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「再びゴールドマン・サックスのお話(加筆)」の中でも書いた通り、サブプライム問題で誤解が横行している点がある。ドイツ銀行は07年にサブプライム証券の損失を穴埋めしようとして、ローン債務者の住宅の差し押さえを裁判所に求めた。しかし、その担保権の証書がないために敗訴した。これを見て、田中宇さんでさえ次のように書いている。
「逆に、ローンの借り手の方は、金を返さなくても家を没収されずにすむことになる。人々はローンを返済する気がなくなり、ますます債務不履行が増える。」
出典:深化するドルの危機 from 田中宇の国際ニュース解説
http://www.tanakanews.com/071204dollar.htm
しかし、これはあり得ないだろう。ゴールドマン・サックスなどのモーゲージ証券が抵当権証書を担保にしていないだけのことで、ローンの借り手の物件は担保にされているのだ。担保なしに何千万というカネを貸す金貸しなんていないだろう。事実、ローンの支払いのできなかった人の家は差し押さえにあうか、ノンリコースだから、自分から家を出ていっている人もいる。
ゴールドマン・サックスのやったことの巧妙さ、ずる賢さはここにある。英語でよくMortgage-backed security(MBS)とよく出てくるが、これは実質的にはローン債務者のローンの支払いのみを対象にした証券であり、mortgage(抵当権付き住宅ローン)に対する証券ではないのだ。つまり、日本語に訳されている不動産担保証券でもなく、担保が何もない証券ということなのだ。マスコミばかりでなく当時の報道、さまざまな資料を見ると、あたかもローン債務者が支払いをしないで、そのまま住宅を手に入れられるようなことが書かれている。これは嘘であり、プロパガンダの臭いがする。
こうなると、サブプライム問題の何が最大の問題かが分かるのだろう。問題は、ゴールドマン・サックスとかが販売したモーゲージ証券に抵当権証書など担保規定がなかったのであれば、誰がローン債務者の住宅の抵当権証書を持っていたのかということである。なぜ、そんな証券にトリプルAなどという格付けがされたのかということである。
再びゴールドマン・サックスのお話(加筆)
http://ootw-corner.asablo.jp/blog/2009/11/02/4669724