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10月29日1時42分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091029-00000508-san-pol
国会近くの東京・平河町にある中曽根康弘元首相の個人事務所が今年中に閉鎖されることが28日、わかった。来年からは中曽根氏が会長を務める世界平和研究所(東京・虎ノ門)に拠点を移し、政治活動を続けるというが、自民党の一時代を築いた政治史の舞台がまた一つ消える。
中曽根氏の事務所がある「砂防会館」は、田中角栄元首相が率いる田中派(木曜クラブ)の本拠地だったことで知られ、現在も伊吹派(志帥会)や二階派(新しい波)が事務所を置く。
中曽根氏がここに事務所を構えたのは昭和42年。53年から同じフロアの現在の場所に移し、30年以上政治活動の拠点としてきた。
57年秋には自民党内で浮上した「中曽根総理、福田赳夫総裁」の「総総分離論」をけり、総裁選の予備選が実施された。中曽根内閣発足までの間の中曽根氏の一挙手一投足が注目され、事務所は中曽根派議員やメディア関係者で昼夜を分かたずごった返した。
首相在任中は首相官邸や自民党本部を拠点にしたが、退任すると再び事務所に戻り、ゴルバチョフ元ソ連大統領や全斗煥元韓国大統領ら多くの外国要人を迎えたほか、政局の節目では自民党の大物・中堅議員が常に出入りした。
平成15年の衆院選前には、当時の小泉純一郎首相が事務所を訪問し、引退を勧告。中曽根氏は「政治的テロみたいなものだ」と怒りを爆発させた。結局、56年にわたる議員生活から退いたが、その後も事務所で政治活動を続けてきた。
ただ、中曽根氏も91歳。政権交代により、自らも若手議員として首相に担ぎ出した故鳩山一郎氏の孫、鳩山由紀夫氏が首相になったことも一つの区切りと感じたようだ。今後は政党色を薄め、世界平和研で外交や経済の政策研究に力を入れる考えだという。