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2009年11月 5日 (木)
新政権を叩くのでなく厳しく見守る姿勢が肝要
8月30日の「決戦の総選挙」を民主党が圧勝し政権交代が実現した。鳩山政権が発足して1月半が経過した。鳩山新政権の政策運営に対して、さまざまな評価が示されている。
「無血の平成維新」の名にふさわしい変革を実現する道は平坦ではない。これまでの自民党政権下での利権複合体勢力は、2010年夏の参院選に向けて文字通り背水の陣を敷いて攻撃を仕掛けてくると考えられる。
主権者である国民が警戒しなければならないのは、利権複合体の一角を占めるマスメディアが、鳩山政権攻撃の姿勢を強めていることである。
政権交代が実現したからといって、すべてが一朝一夕に変わるものではない。衆議院の任期4年をフルに活用して、「平成維新」の名にふさわしい日本政治刷新を実現することが期待されている。こうした時間的視野で現実を見極める姿勢が重要である。
7月12日に実施された東京都議会選に向けて、共産党は民主党攻撃の姿勢を鮮明に示していた。この点について、私は7月13日付記事
「都議選民主党圧勝と総選挙を勝ち抜く三大戦術」
に次のように記述した。
「共産党は、政権交代実現に積極的ではなく、自民、公明、民主をオール与党だとして、唯一の野党としての共産党への投票を呼び掛けたが、有権者は、日本政治の現状を変革する手始めの一歩として、「政権交代実現」を重視したのだと考えられる。
共産党が「政権交代実現」を優先し、政権交代推進勢力と共闘体制を構築していれば、多くの議席を確保できたと考えられる。各選挙区では、民主党に投票が集中した。この過剰な投票が共産党に振り向けられれば、共産党候補者の多数の当選が可能になったと考えられる。」
「民主党を軸とする新連立政権が、初めから完全な形で発足できるとは考えられない。しかし、国民本位の政治の確立を求める主権者である国民の立場からすれば、まずは、「政権交代」から始動しなければ変革を勝ち取ることはできない。
「政権交代」実現を後押しせず、「政権交代実現推進勢力」を攻撃することは、結果的に「悪徳ペンタゴン勢力」を側面支援してしまうことになるのだ。
今回の都議選で明らかになったことは、多くの有権者が「政権交代」を希求しているという、極めて重要な現実であった。」
私の主張が届いたのかどうか。共産党は都議選後に総選挙に向けての基本スタンスを大転換した。「政権交代実現」を是とし、そのうえで建設的野党として、政権交代後の新政権に対して是々非々の姿勢で臨む方針を固めたのである。
この方針転換によって、共産党は総選挙での敗北を回避した。同時に共産党の小選挙区での立候補者数削減は、政権交代推進勢力にとっての追い風となり、現与党勢力の大勝をもたらす一因になったのである。
鳩山政権が発足してどのような変革が実行に移されるのか。さまざまな疑念を吐露(とろ)する見解も散見される。政権公約に示された重要方針が実行されないことになれば、有権者は強い失望を禁じ得ない。この意味で、新政権の先行きを危惧する心情を私も理解できる。
しかし、ここで新政権を潰(つぶ)して、その結果としてこれまでの自民党政治=政官業外電悪徳ペンタゴン=利権複合体による政治が、ゾンビのように復活したのでは元も子もない。
政治の主役は政治家ではない。主権者である国民が政治の主役でなければならない。主権者である国民は、新政権のあらを探して新政権をつぶしに回るよりも、新政権にもし問題点があればその問題点を適切に指摘し、問題点の是正を実現する方向に政治を誘導するべきである。
本ブログで再三記述しているが、私は政権交代の意義が、
@「官権政治」から「民権政治」への転換
A「政治権力と大資本の癒着」排除
B「対米隷属外交」から「自主独立・日米基軸外交」への転換
C小泉竹中政治の「市場原理主義」を排しての「セーフティネット」再構築
D日本郵政の経営刷新と「かんぽの宿疑惑」の全容解明
にあると考えている。
鳩山政権が@「天下り」を温存し、A企業献金制度を温存して「政治権力と大資本の癒着」を維持し続けるなら、主権者である国民は、公約違反を厳しく問い、鳩山政権にNOを突き付けなければならない。
だが、現状では、そのような判定を下すには時期尚早である。いたずらに新政権に対する攻撃を強めることは、結果として利権複合体勢力に加担することになる点を十分に踏まえなければならない。
政権交代実現は日本政治刷新のゴールではなく、あくまでスタートである。衆議院の任期は4年間ある。この4年間の時間をじっくりと消費して、主権者である国民の幸福を実現する新しい政治を確立することが何よりも重要なのである。
鳩山政権転覆、ゾンビ政治復活を虎視眈々(こしたんたん)と狙う利権複合体勢力=悪徳ペンタゴンの片棒を担ぐことにならないよう、細心の注意が必要である。
鳩山政権に非があれば、それを正し、正しい方向に政治を誘導することが求められる。本ブログで繰り返し述べているように、私は民主党政治を手放しで楽観してはいない。「官権政治」、「大資本との癒着政治」、「米国の傀儡(かいらい)政治」に引き寄せられぬように、厳格な監視が不可欠であると考えている。
しかし、国民の力によって実現した政権交代の偉業を無に帰すことがないように注力することも、同時に求められている。こらえ性なく鳩山政権を攻撃し、新政権を倒すことは、決して国民の利益につながらない。
新政権に誤りがあれば、是々非々で正し、しかし、しっかりと政治の変革を支え、時計の針を逆戻しすることのないよう、主権者である国民が厳しく、しかし温かく新政権を監視してゆくことが大切であると考える。
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