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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091031-00000064-san-pol
産経新聞
自民党とともに野党に転落した公明党がなお立ち位置が定まらず、迷走を続けている。山口那津男代表は自民党と距離を置き、「是々非々」の立場で独自色を出すことに腐心。先の参院補欠選挙(神奈川、静岡両選挙区)では自主投票を決め、自民党の北朝鮮関連船舶の貨物検査特別措置法案の共同提案も断ってしまった。とはいえ、民主党は一瞥もしない冷淡な態度を貫いており、与(よ)党と野(や)党の間をさまようことになりかねない。
◆「首相心から期待」
「鳩山由紀夫新首相のリーダーシップに心から期待するものです」
30日の代表質問。冒頭で山口氏がこう切り出すと、参院本会議場は「オー」というどよめきにわいた。
こういうエールを送りながら、山口氏は八ツ場(やんば)ダムの建設中止問題などを取り上げ、「いきなり変更という結論を強要するやり方は、民主主義の精神にもとる」と批判。平成21年度補正予算の削減も「はじめに3兆円ありきだ。政治主導という名の強権政治の危険すら感じる」と断じた。
それでも首相は痛痒(つうよう)を感じる様子もなく「国民の声を大切にして国民との契約を果たす」「国民生活に影響を与えないように配慮している」とかわした。その上で「公明党の基本政策はこの連立政権の政策とかなり近い部分がある」とほめ、山口氏を振り回した。
だが、民主党が公明党と連携する可能性は極めて薄い。衆院選で自公連立政権を否定して勝利した民主党が、来夏の参院選前に公明党・創価学会とにわかに手を結べば、世論の反発は避けられないからだ。加えて創価学会に批判的な宗教団体が民主党支援に回っている事情もある。
しかも最高実力者の小沢一郎幹事長は「党として公明党と連携や協力は一切考えていない」と公言する。小沢氏は自ら主導した旧新進党が公明勢力との衝突もあり解党した苦い経験を忘れておらず、参院選で自公が連携しない限り、どうでもよい存在なのだ。
◆聴衆わずか30人…
一方、永住外国人地方参政権付与問題などでは公明、民主両党の隔たりは少ない。
それでも民主党の石井一(はじめ)選挙対策委員長は30日、「外国人地方参政権の問題があっても、ただちに一緒になるなどという短絡的なことは考えていない」と公明党との連携を否定。公明党の井上義久幹事長は30日、永住外国人地方参政権付与法案の今国会提出を見送る方針を表明せざるを得なかった。
代表質問後、山口氏は東京・有楽町で街頭演説し、「日本の難局を乗り切るには与野党の建設的な議論が必要だ。公明党は国民的視野に立って是々非々で論陣を張る」と訴えた。
だが、深々と頭をさげる山口氏を見守る聴衆はわずか30人。公明党に袖(そで)にされ、不信を強めている自民党からは「公明党の存在感は小さくなり、もはや『ゆ党』になりたくても『ゅ党』にしかなれない」(閣僚経験者)と冷ややかな声も漏れる。