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2009/11/12 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/100205
「沖縄の負担軽減」を口にするだけで一向に具体策を示さない民主党政権に、沖縄県民の怒りが爆発した。7日に嘉手納町で2500人の抗議集会が開かれたのに続き、8日は宜野湾市での集会に県民2万1000人が集まった。
そこで出たのが「来年1月の名護市長選の結果を見たい」などと、とぼけたことを言う鳩山首相に対する怒りだ。
「沖縄県民は何度、民意を表明すればいいのでしょう。総選挙では沖縄県内の4選挙区ですべて現行案(辺野古埋め立て案)に反対する候補が当選した。最近の琉球新報の世論調査でも現行案反対が67%、嘉手納統合案反対も72%、県外・国外移設賛成が70%です」(地元紙記者)
民主党がやるべきことはグズグズ結論を先延ばしにすることではなく、選挙公約の通り、普天間基地の県外・国外移設を実行に移すことなのである。
米国や大マスコミは今さら代替地を見つけるには時間がかかるし、日米関係にもヒビが入ると脅すが、真っ赤なウソだ。ウルトラCの候補地だってちゃんとある。「砂上の同盟 米軍再編が明かすウソ」を書いた沖縄タイムスの屋良朝博記者は、同書の中でこんな衝撃的な事実を紹介している。
米軍再編の日米交渉に関わった米外交官は、普天間移設先として佐賀空港が「ナイス・ロケーション」と判断し、日本政府に提起したというのだ。「佐賀空港は発着便が少ない。周囲に住宅もない。沖縄の普天間飛行場を移転するのにもってこいだ」と米外交官は言ったという。
世界中に出撃する海兵隊は、沖縄の基地から単独で行くのではなく、まず佐世保港(長崎県佐世保市)から強襲揚陸艦が沖縄に出発、沖縄で海兵隊を乗せて目的地に向かう。朝鮮半島で有事の場合、佐世保から沖縄まで約2日かかり、沖縄での搭乗に数日、そこからまた九州方面に戻ってから朝鮮半島に向かうので、航路で4日分ロスしてしまう。海兵隊基地が佐世保に近い佐賀空港にあれば、大幅に出撃時間を短縮できるし、佐賀県は北朝鮮まで760キロ。沖縄の1400キロの半分だ。照屋寛徳衆院議員(社民党)もこう話す。
「鳩山首相が県外・国外移設を言うのなら、佐賀空港など具体的な県外候補地を出して、国民的議論をすべきだ。そうしなければ、沖縄県民の怒りは収まらないでしょう」
結局、最後は沖縄へ押し付ければいいという、安易な発想が透けて見えるうちは、この問題の解決はない。
(取材協力・横田一)
(日刊ゲンダイ2009年11月9日掲載)
2009/11/12 10:00 更新