★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK74 > 870.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
法制局長官の答弁禁止 際立つ与党内対立(東京新聞)
2009年11月16日 朝刊
政府の憲法解釈を担ってきた内閣法制局長官の国会答弁をめぐり、与党内の対立が際立ってきた。民主党の小沢一郎幹事長は法制局長官も禁止対象にしたい考えだが、社民党は、法制局長官を“口封じ”する真の狙いは、解釈変更による事実上の改憲路線にあるとみて警戒を強めている。
内閣法制局は政府提出法案について、他の法律との整合性をチェックする機関。中でも最高法規である憲法との照合は重要で、憲法をめぐる法制局長官の国会答弁は政府の憲法解釈とみなされる。
政治主導の国会論議を目指す小沢氏は、官僚の国会答弁を禁じる国会法改正を提唱。とりわけ法制局長官について「まさしく正真正銘の官吏。制度ができれば委員会に参加できない範囲の人だ」と答弁禁止にこだわっている。
小沢氏が本部長を務める党政治改革推進本部の素案でも、本会議や委員会に出席できる「政府特別補佐人」から法制局長官を削除すると明記した。
背景には、小沢氏が自民党幹事長だった一九九〇年のイラクによるクウェート侵攻に始まる湾岸戦争時の苦い経験がある。
当時、米国が日本に多国籍軍への協力を求めたが、集団的自衛権の行使は違憲とする内閣法制局の憲法解釈が障壁に。小沢氏は国連決議に基づく協力なら自衛隊派遣は可能と主張し「国連平和協力法案」を策定したが、従来の政府解釈との矛盾を攻撃されて廃案になった。小沢氏には、法制局が政治家による判断を縛っているとの問題意識がある。
これに対し、護憲を党是とする社民党は、法制局長官の答弁を強く擁護。重野安正幹事長は「内閣の憲法観を体現する立場の人。要らないとは一体なぜか」と疑問を示す。
同党には、来年夏の参院選で民主党が参院でも単独過半数を握った場合、小沢氏が憲法解釈の変更に動くのではとの不安がある。法制局長官の国会での発言機会が封じられればブレーキをかけにくくなると反発の声を上げている。 (三浦耕喜)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009111602000073.html