★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK74 > 746.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/199320.html
社説
アフガン支援 民生軸に日本の役割を(11月11日)
鳩山由紀夫政権がきのうアフガニスタンへの新しい援助策を決めた。民生支援を柱に5年間で50億ドル(約4500億円)を拠出する大規模なものだ。
鳩山首相は海上自衛隊によるインド洋での給油活動を来年1月で停止する方針だ。その代替策と位置づけている。自衛隊派遣にこだわらず、日本にふさわしい国際貢献策を探る姿勢を評価したい。
給油活動は2001年の「9・11テロ」後に米国主導で始まった対テロ戦争の後方支援だ。米国はじめ補給先からは歓迎されてきた。
だが最近は実施回数が減り、10月は1回のみで終わったという。
この活動について、民主党の小沢一郎幹事長は代表時代に憲法違反だと指摘した。連立相手の社民党も派遣に反対の立場だ。根拠となる新テロ法の期限切れを機に、新政権があり方を見直すのは当然だろう。
新支援策は《1》元タリバン兵士の職業訓練《2》元兵士の就労先確保にもつながる農地開発《3》全警察官約8万人の給与半額負担−など治安対策に結びつく分野に重点が置かれた。
注目したいのは元兵士の職業訓練だ。アフガンでは生きるためにタリバンに参加する例が多いとされる。そうした人々に社会復帰の機会を与え、長年の戦いで深まった国民の亀裂を修復し和解を促す狙いだ。
アフガン本土に自衛隊を派遣してこなかった日本こそが担いうる民生安定化策だと言えよう。
支援総額は日本が過去に拠出を表明した20億ドルを大きく上回る。パキスタンにもすでに2年間で10億ドルの支援を約束しており、財政が逼迫(ひっぱく)する中で思い切った対策となる。
それだけに責任を持って実効を上げていくことが求められる。
政府は国連機関や国際協力機構(JICA)を通じて支援を実施する方針でいる。ただ10月にカブールの国連施設がタリバンに襲撃されて以来、国連は現地から外国人スタッフを退避させているのが実情だ。
カルザイ政権の正統性も先の大統領選挙で大きく傷ついた。状況は厳しいと言わざるを得ない。
問われるのは鳩山政権の外交力である。日本の施策を国際社会に訴え具体的成果を得るための協力態勢を構築する。その努力が不可欠だ。
首相はきのうオバマ米大統領と電話会談し、13日の会談でアフガン問題を話し合うことを確認した。その後はアジア太平洋経済協力会議(APEC)があり、下旬には東京でアフガン支援の国際会議も開かれる。
あらゆる機会をとらえて各国の理解を求め、新たな民生支援策を日本の国際貢献のモデルとする意気込みで取り組んでほしい。