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(回答先: 勝間和代さんのデフレ退治策、菅直人副総理は納得せず(毎日新聞) 投稿者 最大多数の最大幸福 日時 2009 年 11 月 07 日 01:50:16)
貧困対策で国民は覚悟を
2009年11月01日.
クロストーク17回(7月12日掲載)の「行政・議会に透明性と説明責任を」で例示した「貧困率」が10月20日、長妻昭厚生労働相から発表されました。国民の所得の中央値の半分に満たない世帯を「相対的貧困」と定義し、06年時点で全国の相対的貧困率は15・7%であることが明らかになりました。貧困関係の指標が政府から発表されることはなかったため、格差の認識に向けた大きな前進です。
日本の相対的貧困率は経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中4番目の高さです。加えて、下位10%の国民の平均所得は日本は6000ドル(約54万円)とOECD平均(7000ドル)を下回ります。さらに、子どもの貧困率が14%、高齢者の貧困率が21%、ひとり親家庭の貧困率は59%と、すべてOECD平均を大きく上回っています。
この数値を受けた私の提案は、相対的貧困率を全国平均・子ども・高齢者は10%未満、ひとり親家庭はOECD平均の30%未満にする数値目標を置くことです。
日本の貧困率が高い理由は、所得の再配分機能が他のOECD諸国に比べて弱いためです。市場所得ベースで比べると、相対的貧困率は他のOECD諸国と大きく変わりません。しかし、失業給付や生活保護など貧困層に対する政府からの社会保障が少ないため、税金・手当配分後の可処分所得ベースでは、差が開いてしまうのです。
また、もう一つの要因として、パート賃金がフルタイムに比べて安いことが挙げられます。ひとり親家庭が貧困になりやすいのは、パート賃金労働者が多いためです。
相対的貧困率が日本で拡大してきた背景としては高齢化も指摘されています。年功序列賃金が主流の日本では高齢者が高賃金になりやすい一方、若年層は失業率が高く、職があっても賃金が安いため、高齢者が増えるほど格差が数値上広がっていくのです。
そして、私が問いかけたいのは、相対的貧困率を下げるために、私たちが増税まで負担する準備があるのかということです。あるいは、正規雇用の賃金を引き下げ、非正規の賃金を引き上げる準備があるのか、仕事を分け合うワークシェアリングの準備があるのかということです。
相対的貧困率の引き下げ目標は、総論として、ほとんどの人が賛成すると思います。しかし、相対的貧困率を本当に大きく引き下げるためには、むだな公共投資を減らすなどの財源確保だけでは足りないため、相対的貧困になっていない世帯から貧困世帯へ所得移転が必要になる可能性が高いのです。それだけではなく、貧困対策に押されて他の歳出の余裕が相対的に減ることになるかもしれません。
しかし、政府と国民がスクラムを組み、貧困でない家庭が積極的に貧困対策に協力しない限り、この問題は解決しないと考えます。そして、国民の側もそこまでの覚悟を持って、貧困対策の支援に取り組むことを提案したいと思います。そうすれば、政府も所得の再配分がやりやすくなるはずです
http://mainichi.jp/select/biz/katsuma/crosstalk/