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>行政の無駄使いとは即、国家公務員の総人件費の削減問題
まったく同感だ。
無駄な事業の削減も必要なのだが、公務員人件費の削減なき事業切り捨てでは、
単に民間に流れるカネが減るだけで、民間全体で見ればマイナス面も大きいと言える。
公務員人件費に手を付けない「事業仕分け」など茶番である。
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インタビュー:鳩山政権に5つの不安材料=田中秀征氏(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-12422920091112?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0&sp=true
[東京 12日 ロイター] 元衆議院議員の田中秀征氏(元経済企画庁長官・現福山大学客員教授)はロイターのインタビューに応じ、鳩山政権には5つの不安材料があると述べ、政権の根幹といえる行政改革や官僚改革で譲れば一気に失速すると警告した。
政権交代前から抱いていた鳩山政権への不安は現実になりつつあるとし、こうした状況が続けば来夏の参院選での過半数割れの可能性も十分あると指摘。その場合には政界は流動化すると見通した。
田中氏が挙げる政権の不安材料は、1)経済の中期ビジョン策定が遅れたこと、2)行政改革・官僚改革の揺らぎ、3)米軍普天間基地移設問題での迷走と重要課題への対応スタンス、4)小沢一郎民主党幹事長が政権基盤を実質的に握る「小沢肩車内閣」であること、5)鳩山首相の献金問題──の5つ。「5つの暗雲が垂れこめている」と述べた。
田中氏は93年に自民党を離党し新党さきがけを結成。同年に誕生した非自民政権の細川護煕内閣で首相特別補佐を務めた。民主党中心の鳩山由紀夫政権は1955年の自民党結党以来2度目の非自民政権だが、圧倒的な支持を背景に長期安定政権となり得るか問題点を聞いた。インタビューは10日夕に行った。
インタビューの概要は以下の通り。
──鳩山政権の評価は。
「不安材料がいくつかある。第一が経済運営。中長期のビジョンが示されていないこと。経済の現状は『小春日和』で良いとは言えない。政府は回復基調にあるとしているが、それも歴史的な短期間に終わるのではないかと心配している。年末には息切れするのではないか。直接的には鳩山政権の責任ではないが『鳩山不況』と言われ政権を失速させる材料になる。
にもかかわらず、経済運営についてひとつの方向性を示して走っているという印象がない。早期に中長期のビジョンをパッケージにした『経済5カ年計画』をたてるべきだと言ってきた。10月に着手しておけば、年明けに中間答申が可能だった。早期に始めていれば、国家戦略局の立ち上げそのものが早まったし風が吹いた。もう遅い」
──2番目の不安材料は。
「行政改革と官僚改革に黄色信号というより、赤信号が灯っている。行政刷新会議がいまやっていることは『行政の無駄使いをなくす』ではなく、財政改革だ。行政の無駄使いとは即、国家公務員の総人件費の削減問題であり、公益法人に無駄な補助金が流れている問題で、行政改革とは人件費や行政経費など行政と政治のなかで使われるカネの無駄をなくすこと。そこに手がつかず、納税者に還元される政策費を削っている」
「問題は財務省と各省庁の力関係(の変化)。シーソーをイメージして欲しい。相手を国交省としよう。かつては財務省のほうが少し重かったが十分戦えた。なぜなら、国交省側に族議員・業界団体・自分の財布である特別会計の3つの重石がのっていたためで、これで均衡がとれた。今その3つの重石が取れ、財務省側が極端に重くなった。そして民主党全体が財務省の族議員になっている」
「しかし、行政改革や官僚改革となると財務省も患者だ。医者ではない。もっとも重症患者である。しかし、いまは財務省と鳩山政権が医者となって各省にメスを入れている。一緒に手を組んでやってきた医者の仲間にメスを向けられるのかという問題がある。その象徴が大蔵省の大物事務次官だった斉藤次郎氏の日本郵政社長人事だった」
──斉藤元大蔵次官を日本郵政社長に充てた人事は、天下り根絶を掲げる民主党政権の主張と矛盾するが。
「天下り解禁宣言だ」
──財政運営はどうみるか。新規政策実現には無駄を排除して充てるとしながら、来年度予算の概算要求は過去最高に膨らんだ。財政規律に対するスタンスに甘さはないか。
「財政規律に対する甘さはあるが、それを財務省が許している。自らの権益にメスを入れないために許している」
──3番目の不安材料は。
「米軍普天間基地の移設問題。この問題で露呈した鳩山首相の対応・手法の問題だ。情勢をみて先送りしているうちに全ての選択肢を台無しにしてしまった。普天間問題では、1)自民党政権時代の合意である辺野古沖への移設、2)米軍嘉手納基地への統合、3)県外・国外移設、4)現行のまま──の4つの選択肢があったが、そのどれも出来なくなった。(鳩山首相は選挙中に県外移設を唱えていたが)県外というのであればメドをつけて言うべきである。民主党も政権をとる前になぜ、このような基本的な問題について意見のすり合わせと代替案を詰めないのかと思った。重要課題への対応について、どう決断するか決めていないことが問題で、迷っているうちに選択肢をなくしてしまった」
──他の不安材料は。
「小沢一郎問題。現政権は『小沢肩車内閣』といってよい。もうひとつ、私自信の関心は高くないが鳩山首相の献金問題」
──辛口の論評が続いたが鳩山政権は長期政権になりえるか。
「4年間、総選挙をやらなければいい。ただ、その間に、参院選で(与党が)過半数を割ることは十分考えられる。その場合は政界は流動化するだろう」
「鳩山さんには頑張ってもらわないといけないが、既に相当黄色信号が灯っている。辛口になるのは心配したことが現実になっているからで、日本郵政社長人事が拍車をかけた」
──内閣支持率は依然7割弱と高い。
「民主党に対する支持は広いが強くない。支持の『広さ』は投票結果や世論調査にもでるが、支持の『強さ』は出ない。政治を動かすのは支持の強さ。支持を強くするには、もっと明確で正しいメッセージを送らなければならない」
「小泉首相は支持が強かった。だから『人生いろいろ』と、とぼけたことを言っても支持が動かなかった。細川さんも支持が強かった。細川人気が圧倒的に強かったから、小沢氏率いる8党会派をコントロールする力を持っていた。しかし、鳩山首相個人の人気は低い」
「自民党の不人気に支えられている部分もあるが、鳩山政権が行政改革や官僚改革など基本的なところで譲ると政権は一気に失速する」
(ロイターニュース 吉川 裕子)