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2009年11 月17日 (火)
抹茶アイス−オバマ大統領の来日、食事会での1コマ
オバマ大統領が訪日されました。会談の中身については、新聞でも報道されていますし、それ以上のことは私の口から申し上げるわけにはいきませんので、その周辺のことについて、若干お話ししたいと思います。
会談は1時間20分ほど行われましたが、私とヒラリー・クリントン国務長官のときと同じように、様々なテーマについて、非常に良い雰囲気の中で行われたと思います。
もちろん、普天間基地といった2国間の問題もありました。しかし、それ以外に、アジア太平洋における両国関係、両国の協力できる問題ということで、イランやミャンマーの問題、あるいはASEAN(東南アジア諸国連合)全体の問題、そして地球温暖化や核の問題など、様々な論点で議論が行われました。
私は、鳩山総理の隣に座っていましたが、首脳会談というのは両首脳自身が話を進めていくので、私以外の各大臣も含めて、特に出番があるわけではありません。
ただ、私の仕事として、鳩山総理の発言などで、もし正確でない誤解を招くようなことがあれば、そのときにちょっとアドバイスをするというのが私の役目だと思いますが、幸いにして今回もそういう必要はありませんでした。
ただ、時間だけは少し気になりましたので、50分ほど経ったところで「あと10分です。しかし、気候変動と核の問題について、まだ触れられていません」ということをメモで渡しました。
そこから、そういった問題について議論が始まり、結果的には1時間20分と少し時間をオーバーして、議論が終わりました。
会談が終わりまして、人数を少し絞って、双方で確か12人くらいだったかと思いますが、食事が始まりました。
総理の公邸を使っての食事会になったわけですが、そこでオバマさんが最初に持ち出したのは、子どもさんの話。総理に対して――総理のお子さんはモスクワにおられるわけですが――そういう話から切り出されて、非常にアットホームな感じで、そういう家族の話あり、あるいは選挙の話あり、スポーツの話あり、和気あいあいと会話は進んで行きました。その会話に、私も一部参加させていただいたわけです。
最後に、非常に印象深い出来事がありました。つまり、最後のデザートになって、抹茶アイスクリームが出ました。実は、これは鳩山総理のアイディアだったわけですが、その抹茶アイスクリームを見た瞬間オバマ大統領が、「これは、何だ。これはアイスクリームか」と聞いたわけです。
「そうだ」と総理が答えますと、大統領はそれを1口食べて、「自分は5歳のときに日本に来て鎌倉に行った。そのときに、この抹茶アイスクリームを食べたことを覚えている」と、こう言われました。
それから、鎌倉の大仏を見た話。それから、場所は分からないのですが、きれいな湖があって、そこで過ごしたことなどを言われました。おそらく芦ノ湖ではないかという話になったのですが、抹茶アイスクリームを見た瞬間、フラッシュバックのように、5歳のときの過去の様々な思い出が蘇ったという感じで、オバマさんは翌日のサントリーホールで行われた演説でもその話に触れたわけですが、なかなか味なことを総理もやられたなという感じです。
首脳会談というのは、もちろん様々な難しい問題について、ときには緊張感をはらみながらしっかりと議論するのが通例ですが、身近な抹茶アイスクリームなどが登場したりして、そういう人間的な側面もあるということを、今日はお話したかったわけです。