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2009.11.1(その2) 森田実の言わねばならぬ【865】
平和・自立・調和の日本をつくるために[860]
《新著紹介》孫崎享著『情報と外交 プロが教える情報マン鉄則10』(PHP刊、1575円)/外交の実態を描いた迫力ある好著
「(これから)米中の狭間にあって日本の安全保障政策の舵取りは難しい時代に入る。否応なしに、独自の情報能力が問われる時代が来る。ほんとうはその日に備え、日本は情報機能を強化すべき時代に入っている」(孫崎享)
著者の孫崎亨氏は1943年生まれ。外務省情報分析課長、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授などを歴任した日本の代表的外交官の一人である。私は孫崎氏の二つの著書、『日本外交・現場からの証言』(中公新書)と『日米同盟の正体』(講談社現代新書)を読んだが、いずれも大変すぐれた著書である。私は、二つの著書を通じて孫崎氏が大変すぐれた外交官だったことを確信した。
本書『情報と外交』は出版されたばかりの著作である。私はすぐに読み始めたが、中身は現代史の重要な証言であり、大変興味深いもので、途中で本を閉じることができず一気に読了した。気がついたら朝だった。久しぶりに興奮を感じた。孫崎氏の誠実さに深い敬意を感じている。ともかく迫力があり、おもしろい。学ぶこと非常に多し。外交活動のすさまじさがよくわかった。
孫崎氏のいう情報マンの鉄則10か条は次のとおり。体験にもとづく教訓である。
鉄則(1) 今日の分析は今日のもの、明日は豹変する
鉄則(2) 現場に行け、現場に聞け
鉄則(3) 情報のマフィアに入れ
鉄則(4) まず大国の優先順位を知れ、地域がこれにどう当てはまる?
鉄則(5) 15秒で話せ、1枚で報告せよ
鉄則(6) スパイより盗聴
鉄則(7) 情報革命:「知るべき人へ」の情報から「共有」の情報へ
鉄則(8) 情報グループは政策グループと対立する宿命(かつ通常負ける)
鉄則(9) 学べ、学べ、歴史も学べ
鉄則(10) 独自戦略の模索が情報組織構築のもと
ともかく、迫力のある本である。血湧き肉躍る著書である。多くの人に読んでほしい良書である。この半世紀の日本外交の真実の姿に接することができる。孫崎氏の知的卓越性と道徳的卓越性に対し深く敬意を表します。日本にはすぐれた外交官がいたのである。