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平野貞夫の国づくり人づくり政治講座 第38号 2009年11月20日発行
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『 鳩山政権発足60日目 』
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鳩山内閣は平成21年度予算の財源をつくるため、各省庁の事業仕分けが本格化
した。
「行政刷新会議」という、内閣の目玉イベントが始まった。やり方の賛否に議論
があるが、根本的なことで問題がある。
まず、この作業は予算編成そのものではない。予算編成の参考にするためのもの
である。テレビ中心にマスコミに公開しているため、マスコミ的には大好評で、
マスコミが誤って予算編成そのものと報道し、削れ削れの合唱となっている。
また、仕分けチームも、まるで特捜検事ばりに責任追求の姿勢に終始している。
しかし、削ることのシナリオは事前に財務省主計局がシナリオをつくり、仕分け
のガイドラインがあるといわれている。
仙谷行政刷新会議担当大臣は「革命的な政治が始まった」と胸を張っているが、
そうだろうか。問題のいくつかを指摘しておく。
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『 鳩山内閣の最大の問題点 』
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現在、鳩山内閣の最大の問題は、国民の生活を守る諸政策を実現すると、同時に
深刻化する経済不況を回復させる政策を速やかに実行することだ。そのためには
、
国民や経済界に将来の不安感を持たせないことだ。鳩山内閣は自公政権と違って
、
何年先には経済をこれだけ回復させ、国民生活をここまで安定させるという目標
を掲げておくべきだ。
マニフェストに掲げている、というだろうが、そこが問題だ。マニフェストは民
主党が総選挙で公約したもので、鳩山内閣のものではない。マニフェストを踏ま
えた鳩山内閣の方針は何ら提示されていない。政権というものは、現実政治と与
党のマニフェストの調整によって動かすものだ。まして政権を交代させたのだ。
本格化した事業仕分けで、「削れ削れ」が合唱として報道され、国民の中から
「鳩山内閣は不況をさらに悪くする政治を意図的にやるのか」
という悲鳴が上っている。しかも、削る手法は主計局の官僚の操り人形である。
政治家の仕分け人は、すっかり官僚の顔つきになって、これでは官僚政治打破ど
ころか政治家の官僚化現象といえる。
民主党はマニフェストで、16兆5000億円の財源をつくることを公約して、
議員任期の4年間での政策工程をつくり、国民に支持された。私は16兆500
0億円の財源確保について、当然に、「基本的事業仕分け」はできていると理解
していた。これだけの大事業、それこそ革命的プロジェクトを成功させるには、
大胆な発想と総合的知恵が必要となる。
大事なことは、自民党政治で続けられてきた基本政策の構想を改革して、経済の
動向に影響を与えないで予算を削減できるものをテーマにすべきだ。こういうも
のをどうして事業仕分けの対象にしないのか。その点、行政刷新会議側は不勉強
だ。一時的人気取りのパフォーマンスで、小泉無責任政治と同じものだ。国民を
馬鹿にしているとしかいえない。現在行われている事業仕分けは、テレビなんか
入れずに政治家が各省に指示命令して処理できるものだ。マスコミを利用する覚
醒剤政治は亡国の道である。
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