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2009.11.07
米上院 海兵隊グアム移転費7割減 「普天間」影響か
http://www.kamiura.com/whatsnew/continues_222.html
カテゴリ米軍再編出典 読売新聞 11月6日 夕刊
記事の概要
米上院が2010会計年度の軍事施設建設に関する予算案の審議の中で、在沖海兵隊の8000人がグアム移転に伴う経費で、オバマ政権が要求していた約3億ドルのうち、約7割にあたる2億1千万ドルを削減していたことがわかった。
米議会は10月下旬に成立した国防予算権限法では、約3億ドルの予算枠を認めていた。
10月に来日したゲーツ国防長官は、会談した北沢防衛相に「普天間移設の道が閉ざされるようなことがあれば、米議会は海兵隊のグアム移転予算をみとめないだろう」と、懸念を表明していた。
予算法案は今後、下院などとの協議で修正される可能性はあるが、今回の米上院の対応の背景には、鳩山政権が普天間移設問題の決着を先送りしていることを踏まえ、米議会がグアム移転費の予算化に慎重になっているとみられる。
コメント
この記事は昨日の夕刊だが、今も気になってしかたないのでコメントさせて頂く。
この記事で上院がグアム移転費を削減した背景は、連動する在沖海兵隊のグアム移転に関して、鳩山政権の普天間移設問題が先送りしたと書かれていることである。
私はそうとは思わない。この上院の判断には、今年6月4日の上院軍事委員会公聴会で、米海兵隊の制服トップであるコンウェー総司令官(大将)が、グアム移転を見直す余地があると発言したことと関連していると思う。(数日後に発言を撤回した)
鳩山政権が誕生する前に、海兵隊総司令官が上院軍事委員会で「グアム移転を見直したい」と証言しているのである。この重要性を指摘したい。
そのコンウェー総司令官の真意を知りたくて、私がグアムに行ったことはすでに何度も書いた。そして海兵隊移転予定地の狭さと、基地としての環境の悪さに愕然としたのである。
私もグアムに行って現地を見なければ、そのようなことに気がつかなかったと思う。だから上院のグアム移転予算の大幅削減を、鳩山政権のせいにするのは間違いと指摘したい。
ゲーツ国防長官は上院の来年度予算で、グアム移転費用が大幅削減されることを知り、そのため来日して普天間飛行場の代替えにキャンプ・シュワブ沿岸基地建設を急ぐことを強く求めたというのが私の推測である。
話の順番が逆なのである。
在沖海兵隊の行き先は米本土(カリフォルニア州ペンドルトン基地)に主力を戻し、第3海兵師団(司令部 沖縄)を第一海兵師団と統合する案しか選択肢がなくなる可能性が高くなる。
だが、湾岸戦争(91年)では沖縄の海兵隊は第1海兵師団司令部の指揮下に入って湾岸で作戦を行っている。在沖海兵隊は朝鮮半島以外の作戦では、第3海兵師団独自の部隊として活動していないように思っている。
今は、なんでも鳩山政権の普天間移設の問題と絡めて日米軍事同盟を語る傾向があるが、区切る必要があるときは、はっきと区切ることも重要である。
ーーーーーー
本日(7日)の読売新聞 朝刊でも、この問題を大きく特集で扱っている。是非、皆さんもこの記事を読んで私のこのコメントと比較して頂きたい。
2009.11.11
米軍F15戦闘機 嘉手納の半数 三沢移転 F16撤収 対中即応力は低減
http://www.kamiura.com/whatsnew/continues_227.html
産経新聞 11月11日 朝刊
記事の概要
米政府は米軍嘉手納基地に展開するF15戦闘機の半数(24機)を、三沢基地(青森県)に移転させる構想を日本側に打診していることが10日、わかった。
三沢に配備されている約40機のF16戦闘機はすべて米国に撤収する。
この構想は来年2月に米政府がまとめる「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」で検討されており、極東地域の安全保障環境に大きな影響を与える可能性がある。
政府内には嘉手納基地のF15が半減された場合、岡田外相らが模索する普天間飛行場の嘉手納統合案を後押しする見方もある。
ただ、米軍には嘉手納のF15を減らしても、空軍戦闘機と海兵隊のヘリでは同時運用は飛行高度が異なることから、普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊の移転に応じないとみられる。
嘉手納のF15を半減すれば、南方で海軍力強化を進める中国軍への即応能力は大幅に低下するため、米側が嘉手納基地に自衛隊F15部隊と共同使用などを求める可能性がある。
米軍は現在、米軍の配備をアフガンに振り向け、極東などでの戦力削減を進める流れにある。
ただ、米軍内には嘉手納基地のF15削減について、「中国に誤ったメッセージを送る」との慎重論もある。
コメント
嘉手納の米軍F15戦闘機を半減しても、中国に誤ったメッセージを送ることにはならない。そのため極東における米軍のプレゼンスを下げなければよいのである。
極東の米軍がプレゼンスを下げないまま、今の米軍の前方展開戦略を変更して、グアム、ハワイ、米本土の基地に撤退しても、極東で軍事的な力を維持させるのが米軍再編の”本意”である。
そのため、米空軍は高速・長距離機動展開能力の向上や、韓国や日本の軍事基地の使用効率を高める再編計画を練っている。
その結果がこの変更(再編)なのである。基本的には、北朝鮮が消滅すれば三沢基地のF15(24機)と嘉手納基地のF15(24機)も、日本から全機撤退すると思う。嘉手納のF15機の半数を三沢に残すことは、三沢のF16全面撤退で北朝鮮に誤ったメッセージを送らないためである。
そのかわり北朝鮮なきあと、米空軍機は日本の空自基地である千歳、三沢、百里、新田原、嘉手納基地などに飛行部隊(整備チームも)ごと、定期的に飛来し、航空自衛隊と巡回共同訓練を繰り返すことになる。(韓国軍も米空軍機と巡回訓練)
また空自部隊も、アラスカ、グアム、米本土などに行き、日本ではできない電子戦訓練や異機種戦闘訓練などを行う。よって日米の軍事同盟関係は強化される。
それだけで極東における米軍のプレゼンスは低下しないのである。だから中国に誤ったメッセージを送ることにならない。
また、中国海軍の空母建造が話題になっているが、仮に中国の空母が完成しても、中国が適切な空母運用が出来るのはさらに20年ぐらいが必要で、また実際の作戦で空母が使えるのは、海南島の中国空軍機が上空をカバーできる南シナ海ぐらいのものである。
親善目的の訪問航海以外で、中国の空母が東シナ海に出てくれば、自衛隊や米軍の格好の訓練用標的でしかない。
ただ嘉手納基地には3,689メートルの滑走路が2本あるが、ここで戦闘機などの固定翼機とヘリ部隊の共同運用が難しいなら、隣接する嘉手納弾薬庫跡地に普天間飛行場のヘリ部隊を移設させることも可能だ。
ちなみに嘉手納基地の面積は19,950千uだが、嘉手納弾薬庫は27,288千uという広さがある。
米軍の弾薬庫は、JーDAM爆弾や巡航ミサイルなど精密誘導兵器の普及で、貯蔵される弾薬量が激減している。今は嘉手納弾薬庫ほど広い面積は必要がないというのが私の意見である。
嘉手納基地統合案なら、米軍機の全機撤退に備えた配置で、自衛隊が嘉手納基地に移動して、現在の那覇空港の旅客機運航枠拡大が可能になる。
普天間飛行場の危険を除外するため、嘉手納弾薬庫の一部に海兵隊のヘリ部隊を移設する統合案をぜひ理解してほしい。米軍が拒否理由にしている軍事的な合理性も不都合はない。
基地のない豊かな沖縄を作るための過渡的な措置と考えて欲しいと思う。このままでは沖縄は豊かで平和な島にならない。