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沖縄、普天間基地移転が政治問題となっており、民主党の政策が揺れているようだ。今後の見通しは不透明で現時点で即断することは出来ないが、アメリカの世界に占める位置はブッシュ政権8年間を転回点として既に大きく変わっており、もはやアメリカ一極集中は終わっている。(これは1991年旧ソ連崩壊により始まった)
多くの人が気付いているように、イラク戦争、アフガン戦争の結果は既に出ている。敗北という結果である。フセイン像を引き倒した時点がピークでその後、敗走を重ねている。(勿論そのときも像を引き倒したのは米軍でイラク民衆ではなかったわけだが)イラク戦争を始めたとき、ブッシとりまき、ウォルフォビッツ、チェイニー、ラムズフェルドらは何と言っていたか。ドイツ、フランスの反対を押し切り、開戦に踏み切ったわけであるが、ドイツ、フランスは古いヨーロッパだとかいっていたようだ。東欧を支配下に置き、中央アジアに米軍を駐留させた自信によるものだったのだろう。国連決議など必要ないとも。
またこのようなことも言っていた。復興需要には戦争に協力した者のみが参加できるとも。また中東に民主主義をもたらすために戦争するのであり、石油利権のためではないと強調していた。しかし、結果は!
フセイン政権を倒したときまず警察等治安機構を解体した。代替の治安機構がないままそれを解体すればどうなるか。無政府状態一直線になるのでは。また経済は、彼らの信ずる市場原理経済を一気に導入し外国企業が自由に活動することを優先して改変した。結果、機能していた保安機構、経済機構の代替がないまま体制を(とりあえず)変えてしまった。その結果、国外へ脱出できる人はあらかた脱出し、生活の糧を得る手段が奪われた人が希望を失い、無政府ともいえる事態を自ら作ってしまった。犯罪を取り締まるまた法律を遂行する主体がない。残るは宗教的連帯のみか。自業自得か。
勿論当初進出した外国資本は逃げ出してしまっている。それに変わる機構は壊滅状態である。そしてソフト面ではアメリカを信頼する人は中東地域ではほとんどいない。(石油だけで金のあるUAE、クウェイト、および親米国首長は別−人口はごくわずか)
自由な選挙を行えば反米国家がほとんどになるだろう。
はたして石油利権が目的であったのか、これは、以下の事実を述べておけばよいだろう。バビロンの貴重な遺跡は盗難するにまかせたが、石油施設は厳重に守られた。この意味は?
外交面では、悪の枢軸の一角を占めた北朝鮮に対して、ほとんど得るものはないのに核の脅しにより簡単にテロ指定国家を解除してしまった。
経済面ではどうか、中国の為替レートで元が安すぎるとか攻撃していたが、チキンレースになれば、米国債を売ると言われれば、膨大な対外債務を抱えるアメリカはドル暴落。金利大幅上昇は避けられない。むしろ不利な情勢である。そしてダントツの軍事力は実際に行使してみたが、ステイグリッツ先生によれば、イラクの戦費は3兆ドルにも上るそうな、まだ戦費の支出は続いており、今後発生する負傷者の治療費、死者への年金、治療費、金利も考慮すれば、6兆ドルでもおかしくないそうな。いかなアメリカでもこれは堪えるだろう。いまでもアメリカは先進国中、最大の貧困人口をかかえているというのに、すぐではないがかなり先(何十年後か)にはワン・オブ・ゼム国家になることは間違いないのはないか。
勿論、変革を掲げるオバマは、ブッシュより数段まともである。しかし今のアメリカの現状は厳しい。「国民皆保険」も民間保険会社、資本の支配下にある3大メディアのキャンペーンによりいまや風前の灯である。このような背景を考慮して日米地位協定も一部は考えなおす時期にきているのではないか。かなり難しいテーマではあるが。
蛇足であるが私は反米ではない(つもりだ)明朗快活で私よりずと体力のあるアメリカ人にはシンパシーを感じている。