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「月刊日本」読者への手紙
以下は「月刊日本」11月号「読者」欄に掲載された小生の文章である。「月刊日本」11月号は現在、書店で発売中です。「月刊日本」11月号には、城内実、亀井静香、鈴木宗男、古川禎久等・・・今回の選挙で激戦を勝ち抜き、政権交代を実現した各議員が登場し、「新政権と日本の針路」について熱く語っています。特に「私が小泉・竹中政治を終わらせる!」(亀井静香)「自民党は潔く解党すべし」(城内実)は、一読の価値あり、です。
「月刊日本」読者への手紙。
まずは、「月刊日本」9月号掲載の拙論(「保守論壇は小林よしのりという悪夢から覚醒せよ」)をお読みいただき、その上で感想をお寄せいただき、ありがとうございます。早速ですが、私は、「保守陣営なら『天皇論』が多くの人に読まれる情況を喜ぶべきだ・・・」とか、「温かい心で「天皇論」の幅広い浸透を支援しようではないか・・・」とかいうような物の言い方が好きではありません。むしろそういう言葉の使い方を嫌悪します。何故、みんな一緒になって、絶賛しなければならないのか。ましてや、それの「幅広い浸透を支援」しなければならないのか。「保守」だから、ですか? ならば、三島由紀夫のあらゆる小説を、あるいはその「文化概念としての天皇」論を、あるいは、「などてすめろぎは人となりたまいし・・・」と昭和天皇を告発した『英霊の声』を、全員揃って、みんなで絶賛しなければないないということになりますが、それでいいのか。 また「左翼陣営を倒す力の結集・・・」というような発想法にも大反対です。私は、保守陣営であれ、左翼陣営であれ、優れた作品は褒めていいし、くだらない作品は批判し、貶してもかまわないと考えます。保守陣営の作品だから、「多くの人に読まれることを喜ぶべきだ」というのは、思考停止、思想放棄以外のなものでもないと考えます。ましてや、「温かい心で『天皇論』の幅広い浸透を支援しようではないか。」というにいたっては、私としては、「言語道断」というしかありません。 むしろ、保守陣営だからこそ、保守思想の深化のために相互批判、切磋琢磨、論争・・・が必要でしょう。 フッサールの弟子だったハイデッガーは、師を裏切るようにして決別し、独自の哲学世界を築き上げました。ミシェル・フーコーは、弟子筋のジャック・デリダと激しい論争を繰り返しました。三島由紀夫の自決をめぐって、小林秀雄と江藤淳は、激しい言葉のやりとりをしています。江藤淳が「あれは病気でしょう」と言ったのに対して、小林秀雄は激怒して「君は日本の歴史を病気だというのか」と反論しています。 「保守陣営の作品なら・・・」批判も反対もすべきではないというのであれば、思想も学問も沈滞し、劣化するしかありません。現に、今回の選挙における自民党の惨敗、そして政権交代をもたらしたものは、他にも様々な原因があるかもしれないが、私は、全員一致で、同じお題目を唱えるだけの最近の保守陣営の思想的沈滞と思想的劣化が主な原因だろう、と考えます。 私は、小林秀雄や江藤淳、三島由紀夫を読んで保守とか保守思想というものに興味を持ちました。もちろん,小林秀雄や江藤淳等も読みますが、同時に大江健三郎も柄谷行人も、そして吉本隆明も丸山真男も、さらに広松渉も読みます。左翼とか右翼、あるいは保守・革新という二項対立で、判断・選別していません。むしろ私は、最近は、保守思想家たちの本よりも、左翼と言われている人たちの本をよく読みます。学ぶべきことが多いからです。私は、「保守反動派」を自称しながら、最近、右翼・保守陣営に属する人たちの書いたものは、ほとんど読みません。はっきり言って、学ぶべきものがなく、思想的にも学問的にも「クダラナイ」からです。 その象徴的存在が小林よしのりです。小林よしのりだけでなく、櫻井よしこも渡部昇一も、西部邁も中西輝政等の書いたものもほとんど読みません。もちろん思想的レベルが低いし、読んでも学ぶべき点が何もないと考えるからです。 言うまでもなく、私は、漫画や漫画家を差別するつもりはありません。ただ、政治や思想、歴史等を、漫画家が語り論じるのであれば、もはやそれは漫画の世界の話ではないはずです。「漫画だから・・・」「漫画家だから・・・」と言って逃げるわけにはいかないでしょう。 私は、日本の論壇が、小林よしのりの『天皇論』を黙殺していることは論壇として健全なことだと思います。 『ベルサイユの薔薇』を読んでフランス革命がわかったという人もいるでしょう。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで、明治維新がわかったという人もいるでしょう。私は、それを批判も否定もしません。ただ、それらは、論壇やジャーナリズム、あるいてはアカデミズム・・・等の世界で、大真面目に論じる話題ではないでしょう、と言いたいだけです。以上です。妄言多謝。(山崎行太郎)
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