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模擬裁判では「素人感覚」で精神鑑定無視であった。
http://www.asyura2.com/09/senkyo74/msg/564.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2009 年 11 月 07 日 21:14:33: N0qgFY7SzZrIQ
 

(回答先: 裁判員裁判初の「精神鑑定」で、殺人未遂に求刑12年(素人3日裁判で精神鑑定無力化?!) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2009 年 11 月 07 日 20:59:43)

法律のプロでさえ判断が難しい「精神鑑定」を、素人裁判員に判断させる意味とは何か。
以前の『模擬裁判』で興味在る結果が出ている。
〜〜〜〜〜〜〜(引用ここから)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/feature/2009/saibanin/kiji/kyushu/20090609/20090609_0001.shtml

【焦点・FOCUS】精神鑑定の扱い迷走 裁判員裁判 質のばらつき一因 “素人感覚”議論の的ずれ
2009年06月10日 11:18

 裁判員が加わった裁判で精神障害が疑われる被告をどう裁くか。最高裁は裁判員への分かりやすさを念頭に、傷害致死事件の判決で精神鑑定結果を尊重する方針を示したが、審理を差し戻された今年5月の東京高裁判決は従わなかった。この東京高裁の姿勢を支持する精神科医も多く、刑事責任能力をめぐる混乱は避けられそうもない。

 ▽最高裁に従わず

 刑事責任能力は1983年の最高裁決定で「裁判所による法律判断」とされ、裁判で精神鑑定結果は参考意見という考え方が定着。鑑定で責任能力が否定されても、判決が認めて有罪とするケースは少なくなかった。

 最高裁は鑑定尊重を打ち出した昨年4月の判決で、無罪を示す鑑定結果を採用しない根拠が誤りとして、東京高裁の控訴審判決を破棄した。

 ベテラン裁判官は「裁判員が専門的な内容に立ち往生しないよう鑑定結果を十分尊重した上で、前提条件などに問題があるかどうかを検討しなさいとの方向性を示した」と解説する。

 しかし、5月の差し戻し控訴審判決で、東京高裁の中山隆夫裁判長は次のように「法律判断」を強調し、差し戻し前と同じ実刑を言い渡した。

 「(最高裁判決は)一般論としては、正鵠(せいこく)を射ているが、責任能力は秩序維持という観点から社会や一般人の納得性を考え、規範的にとらえるべきものである」

 ▽簡略化も成果不十分

 鑑定経験の豊富な精神科医は“中山判決”を聞き「鑑定は責任能力を判断する材料の一部と言ったとも取れる」と評価した。自分たちの鑑定が軽視されかねないのに、どうして評価するのか。

 精神科医の学会関係者によると、最高裁判決に従い、鑑定結果が判決に直結すると「負担が重すぎる」と感じた人が多かったためという。“中山判決”前に前橋市で開かれた学会でも、そうした意見が出され、関係者は「鑑定結果は裁判員を説き伏せる“決定力”であってはならず、裁判員がゼロから考えて納得するための材料の一つにすぎない」と話している。

 ある検事が指摘するように「医師によって鑑定の質には、ばらつきがある」という事情が背景にあるのかもしれない。

 また精神科医のグループは裁判員裁判に向け、裁判所と連携して鑑定書の簡略化や専門用語の言い換え、公判での分かりやすい説明などの改善案をまとめたが、取り入れた模擬裁判で十分な成果が挙がらなかったことも影響しているようだ。

 ▽刑法「納得できぬ」

 昨年11月、東京地裁であった裁判員裁判の模擬裁判は、母を殺害したとして起訴された被告が鑑定でうつ病と診断され、責任能力が争われたという設定。評議では「うつ病がどの程度影響を及ぼしたか」が主題になるはずだった。

 ところが、裁判員役の市民は「うつ病なのに人を殺せるだろうか」と鑑定結果を信用せずに議論を始めてしまった。

 「鑑定を考慮しない議論は、期待される市民感覚ではなく、素人感覚」と傍聴していた裁判官は頭を抱えた。「裁判員が“にわか精神科医”になると怖い」と不安を募らせる裁判官もいる。

 別の模擬裁判では、裁判員役が「責任能力がなければ、人を殺しても無罪になるのは、やはり納得できない」と語り、裁判の前提となる刑法の規定に疑問を呈した。

 ベテラン裁判官は「責任能力の判断はやはり難しい。裁判員裁判の準備が整ったとはとても言えない状態」と漏らした。

    ×      ×

 ●ワードBOX=刑事責任能力

 被告が事件当時、自分の行動に責任を負える精神状態にあること。刑法39条により、精神障害の影響で、やっていいことと悪いことを判断できないか、やってはいけない行為を抑えることが全くできない「心神喪失」のときは無罪となる。そうした能力が大きく減退していたときは「心神耗弱」として刑を軽くする。人格障害とは区別し、判断は精神鑑定結果などを基に(1)動機が理解できるか(2)違法性の認識があったか(3)犯罪行為に一貫性があるか−などの点を検討する。


=2009/06/09付 西日本新聞朝刊=
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(引用ここまで)
 「素人感覚」ならば、同じ行為なら罪も同じにしたくなるだろう。
「これが市民の意見だ」と鑑定を無力化することが「裁判員強制度」の目的の一と考えられないか。

 

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