で「踏襲はするが、無条件で内閣はしばられないということか」と問われると、「もちろん」と答えた。解釈変更の可能性については「世界情勢が大きく変わったときにはその時点で判断する」と述べた。
集団的自衛権については首相も2日の衆院予算委員会で「当面、解釈を変えるつもりはない」と述べ、「当面」との留保をつけている。
首相は4日夜、記者団に対し、「(憲法解釈を)変えるためには極めて慎重じゃなきゃいけない。変えるためには当然、国民的な世論というものもしっかり見定める必要もあると思う」とも述べた。(金子桂一)
まず、こことかここで、内閣法制局について書いたので、ぜひ読んでいただければと思います。
何か法案を国会へ上程しようとすると、その法案が憲法にそっているか憲法上どう解釈されるかということが吟味されてからになりますが、今までの自公政権下では、法の作成は各省庁、吟味は内閣法制局とすべて官僚まかせでした。
内閣法制局というのは、各省庁から上がってきた法案を法案としてふさわしい文章になっているかなどチェックする機関です。もちろん、ここで、憲法に合致しているかどうかもチェックされます。ま、官僚が作った法案を官僚がチェックするということで、官僚に都合のいい憲法解釈が行われ、法案が完成されていくわけですね。
小泉政権時代に、次から次へと、国民切り捨てや負担増(定率減税廃止、住民税増税、障害者自立支援法、後期高齢者医療制度、裁判員制度等々)が成立しましたが、このような法案を次々と成立させることになったのは、小泉政権が官僚の言いなりになったからにほかなりません。
もとより、自公議員に法案作成能力はなく、法案作成を支える国会の法制局も貧弱ときていて法を作成する体制もない状態ですから、法案作成審査はすべて官僚に依存していましたが、この小泉政権に至っては、郵政民営化衆院解散総選挙で、郵政民営化反対の立場を貫いた老練な自民党議員を刺客にて追い落とすという愚挙をしでかし、かわりに小泉チルドレンという政治のイロハもわからぬ素人83人を衆院に迎え、3分の2の議席を占めたわけで、こんなジミントウ衆愚員を相手にした、官僚さまは、次から次へと悪法を楽々と通したわけですよ。郵政民営化法案(竹中平蔵氏+ゴールドマンサックス作か?)以外は、すべてが、各省庁の官僚さまが作成した悪法であると私は確信しています。
小泉政権下で、国民は、約2.7兆円の負担増となりました。製造業にも派遣を認めましたから、1000万人ものワーキングプアが発生しました。今は、仕事すらない失業者があふれる社会となりました。自殺者は、毎年3万人以上に上ります。
国民にこのような辛苦を味あわせている法案は、人の権利を侵害する憲法違反としか思われませんが、内閣法制局で、審査を受けて、可決成立しているという事実を見てください。各省庁が省益のみ追求して、国民から収奪を行ったものです。
「行政局長官答弁の禁止」を「これは官僚批判の名を借りて、憲法の解釈を変えてしまおうという思惑では」と、不安をしきりにあおっている人々がいますが、私たち国民は、内閣行政局が審査し成立した法で苦しめられているのです。この人たちは、行政府でありながら立法行為をしていて実際に国民に辛苦を味あわせている人であるにもかかわらず、身分は公務員ですから私たちには辞めさせることができません。もちろん選挙で落とせるわけでもありません。しかし、このように悪政を行っているのが政権なら、選挙によって、落選させることができます。小泉政権後、次々と政権放り投げ世襲首相が現れ、最後はしつこく解散しない粘着タイプが居座っていましたが、ついに選挙で、国民は、自公政権を降して、民主党政権を誕生させました。しかし、行政府が立法を行う体制はそのまま残っているのです。
そこで、小沢氏は、当面「内閣法制局長官の答弁禁止」とし、ゆくゆくは、「内閣法制局」自体を廃止する方向で考えているのです。
これって、ごく、当然なことではないでしょうか?
内閣法制局というのは、端的に言えば、「官僚の官僚による官僚のための政治」を行うためにある機関です。そんなものはいりません。
国会法を改正して内閣法制局長官の国会答弁を封じるは、当たり前ですね。
「内閣法制局は「法の番人」とも呼ばれる。法理を駆使して、ときの政府の意向をかなえる知恵袋の役を果たす一方で、例えば海外での武力行使をめぐって「憲法9条の下ではできない」との見解を守り続け、憲法解釈に一定の歯止めをかけてきた。」なんてことを書いてある記事もありましたが、小泉政権下で、イラク特措法は、戦闘地域ではないかとの論議のある地区に陸上部隊を派遣しましたし、テロ対策特別措置法は、海上自衛隊がインド洋(公海)に派遣され、護衛艦(イージス艦)によるレーダー支援や、補給艦による米海軍艦艇などへの給油等の後方支援が行われ、事実上、集団的自衛権は行使されました。
小泉政権が、いち早く米国の戦争方針に賛成したという面はありますが、もとより、官僚は米軍を利用した国民支配を行っていますから、渡りに船と感じたのかもしれません。そして、これらの法は、もちろん、官僚が作成し、内閣法制局が審査したということになります。
まぁ、法作成とか審査とかを行政官に丸投げというか奪われたままというのが、今までの自公政権ですね。このまま、官僚にまかせっきりでいくと、戦前官僚が暴走して日本国民を泥沼の戦争に引きずり込んだと同じことが起きる可能性は大きいでしょう。外務省は、米軍と「核密約」をして国民に秘匿していたのですよ。
このように今までどおりに、官僚に法案作りを任せておくのか、それとも、私たちが選んだ政治家に任せるのか、どっちがいいですか?官僚が法案作りをするのなら、私たちが政治家を選ぶ意味などないですが。
さらに、小沢氏は、もっと、先のことを考えていますね。米軍が日本から撤退したときの時のことです。
その時をみすえて、憲法9条は見直しますか?そのままにしますか?それは、私たち国民が考えて決めることですよ、とおっしゃっているのですよ。小沢氏が、9条を改憲しようだなんて考えているのではないのです。改憲するも改憲しないも私たち国民の意思ですよということです。
私は、小沢氏や民主党の言うように、「内閣法制局」はあってはいけないものだから廃止するのが、当然と考えますし、廃止されるまでは「内閣法制局長官の国会答弁禁止」措置がとられるのは、もちろん、当然だと考えます。
2009年11月21日 (土)