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札幌、函館と連続講演も終わり北海道を後にする。滞在中はずっと雨だったが、今朝はよく晴れていた。昨夜のシンポジウムは民主党の逢坂誠二衆議院議員と、北海道大学の中島岳志准教授らとの間で行われた。中島さんとは初めて会ったが、若手政治学者として歯切れがよく鋭い分析と批評をハイスピードで議論を進める姿には好感を持った。逢坂さんは新政権で「地域主権」を担当するとのことで、総務省でも顔をあわせている。 今日は国会運営で心配していることに触れて見たい。「強行採決はしたくない。国会延長やむなし」と語っていた民主党の山岡国会対策委員長だったが、「会期内で法案を処理し、延長はしない」という方針に変わり、強硬な姿勢で臨時国会の後半日程に臨むと報道されている。8月30日の総選挙で、与野党の3分の2の勢力が入れ代わった。そして、衆議院では社民党・国民新党も含めて「巨大与党」を形成している。もし、力づくでということなら安倍内閣が16回も強行採決を繰り返して07年通常国会のような、野党を蹴散らすブルドーザーのような運営も不可能ではない。 07年の参議院選挙で、自民党が惨敗した理由は「年金記録問題」と言われるが、その裏には「憲法改正」を掲げながら「強行採決」という議論を力で封じる実力行使のオンパレードに対する忌避感覚があった。また、参議院で与野党逆転という民意が示されたにもかかわらず、福田・安倍内閣が常套手段とした「3分 2再議決」も評判が悪かった。世論のアンテナは国会でのひとつひとつの議論にもまして、全体として「ていねいに議論を尽くしているかどうか」の状況をよくとらえてきた。 新政権が発足して初めての臨時国会で、かつての自民党が繰り返してきた「強行採決」の姿がテレビで報道されるようなことが続けば、世論は急速に冷めてしまう。私たちは、安倍政権に対して強行採決に抗議し、「民主主義とは議論を尽くすこと」と自民・公明の数の奢りを厳しく戒めてきた。 国会の運営は時間と手間がかかるものだ。新政権がスタートして2カ月、いくつかの分野で画期的な取り組みが行われているが、いずれも「内閣の政治主導」と呼ばれる分野からだ。政権交代をしたら国会がどう変わるか。政治の質がよくなるのか、劣化するのかが問われている。委員会の開催に熱心でなくなり、与党は質問を減らして国会の会議録の分量が、半減するようではいい政治とは言えない。 自・公連立時代に国会の審議は、極端に短くなった。今回は、与野党が攻守所を変えるのだから、慣れない自民党がどこまで法案審議で食い下がるのかは未知数だが、与党理事がしっかり法案審議を尽くすというルールを確立出来るかどうかに注目したいと思う。 また、国会法が規定する内閣に対して議決する「国政調査権」の発動などが活発に行われ、国会の行政監視機能が活発に使われるかどうかも見どころだ。これまで野党で政権の腐敗や、デタラメを追及してきた与党がイニシアティブを持ってもらいたい。 国会での多数党は、今回のように圧倒的に数の差が開いていれば、何でもやれる。野党の言い分は聞き流し、あとは「採決」を多数意見で押し切ればいい。究極の結論の出し方が「強行採決」である。このやり方は、一度やると感覚が鈍麻して、抵抗がなくなるという特質も持っている。事実、07年の自・公議員は「新方式」と呼んで与党だけの片肺審議で機械的に採決することをニヤニヤしながら評価していた。 同じことになるとは思わないが、「数の奢り」を戒めよと言ってきたかつての仲間たちが、冷静な運営を志すことを期待してやまない。 |